活動ブログ

平成29年度 うえの!ふしぎ発見

うえの!ふしぎ発見:アート&アニマル部 (2017.9.3)

9月3日(日)に、あいうえのファミリー向けプログラム「うえの!ふしぎ発見 アート&アニマル部」が実施され、小中学生とその保護者計36名と、アート・コミュニケータ(とびラー)19名が、恩賜上野動物園と東京都美術館を舞台に活動をしました。

「うえの!ふしぎ発見」は、上野公園の文化施設が有機的に連動し、アートからサイエンスまで、バラエティ豊かなテーマにそってミュージアムをめぐり、モノを丁寧に観察・鑑賞するプログラムです。

そんな「うえの!ふしぎ発見」シリーズの第2弾となる、「アート&アニマル部」では、恩賜上野動物園の鳥の羽の色を「観察」、東京都美術館の作品の色を「鑑賞」し、色をめぐるワークショップを行いました。それでは、活動の様子をご覧下さい!

《1. はじめに》

プログラムがはじまる10時を前に、東京都美術館のアートスタディルームには参加者のファミリーがぞくぞくとやってきます。とびラーたちに迎えられた参加者は、それぞれ自分の活動チームの席につくと、冒険の道具「ミュージアム・スタート・パック」をプレゼントされ、活動のはじまりです。

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まずは、とびラーによるファシリテートのもと、色チップを使った自己紹介をしていきます。これは、色をよくみることや、誰かと対話をすることに慣れるための大切なウォームアップとなる時間です。こうした何気ないコミュニケーションが、場を少しづつ柔らかいものにしていきます。

活動をともにするメンバーを覚えたら、続いて、あいうえのプログラム・オフィサーの渡邊がワークショップの内容や流れを紹介していきます。

今回のワークショップのテーマは「色」です。

ミュージアムには、たくさんの色があふれています。今回のワークショップでは、その中でも、恩賜上野動物園と東京都美術館を活動の舞台にして、色を観察・鑑賞していきます。

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恩賜上野動物園では鳥の羽の色を、東京都美術館では「杉戸洋 とんぼ と のりしろ」展(http://hiroshisugito.tobikan.jp)の作品の中の色をよく観察・鑑賞し、みた「色」から発想をふくらませて「杉戸洋」展の展示室に住む想像上の鳥の羽をつくるというのが、今日のワークショップのゴールです。

《2. 観察 動物園で実物の鳥の羽を観察しよう》

恩賜上野動物園での鳥の羽の観察に出かける前に、恩賜上野動物園教育普及係長の鈴木仁さんが、観察のポイントについて説明をします。

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鳥の体を色々な方向から見ると角度によって見える色がちがうこと。
広げたつばさの色は違うかもしれないこと。

これらのポイントは、見えている部分や隠れている部分の羽一枚一枚の色を想像して見ることで、鳥の羽がなぜそんな色をしているのか、色の不思議を考えるためのヒントとなります。

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観察のポイントをそれぞれの視点からつかんだら、いよいよとびラーと一緒に上野動物園に出発です。台風の影響で心配された雨も降ることなく、この日は快晴。普段は使われず閉じられている旧正門から上野動物園に入園し、東園のキジ舎前に移動します。

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キジ舎前では、恩賜上野動物園の解説員の小泉さん、植田さんが加わって、展示ケージの前で鳥の羽の色の注目ポイントの解説を聞きながら、生きた鳥と鳥の羽の色、模様、形をよく観察していきます。

多様な色をもつコシアカキジ、メタリックな色彩に尾羽の目玉模様の美しいパラワンコクジャク、頭部の飾り羽が特徴的なハゲガオホウカンチョウなど、ただ鳥の羽を観察するだけではなく、解説員の解説とともに鳥の色をじっくりと味わい、新しく知ったことや、自分が感じた印象などを「冒険ノート」に残していきます。

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ケージの中の鳥を懸命に見ながら、おとなもこどもも集中してスケッチやメモをとります。

さらに、東園内のバードハウスに移動をして色の観察を続けます。2階建てのバードハウスは、吹き抜け構造の大きなケージがあり、植物の影に隠れたり、地面を歩き飛び回ったりするリアルな鳥の動きを観察できるのが特徴です。

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森の木々に似た目立たない羽で覆われた、展示室内で見つけるのが少々難しい鳥も、こどもたちは、姿を現すその時を動かずにじっと待ちながら、とびラーと一緒に観察を進めていきます。

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また、羽の標本をそっと手にとって手触りを感じたり、模様や不思議な構造色を間近で観察したりしながら、種による違いや特徴を発見することもできました。

最後にバードハウス前の藤棚の前に集合し、「隠れたいけど目立ちたい」鳥の羽の色の不思議についてのお話を聞いて、動物園での活動は終了。美術館に戻り、昼食を食べて午後の活動に入ります。

《3. 鑑賞 「杉戸洋 とんぼ と のりしろ」展の色をみて、鳥を想像しよう》
午後は、東京都美術館の「杉戸洋 とんぼ と のりしろ」展の作品鑑賞と、展覧会に住む「想像上の鳥の羽をつくる」造形ワークをおこないます。

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まずは、静かな展示室で作品を鑑賞するために、絵本「はね」の読み聞かせを行います。絵本に耳を傾けて気持ちを落ち着かせてから鑑賞に移るための時間です。

作品を見るための心の準備が整ったら、いよいよチームにわかれて、「杉戸洋」展の展示室へ向かいます。果たしてどんな作品、どんな想像上の鳥と出会えるのでしょうか。

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展覧会場についたら、とびラーをファシリテータにして、展示室の入口から出口まで、まずは一通り展示室内全体をめぐります。参加者が展示室内の雰囲気や、展覧会の規模などをつかんで、作品を鑑賞するためです。

展示室には、木や家やカーテンなどのシンプルなモチーフや、リズミカルにおかれた色彩など、独特な色や質感をもつ作品群が展示されています。見上げたり見下ろしたり、覗き込んだりかがんだりしながら、一目見るだけではわからない色の妙に触れていきます。

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活動の中で参加者に寄り添うとびラーは、鑑賞するこどもたちやおとなたちのつぶやきをキャッチし、「どのあたりからそう想ったの?」と聞いていきます。すると、「ここが〜」とこどもが応えていきます。こうしたふとした小さな気付きから、作品を介した対話が生まれ、鑑賞が深まっていくのです。

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グループ鑑賞を終えたら、それぞれの参加者が居心地の良い場所やお気に入りの場所を探しながら、そこにいる「想像上の鳥」を思い描いていきます。

《4. 想像上の鳥の羽をつくろう》

展示室から、アートスタディルームに戻ったら、動物園で見た鳥の羽と美術館で見た作品の色、模様、配色などを思い起こしたり、スケッチやメモを見たりしながら、想像した鳥の羽を実際に形にする活動の始まりです。

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用意されているのは、真っ白な本物の鳥の羽。展示室で想像した鳥の羽を、パステルを濾した粉を筆につけて、色づけていきます。

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その羽の持ち主の鳥は、どんな鳥なんだろう、その鳥とはどこで出会い何をしていたんだろう、そんな想像上の鳥の羽のエピソードなどを想像しながら、色の組み合わせや割合を考え羽をつくっていきます。

色をつけて、見た鳥や作品のことを思い出す。それを繰り返しながら、実際の鳥の羽の一部を掛け合わせたものや、特別な機能を持つ鳥など、参加者のそれぞれの体験と想いが込められた36の鳥の羽が誕生しました。

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にほんのぜんこくにいない「どこにもいないとり」

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エレベーターにいる「クジャク」

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色ガラス窓の近くにいる「影の中に住んでいる7色に輝く羽を持つ鳥」

出来上がった作品は、親子で並ぶように展示します。ワークショップでは、別々に活動したこどもとおとなが、活動の終わりにはこうして隣り合わせに作品を並べることで、自然と、ワークショップにまつわる会話が親子の間で交わされていました。それぞれが個別に体験したことを、こうして自然に話すことで、今日のミュージアム体験が一層深まっていくだろうと感じられる光景でした。

ミュージアムの中の色を観察・鑑賞する「うえの!ふしぎ発見 アート&アニマル部」が、みることのワクワク感や、心の中の充実感、人やモノや場所とコミュニケーションをはかることの面白さを感じるような体験となったことを願います。そして、上野公園の他の文化資源に直に触れる体験を自分自身で広げていってもらえればと思います。

「アート&アニマル部」に参加してくださったみなさま、ありがとうございました。
また、上野公園で会えるのを楽しみにしています。

(Museum Start あいうえの プログラム・オフィサー 渡邊祐子)

プログラム: うえの!ふしぎ発見 | 投稿日: 2017年9月3日

主催/東京都、東京都美術館・アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、東京藝術大学

共催/上野の森美術館、恩賜上野動物園、国立科学博物館、
国立国会図書館国際子ども図書館、国立西洋美術館、東京国立博物館、
東京文化会館(五十音順)

お問い合わせ:Museum Start あいうえの 運営チーム(東京都美術館×東京藝術大学)
Tel: 03-3823-6921(東京都美術館 代表番号)
Fax: 03-3823-6920
E-mail: aiueno@museum-start.info

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