活動ブログ

平成26年度 スペシャル・マンデー・コース

スペシャル・マンデー・コース:墨田区立小梅小学校(2014.9.8)

9月8日午前、墨田区立小梅小学校の6年生が東京都美術館に到着しました。通常なら月曜は閉室している特別展「メトロポリタン美術館 古代エジプト展ー女王と女神」ですが、今日は学校の授業で来館するこどもたちのために特別に開かれています。普段は一般の来館者で大変混み合う展覧会場が、今日はとても静かで落ち着いています。スペシャル・マンデー・コースは名の通り、鑑賞に適した“スペシャルな環境”をこどもたちに準備しています。

学校の先生も、こどもたちがその“スペシャル”を十分に楽しめるよう、学校で事前授業を行い当日に向けた準備をしてきてくださいました。下記は事前授業のワークシート。「美術館ってどんなところだと思う?」という問いかけから、グループ鑑賞で見る作品や、個人鑑賞で見る作品を選出し、気になるポイントもまとまっています。このように、こどもたちの気持ちが「これ見るぞ!」という状態になっていることは、当日の活動に大きく役立ちます。
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美術館に到着した小梅小学校のこどもたちは、アートスタディルームという部屋に集合しました。同時に来館している足立区立栗島中学校とは別々の進行です。
(児童46名、引率教員4名、とびラー16名)
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東京都美術館の熊谷学芸員より、今日の活動の流れや、これから見る展覧会についてお話がありました。
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上のスライドは、小梅小学校のすぐ隣にある牛嶋神社の「撫で牛」。この牛の脚や背中など、自分の身体の痛い部分と同じ部分を撫でると良くなると言われているそうです。また牛嶋神社は数年に1度大きなお祭りがあり、本物の牛が町内を清めて回り、こどもたちも参加して神輿や山車で賑わうとのこと(学校の近隣に住むアート・コミュニケータが教えてくれました!)。

本日鑑賞する展覧会には、牛など動物の姿をした女神が多く出品されています。古代エジプトの牛と神様について、こどもたちに身近な地域文化の話からアプローチしました。

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全体への話の後、グループごとに活動です。アート・コミュニケータとこどもたちが自己紹介をし合ったり、これからグループで見に行く作品を確認したり。

そして準備ができたグループから展示室へ。

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まずはグループ鑑賞です。1グループは、5〜6名のこどもたち+2名のとびラー。
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グループ鑑賞では、とびラーが問いかけや進行を担い、こどもたちは、気がついたことや発見したことを互いに口にしていきます。誰かと交わりながら鑑賞すると、自分では気付かなかったことに気付くことや、自分とは違う見方や価値観に出会うことができます。

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こどもたち同士でも活発に意見交換する姿も見られました。

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つづく個別鑑賞では、ゆったりした環境を最大限に使って40分間の鑑賞です。気がついたことを手元の「つぶやきシート」に書き込んでいました。

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鑑賞後は再びアートスタディルームに集合。上野の9つのミュージアムをめぐるための「ミュージアム・スタート・パック」が全員に贈られました。上野のミュージアムマップを眺める姿。
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このブックは美術館だけでなく、動物園や科学博物館、子ども図書館など各文化施設の専用ページがあり、各施設をこどもたちが利用する際の応援アイテムです。リング製本で表紙が行き先に合わせて変えられるようになっていて、写真は東京都美術館のページ。

今日は学校で東京都美術館に来ましたが、次回は家族や友達と自分の関心に応じて行き先を決定し、ミュージアム冒険を続けてもらえたらと思います。

 

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小梅小学校のプログラムには、16名のアート・コミュニケータが伴走しました。中には年休を取って参加する人もいます。皆、こどもたちとの鑑賞の場に居合わせることを楽しみにしていて、当日はこどもたちの視線から学ぶこともあり、こどもと大人が学び合う場です。今回初めて参加したふたりのアート・コミュニケータからの声を紹介します。

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藤田琳さん(アート・コミュニケータ/3期生)

大学では小学生と関わることがないのでしっかりやれるか不安でしたが、はじまってみると子どもたちと一緒になってエジプト展を楽しむことができました。

グループ鑑賞の時間では、古代エジプトの楽器シストラムを前に、
「写真で想像してたよりも大きくて重そう!」「説明の文には楽器って書いてあるけれど、本当かな?」「穴があいているからリコーダーみたいに吹くんだよ!」「お線香を穴に差すんじゃない?」と、解説文にとらわれず、目の前の「本物」に向き合って想像を爆発させていました。

私も事前に何度か作品を見ていたはずなのに、一人で見たときには気付かなかったこと・想像もしなかったことがたくさん出てきて、本物をじっくり見るってすてきだな、面白いな、と感じました。子どもたちのミュージアム・スタートの日は、私にとってミュージアム・リスタートの日だったなと思います。
はじめての美術館でじっくり作品に向き合った後の子どもたちは少し疲れている様子でしたが、まだまだ見たい作品があるようで、また見に来るね!と言ってくれました。とても嬉しい瞬間の数々に立ち会えて、また私自身めいっぱい楽しむことができて、とてもすてきな月曜日でした。

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新西美樹さん(アート・コミュニケータ/3期生)

グループで鑑賞した「二人の王女のレリーフ」。最初は、素材や製法などぱっと見てわかるところが話題にのぼりました。レリーフに描かれているのは、高低差のある配置の2人の人物の頭~胸の部分。

「肩に手をまわしているのは、親しいからではなく上から押さえてるんじゃない?」「ほら、こんな風に。」「じゃ、こっちの人は跪いてこういう感じかな?」—男子2人が身体を動かして、レリーフにない胸から下の部分にも思いを馳せていきます。
「(2人の顔から)吹き出しが出てそう。」「きみ、クビだよ、とか」えぇっ、会社の関係!?—とこちらの思いもしないシチュエーションを絵の中に見出します。
「でも、王女だから姉妹で、こっちが姉かな?いじめてるんだよ、妹を…」3000年以上前のレリーフが、今も昔も変わらぬ兄弟ケンカの1シーンとして、最後は共感していたようです。

30cm四方のひんやりとした石片から、あたたかな人間味を息吹として感じとる→それを伝える→受け取った仲間の心もほっこりする…そんな素敵な連鎖反応を傍らで感じられたことに感謝です。

(東京藝術大学 美術学部特任助手 長尾朋子)

プログラム: スペシャル・マンデー・コース | 投稿日: 2014年9月8日

主催/東京都、東京都美術館・アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、東京藝術大学

共催/上野の森美術館、恩賜上野動物園、国立科学博物館、
国立国会図書館国際子ども図書館、国立西洋美術館、東京国立博物館、
東京文化会館(五十音順)

お問い合わせ:Museum Start あいうえの 運営チーム(東京都美術館×東京藝術大学)
Tel: 03-3823-6921(東京都美術館 代表番号)
Fax: 03-3823-6920
E-mail: aiueno@museum-start.info

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