活動ブログ

平成26年度 スペシャル・マンデー・コース

スペシャル・マンデー・コース:台東区立金曽木小学校(2014.9.8)

9月8日の午後、台東区立金曽木小学校の4年生が直通貸切バスに乗って元気に到着しました。東京都美術館の特別展「メトロポリタン美術館 古代エジプト展ー女王と女神」を鑑賞します。
午後の展示室は完全に金曽木小学校だけ!本当に貸切状態です。
(児童59名、引率教員4名、とびラー27名)

こどもたちは夏休み明け、図工の授業で先生と今日のための事前授業をしてきています。以下は先生作成の事前授業のワークシート。これまでの美術館経験を尋ねるアンケートに加え、あいうえのからの貸出し鑑賞ツールを使って各自「気になる作品」を選び、その選出理由をそれぞれの言葉で書きとめた活動の様子がわかります。 ↓

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このような事前授業は、こどもたちが当日イヤイヤ連れて来られるのではなく「本物を見たい」「このことを確かめたい」という気持ちで来館するためにとても重要な活動です。あいうえのは、先生との事前打合せで、授業内容を共に考えると同時に、鑑賞ツールの貸出しなどで事前授業の実施をサポートしています。

そして当日。
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展示室入口脇のスペースにこどもたちが班毎に到着しました。周りに見えるコンテナに手荷物を入れて身軽になります。

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あいうえの運営チームは、東京都美術館と東京藝術大学が連携しています。会場は東京都美術館ですが、東京藝術大学の長尾より、金曽木小学校のみなさんに挨拶や活動の説明がありました。写真は展示室のマナーを確認しているところ。学校の事前授業で確認してきているので、マナーを尋ねるとこどもたちの手が勢いよく挙がります。

そして展示室へ。
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まずはじめは、アート・コミュニケータ(とびラー)と一緒にグループ鑑賞です。1グループは、こども4〜5名にとびラーが2名。
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発見したこと、気がついたこと、疑問に思うこと。複数の目で丁寧に作品を観ながら、見つけたことを共有し、新たな視点を得ながら、「モノをみる」という行為を経験していきます。グループ鑑賞の時間は30分。各グループ2作品見れたようです。
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続いて個人鑑賞。
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事前授業で「気になる作品」として選出した作品を見に行きます。事前授業ではアートカードでしか見られなかった作品ですが、展示室で本物を目の前にすると、その大きさに驚いたり、作品からのエネルギーを浴びるように感じたり、作品の後ろ側で新たな発見をしたり。作品の前にじっと佇むこどもの姿をよく見かけます。
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また、個別鑑賞の際には、気がついたことを書きとめるメモとして「つぶやきシート」を用意しています。スケッチでメモするこどもも、文字でメモするこどももいて使い方は様々ですが、書きとめることで作品を交えた自分自身との対話がすすむ様子を感じることもしばしばです。個別鑑賞の時間も約30分。

 

グループ鑑賞・個別鑑賞を終え、展示室から最初の集合場所に戻ると、椅子の上にプレゼントが!ミュージアム・スタート・パックが全員に贈られました。

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地図ページをひらいて、上野公園の9つのミュージアム(冒険の行き先)を確認します。事前授業で「上野公園にはいくつミュージアムがあると思いますか?」の質問に5つと答えたこどもも、50個!と答えたこどもも、ぜひ、このブックを携えて9つのミュージアムをめぐる冒険に出発してくれたらと思います。

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当日は27名のアート・コミュニケータ(とびラー)が、こどもたちの傍らで伴走しました。鑑賞の現場での出来事や、伴走する中で感じたことを綴ってもらいました。

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近藤乃梨子さん(アート・コミュニケータ/2期生)

展示室に入るやいなや「あれは何!?」「これは?」と気になる作品にまっしぐらに進むこどもたち。学校とは違う美術館の空間にはじめはそわそわした様子でしたが、班で作品を見始めるとぐっと集中し、たくさんの発見がありました。
「上と下の場面は実は繋がっているみたい」「上の人達は王族で下は平民」「採ってきたものを運んでいる」…。古代エジプトの人が表現したことを、ちゃんと自分の眼で受け取っていました。

こどもたちの声に、私も1人では見落としていたことに気付くこともあります。「エジプトの人も鞄をもっていたのかな?」という疑問に、イメージだと手ぶらだけど実際はどうだったんだろう…?と一緒に考えることもありました。この日一番印象に残っているのは、発掘の記録映像をじっと見ていた男の子の後ろ姿です。もしかしたら、彼の将来の夢は「考古学者」になるかもしれません。

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小松一世さん(アート・コミュニケータ/3期生)

閉室日の展示室を独占できるまさにスペシャルな鑑賞授業は、「走らない、騒がない、触らない」という美術館のお約束事を守りながらも、和やかな雰囲気ですすみます。思わずスキップしそうになるところをお友だち同士で制しながら展示室に入る様子はとても微笑ましく、好奇心旺盛なこどもたちの高揚感と緊張感がうかがえました。

私が担当したグループは男子3人女子2人。選んだ作品はカノポス容器でした。上部(頭部)の可愛らしさが選んだ理由らしく「ふくろうかな?」「だるまにも似てるね」と、しばしそのキャラクター性が語られましたが、「ミイラを作るときに内蔵を取り出して入れたもの」と知るや、途端に“さっき観た発掘の記録映像”が思い出され、「痛くなかったのかな?」と、リアルなイメージが膨らみます。「内蔵のどの部分が入ってるんだろう?」「どうしてこの形(顔)にしたんだろう?」「ちゃんと天国に行けたかな?」・・・さらにはディテールの美しさにも言及して、子どもたちの興味は限りなく広がってゆきました。3500年もの時を超えて生命の繋がりへと想いを馳せることができるのも“本物”を前にしているがゆえでしょう。

グループ鑑賞で元気に意見を交わしたこどもたちは、個人鑑賞では一転して寡黙に作品と対峙します。ガラスケースの中の小さな作品に真剣な眼差しを向けながらスケッチする姿を目にして、彼らのミュージアム・スタートに立ち会えた喜びを感じました。(とびラーになって本当に良かった!)

「ありがとうございました〜」と元気な声を残して帰るこどもたちの後ろ姿を見送りながら、再会を願わずにいられません。一緒に鑑賞した作品のこと、ひとときを共有したあの空間のこと、いつか思い出してくれるでしょうか?今日の思い出が再び美術館を訪れるきっかけになれば尚嬉しく思います。

(東京藝術大学 美術学部特任助手 長尾朋子)

プログラム: スペシャル・マンデー・コース | 投稿日: 2014年9月8日

主催/東京都、東京都美術館・アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、東京藝術大学

共催/上野の森美術館、恩賜上野動物園、国立科学博物館、
国立国会図書館国際子ども図書館、国立西洋美術館、東京国立博物館、
東京文化会館(五十音順)

お問い合わせ:Museum Start あいうえの 運営チーム(東京都美術館×東京藝術大学)
Tel: 03-3823-6921(東京都美術館 代表番号)
Fax: 03-3823-6920
E-mail: aiueno@museum-start.info

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