活動ブログ

平成26年度 スペシャル・マンデー・コース

スペシャル・マンデー・コース:台東区立金竜小学校(2014.11.10)

11月10日午前、足立入谷小学校に続き、台東区立金竜小学校の3年生も元気に東京都美術館に到着しました。(児童3年生:58名、引率の先生:3名、とびラー:15名)

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1学期に社会科の地域学習で、自分たちの住む台東区について学んだ3年生は、上野公園内に文化施設がたくさんある、ということを知っています。今日はそれをより具体的に、どんな文化施設があるの?どんな宝物があるの?を、体験を通して知る日になります。図工や美術の授業枠での申込が多い中、金竜小学校は総合学習の時間枠での申込で、今回は、担任の先生、図工の先生、そしてあいうえのスタッフの3者が協力してオリジナル授業プランを考えました。

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東京都美術館のアートスタディルームで活動準備です。「ここは東京都美術館。上野公園にはたくさんの文化施設があるけれど、まずは東京都美術館の展示を見てみよう、外国からやってきた宝物(作品)を見てみよう」と、特別展「ウフィツィ展」への導入です。
6-7名のこども+アート・コミュニケータ(とびラー)1-2名の小グループで、これからグループで鑑賞する作品を紹介しています。

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そして展示室へ。グループ鑑賞は30分で2作品。とびラーが進行し、こどもたちは気がついたことをグループ内で共有していきます。会場でグループ鑑賞の様子を見ていると、こどもたちの雄弁さ、気づきのポイント、そしてグループ内での発見の連鎖に驚かされます。(この記事下のとびラー古保さんのコメントに詳しくあります!)

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続いて個別鑑賞。事前打合せで先生は「3年生なので集中力が持つかどうか…グループ鑑賞だけでもいいかな」と個別鑑賞を心配されていましたが、今日は一般来館者がいない、ほぼ貸切状態の落ち着いたスペシャルな展示室。とても集中して楽しんでいたようでホッとしました。
ひとりでの鑑賞時につぶやきを書きとめたワークシートです↓
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どうして赤ちゃんに頭をさげているのか不しぎでした。ぼくは赤ちゃんが神様なのかなーと思いました。

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展示室を出て、再びアートスタディルームへ。「上野公園の9つの文化施設を知ろう!」という活動です。
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東京都美術館の稲庭学芸員が進行します。上野のミュージアムを冒険するためのアイテム、ミュージアム・スタート・パックが全員に贈られました。

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ミュージアム・スタート・パックの中のビビハドトカダブックには、9つのミュージアムの基本情報が載ったガイドページがあります。
今日のこどもたちのグループ数は9グループ。各グループに1施設ずつ割当てられ、こどもたちはガイドページを頼りに各施設の穴埋めクイズを埋めていきます。写真は国立西洋美術館グループ、ブックを調べて書き込んでいます。

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こちらは国立科学博物館グループ。穴埋めプリントには「建物の外にある大きな目印の動物は___です」とあります。ブックを調べ・・・答えは・・・くじら!

この後、グループごとに発表しあい、上野公園のミュージアムをみんなで学びました。そして、今日は東京都美術館の宝物を鑑賞しましたが、ぜひ次は他のミュージアムへも冒険を続けてほしいと伝えました。
すると、後日届いた、こどもからとびラーへのお手紙に嬉しい声が!
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お手紙が「とびラーさんへ」となっていることからもわかるように、プログラムを通して、こどもたちは、とびラーをとても身近に感じてくれたようです。
とびラーもまた、こどもたちとの出会いや、一瞬一瞬にハッとすることが多いとのこと。とびラーに、鑑賞中の出来事や、伴走する中で感じたことを綴ってもらいました。

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古保説子さん(アート・コミュニケータ/1期生)

先ず、展示室散歩(空間になれるためにぐるっと展示室をひと巡り)から、「暗いね」「地下だからじゃない?」「涼しいね」と美術館の佇まいに関してみんなが口にする場面。事前にお約束した通り、小さめの声ながら美術館に居る興奮が伝わってきました。

さて、みんなで見る、今日一番目の作品です。
パルトロメオ ・ディ・ジョバンニ≪砂漠で悔悛する聖ヒエロニムス≫
180㎝の大きな正方形を遠くから見ました。真ん中に人物と周りに岩が見えてきました。近付いていくと、次々に発見があります。
「男の人」「いくつかな?」「おじいちゃん」「筋肉があるから・・・もっと若いよ」
「何かを見ている」「はりつけの人を見てる」
「手に何か持ってる」「何だろう?」「肉?」「ジャガイモ?」
「ライオンがいる!」「お尻に噛みつくのかな?」「大人しそうだよ」

それでは画面を縦横に分けますよ。右下から少しずつ見てみよう。
「骸骨」「怖い」「着物の裾に金の模様が入っている」「本」「4冊ある」
「赤い帽子」「お皿」「お皿に模様が入っている」
「男の人の頭に金のお皿がある」「カッパか?」「ロウソク立?」「後ろの両側にも小さなライオンがいる」「はりつけの人は血が出ている」「空が青い」「砂漠じゃないみたい」「木がある」「ラクダがいる」

はりつけの人の棒はどこに立ってますか?
「岩の中」「後ろだよ」「はりつけの人が小さい」「遠くにある」「何か変?」

たくさん意見が出ましたが、ここで15分。次の作品へ移ります。一階へ行こうと角を曲がった時、19番の作品にみんなの眼が止まりました。
「ライオンがいる!」「はりつけの人が いる!」「赤い帽子がある!」「手に何か持ってる!」「さっきのはりつけの人より太ってる!」「同じ人?」「頭に金の輪があるよ!」「ない!」「こうやって下から見ると見えるんだよ」「本当だ!」「見えた!」

私も床に片膝をついて、ヒエロニムスの金の輪っかを発見しました。金竜小学校3年D班はこうして、両作品の画面の中から共通項を見出したのでした。宗教画の聖人の持ち物のお約束を知るのではなく、一つの作品をじっと見てみんなで考えていたら、その先に同じ聖人が、みんなの方を見てライオンを従え石を握っていたのです。

二番目の作品は少し散漫な鑑賞になりましたが、今日は十分にみんなで絵を見る楽しさと、発見する楽しさを味合せて頂きました。本当にみなさんとご一緒させて頂きまして、ありがとうございました。
帰り際の一言「今日はお酉さんだよ!」さすが浅草の小学生ですね。

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(東京藝術大学 美術学部特任助手 長尾朋子)

プログラム: スペシャル・マンデー・コース | 投稿日: 2014年11月10日

主催/東京都、東京都美術館・アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、東京藝術大学

共催/上野の森美術館、恩賜上野動物園、国立科学博物館、
国立国会図書館国際子ども図書館、国立西洋美術館、東京国立博物館、
東京文化会館(五十音順)

お問い合わせ:Museum Start あいうえの 運営チーム(東京都美術館×東京藝術大学)
Tel: 03-3823-6921(東京都美術館 代表番号)
Fax: 03-3823-6920
E-mail: aiueno@museum-start.info

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