活動ブログ

平成26年度 平日開館コース

平日開館コース:南池袋小学校(2015.3.20)

3月20日午前、今年度最後の「平日開館コース」が実施されました。本日は豊島区立南池袋小学校の4年生2クラスのみなさんが開催中の「新印象派」展の鑑賞に来館しました。Museum Start あいうえのスタッフとアート・コミュニケータ(とびラー)が準備した鑑賞ボックスを利用して事前授業でしっかり準備をしてきてくれました。美術館での大切な3つの約束もバッチリです。

★ブログ用

ー鑑賞ボックス:教員の日で出展した際の様子

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今日鑑賞する展覧会についてなどの説明を聞いたら、とびラーさんとご対面。各グループで一緒に鑑賞をするとびラーさんと自己紹介。この日は、展示室内で全体を見守ってくれる〝見守りとびラー〟さんも一般来館者をケアしながらこどもたちの活動をサポート。 (さらに…)

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投稿日: 2015年3月20日

平日開館コース:埼玉県立伊奈中学校(2015.3.6)

3月5日の午後、埼玉県立伊奈中学校の1年生80人が、学校向けのプログラム「平日開館コース」にやってきました。
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今回は、いつもの平日開館コースとはすこし順番がちがいます。

平日開館コースの最後に渡されることが多い「ミュージアム・スタート・パック」ですが、今回生徒さんたちは事前に学校でもらい、早速午前中にパックの中に入っている「ビビハドトカダブック」を使って上野にある文化施設に冒険に出てくれました。
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中には、ブックが入っているバッグに自分で絵を描いてオリジナルの「ミュージアム・スタート・パック」にしてくれている生徒さんもいました。

 

盛りだくさんの午前中を過ごした後、この平日開館コースにやって来た皆さん。

まずは、アートスタディルームという部屋で、東京藝術大学の伊藤史子さんから、たくさんの個性豊かな施設が集まる上野について、生徒さんが午前中に巡って来たミュージアムの感想やブックの説明も織り込みながらお話を聞きます。
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続いて、今日みんなで見る展覧会についてのお話です。今回みんなで見る展覧会は、東京都美術館で開催されている「新印象派」展です。

たくさんの鮮やかな色や、点々を使った描き方が特徴的な作品が、100点近く集められている展覧会。

すてきな作品たちを見るために、平日の今日は生徒さんの他にもたくさんのお客さんが展示室に来ています。

そんなお客さんの多い展示室の中で、みんなが安全に気持ちよく絵を見るためのお約束「走らない」、「触らない」、「大きな声でしゃべらない」、「展示室でものを書くときは鉛筆を使う」を確認します。

平日のいつもと変わらない展示室の中で、周りのお客さんのことを考えながら、作品を鑑賞するマナーを学ぶことができるのは、平日開館ならではの魅力です。
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さらに平日開館の魅力として、とびラーと一緒に鑑賞できるということが挙げられます。

とびラーとは東京都美術館で活動をしているアート・コミュニケータです。

このとびラーと一緒に行う対話を通した鑑賞は、自分ひとりでは気づかなかった作品の新しい一面や、ミュージアムのおもしろさを発見するきっかけになります。

グループごとにとびラーとはじめましての挨拶をして、いよいよ展示室に向かいます。

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まずは、グループで作品をじっくり鑑賞します。みんなそれぞれ作品を見て、感じたことを自由にグループのみんなで共有します。同じ作品を見ていても、描かれている人の表情、使われている色、構図などなど、それぞれ注目するポイントがちがい、自分では気づかなかった発見をたくさんすることが出来ます。友達の発見を聞いてから、もう一度絵を見ると、同じ絵でもどこか新鮮な気持ちで見ることが出来ます。
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グループ鑑賞の次は、個人鑑賞をします。グループ鑑賞の時に、作品の様々な鑑賞ポイントを発見した生徒さんたちは、ひとつの作品をじっくり時間をかけて、鑑賞していました。作品を近くで見るだけでなく、離れて見てみたり、展示室の壁の色や照明の当て方に注目してみたり…。そうして発見したことを、ブックに書き留めます。

 

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個人鑑賞の後、再びアートスタディルームに戻り、グループのみんなに個人鑑賞で見た作品の感想を共有します。自分の感想を友達に話すだけでなく、友達の感想を聞くことで、自分が鑑賞しなかった作品についても知ることが出来ます。

 

これで今日のプログラムは終了になります。

午前中からブックを活用してくれた皆さんですが、「平日開館」のプログラムを通して、より自分だけの特別なブックにしてくれたのではないかな、と思います。

今日のミュージアム体験をきっかけに、これからもどんどんミュージアムに冒険に出て、様々な作品と出会ってほしいと思います。

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投稿日: 2015年3月5日

平日開館コース:荒川区立第二日暮里小学校(2015.2.20)

2月20日午前、今日はMuseum Start あいうえのの学校向けプログラム「平日開館コース」に荒川区立第二日暮里小学校の5年生が参加してくれました。

東京都美術館で活動をしているアート・コミュニケータ(通称:とビラー)と対話をしながら展覧会を鑑賞することで、ミュージアムの楽しみ方やモノの見方を学ぶきっかけとなるような美術館体験プログラムを提案・実施しています。今日は 現在開催中の「新印象派・光と色のドラマ」展(3月29日まで)の鑑賞をします。

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東京都美術館内のアトリエに集合したら、まずは東京藝術大学の伊藤史子さんから今日鑑賞する展覧会のお話しや美術館てどんなところ?ということをお話しがありました。美術館での大切な約束「走らない」「大きな声で話さない」「作品に触らない」「展示室ではエンピツを使う」の4か条をしっかりおさらい。

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グループに分かれたらアートコミュニケータ(とびラーさん)とお互い自己紹介をして、今日の流れについて確認。 (さらに…)

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投稿日: 2015年2月20日

平日開館コース:TOKYO書

東京都美術館のお正月恒例の展覧会「TOKYO 書」が今年もやってきました。

Museum Start あいうえのの書の平日開館には、私立湘南学園高等学校、国立東京学芸大付属高等学校、埼玉県立伊奈学園総合高等学校、私立星野高校、一橋高校、小松川高校、深川高校、忍ヶ丘小学校が訪れてくれました。

授業で美術を専攻している生徒さん、美術部、書道部の方々、夏の墨のワークショップに参加した生徒さん、クラスみんなで来てくれた児童さんたちです。

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いつくかの作品とこどもたちの様子をご紹介します。

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まず、今回の図録の表紙にもなっている、書道家であり、私立湘南学院高等学校の先生でもある鈴木先生が生徒さんと来館してくれました。

鈴木先生の作品は、この展覧会の若手一押しです。書の世界では、鈴木先生はまだまだ若手ということで、高校生の生徒さんたちもびっくり。

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この躍動感あふれる大きな「風神」の作品、左右の紙を文鎮で抑え、上に乗って書かれたとのこと。鳥の子紙という墨をすいこみにくい紙に書かれています。「神」の文字は15分程度で乾き、「風」の文字の墨の濃いところは、なんと乾くのに3日も時間がかかったとのことでした。

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こちらの作品は、自然のかたちを文字にしていった象形文字です。
何に見えるでしょうか?

「イメージは自分が感じるように好きにみていい」と、本展示を担当した田村学芸員からお話がありました。

「魚のヒレっぽい。」「からすに見える。」「山全体が火みたい。」「月と山?」
「書って思っていたよりも、もっと身近で楽しいものですね。感動しています。」と生徒さんの口から。

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夏に「墨のワークショップ」に参加してくれた学校の生徒さんたちとの鑑賞より。

夏のワークショップでは、<薄墨には、先に書いたものが後で書いたものより浮かび上がってくるという特性がある>ことを体験したそうです。

その経験をもとに、作品をみながら、作家がどこをどの順番で書いたのか、みんなで想像してみました。

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こちらは、刻字です。一刀一刀丁寧に掘り進めて作られている迫力が見られます。

墨のかすれの部分は技術力で表現できるらしいのですが、墨の濃さを表現するのが大変難しいとされているそうです。

上記の作品は、そのグラデーションに挑戦した作品です。

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「これも、、、書ですか?」生徒からの質問。

ものすごく濃い墨で作られたこのユニークな作品も「書」です。艶のある表面と、乾いたときに出来た美しいギャザーが印象的でした。

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会場でひときわ目を惹いていたこちらの巨大な作品、20枚くらいの紙を貼りこんで書かれた、「海風」。

線の太さをよく観察して、この大きな字が一体どんな筆で書かれているか想像してみて下さいと田村さんから。その後に展示室の裏から迫力のある筆が登場しました。墨をつけたら30キロはあるそうです。

「大き〜い!」「重〜い!」「持ちたい!!」

見た事もない大きな筆を持って動かしたり、動物の毛を使用した筆先に触れたり、みんな作家が書を書く時の気持ちを身体を使って感じた瞬間でした。

同時期にギャラリーBで行われていた<「彩られた紙と現代の書」東京都美術館コレクションを中心に>の展示室に行った学校から。

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ここにある作品は、とても古いものが中心です。

ちらし書き、下揃え、墨流しの模様に合わせて書かれているものなど、当時の日本人の美意識の高さが際立ちます。

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こちらの作品をよーく見て覚えておいてください。とくに地の文様に注目!

実は下記の作品の中に、、、

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同じ文様が隠れています!

正面から見ても気づかないのですが、少ししゃがんで下からみると、同じ文様が浮かび上がってきました。

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最後に、こどもたちのミュージアムデビューを応援する「Museum Startあいうえの」のスタッフから、冒険の道具のビビハドトカダブックが配られました。

上野公園には東京都美術館を入れて9つのミュージアムがあります。今日は日本の「書」の展示を鑑賞しましたが、他のミュージアムには世界のものだったり、何千年も前のものだったり、生き物だったり、様々なものとの出会いもあります。

他の場所にも行って、今日と同じように作品を丁寧に観察してみてください。上から見たり下からみたり、どうやって作ったのか考えてみたり、作られた状況や時代を想像してみたりすることで、みなさんにとってミュージアムやそこにある文化資源がもっと身近で人生を豊かにしてくれる存在になってくれたら嬉しいです。

このブックに発見したこと、思ったことを描きとめて、自分だけのミュージアム体験を描いていって下さい。

 

 

 

 

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投稿日: 2015年1月30日

平日開館コース:玉川学園(2014.12)

12月9日、10日、12日と三日間に分けて200人以上の中学生が、学校向けのプログラム「平日開館コース」にやってきてくれました。
鑑賞するのは、東京都美術館で開催されている特別展「ウフィツィ美術館展」。
5〜8人の少人数のグループで鑑賞した後、ひとりひとり自分の気になる作品を個人でじっくり鑑賞します。
実は事前に、展覧会にどんな作品が展示されていて、どの作品を見てみたいか、図録を使って制作したアートカードを校内に掲示しもらい、決めてきてもらっているので、今日はいよいよその本物を鑑賞するということになります。

さっそく展示室に向かいたいところですが、まずは作品に会うための準備をします。
美術館にやってきた生徒さんたちは、まずアートスタディルームに集まります。グループごとに分かれ、今日一緒に鑑賞してくれるアート・コミュニケーターの「とびラー」とはじめましてのあいさつを交わし、今みんながいる美術館について、またウフィツィ美術館について、学芸員の熊谷さんからお話を聞きます。

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どうやって遠いイタリアから東京都美術館まで作品を運ぶのか、ウフィツィ美術館の重厚な雰囲気を展示室に再現するための工夫など、ふだんはなかなか気づけない展覧会のポイントをお話から学びます。
その後は、展示室でのお約束の確認です。長い時間、大切に扱われてきた作品を安全に鑑賞するために、そして展覧会を見に来ている一般のお客さんとお互いに快適に鑑賞するために大事なことを確認します。たくさんのお客さんがいる展示室のなかで、鑑賞するマナーを学ぶことができるのは「平日開館コース」の魅力のひとつです。

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いよいよ展示室に出発です。はじめにグループで作品を鑑賞します。作品をまずはじっくり観て、なにか気づいたことがあればグループのみんなで共有します。とびラーは、その発言を聞き、さらに「なんでそう思ったのだろう?」「どこを観てそう思ったの?」と、発言に対して問いかけもしてくれます。その問いかけに答えながら作品を観ていくことで、よりグループのみんなでその発言を深く共有することができます。作品の中の人物たちの配置に注目した発言、人物の目線や表情に注目した発言、使われている色に注目した発言…、自分では気づけなかった注目ポイントも、共有することで知ることができ、新しい作品の見方を発見できます。

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グループで鑑賞したあとは、個人での鑑賞です。とびラーから配られた「つぶやきシート」に、作品を観て気づいたこと、気になることを自由にかきこみます。文字だけでなく、絵を描いてもオッケーです。グループ鑑賞で、いろいろな切り口の注目ポイントがあることを知った生徒さんたちは、ひとつの作品にじっくり時間をかけて、様々な角度から鑑賞してくれました。そして、作品を集中して鑑賞しながら、時には周りを見て、一般のお客さんのことも考えるという鑑賞のマナーも忘れず守ってくれました。

個人鑑賞が終わったあと、再びアートスタディルームに戻ります。そして、グループごとに分かれ、机に用意された小さめのアートカードを使って、個人鑑賞で見た作品の発見をグループ内で共有します。自分が鑑賞しなかった作品のことも、友だちの話を聞くことで知ることができます。また、つぶやきシートにたくさんかきこんだ自分が見てきた作品の発見も、友だちに教えてあげます。ひとりの鑑賞のときにはなかった、作品を通しての対話をみんなで行いました。

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その後、とびラーからみなさんへ「ミュージアムスタートパック」がプレゼントされました。東京藝術大学の伊藤さんから、パックについての説明を聞きます。パックの中に入っているビビハドトカダブックは、上野にある9つの文化施設への冒険の入口です。生徒さんたちも興味深そうに手に取ってくれました。

「平日開館コース」を通して得た、作品をじっくり観て自分の発見を見つける、その発見を誰かと共有してよりいろいろな見方で作品を味わう体験を、これから様々な場所で思い出しながら、冒険を続けていってほしいと思います。

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投稿日: 2014年12月20日

平日開館:台東区立根岸小学校(2014.10.7)

10月7日午前、上野公園のすぐご近所の台東区立根岸小学校の3年生が、学校向けのプログラム「平日開館コース」にやってきました。みんな元気に徒歩で来てくれました。
今日は、3クラス計109人みんなで、「自分のこころにビビっときたり、いいなと思ったりすることを感じることを大切にする」がテーマの2つの活動を東京都美術館でします。
ひとつめは、企画展「楽園としての芸術」展の鑑賞と、ふたつめは、アートスタディルームという実験室のような場所での素材と出会うワークです。
(本日の参加者 児童109名 引率教員5名、とびラー14名)
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はじめに、美術館の講堂に集まりました。東京藝術大学の長尾さんから,今日美術館でどんな体験が待っているのか、何を感じてほしいのかのお話がありました。
「ビビっときたり、いいなと思ったりすることは、それは心が動くってことで、とても大事なこと。自分の心がなんといってるかな?って、自分の声をきいて、それを知る日にしてください。」
実は美術館って自分の素直な気持ちと向き合える場所なんです。
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活動(1)アートスタディールームで素材と出会う
アートスタディルームは、触って感じる部屋。様々な布や糸の素材がこどもたちを待っていました。Museum Startあいうえのに参加すると貰える冒険のアイテム「ビビハドトカダブック」を使っての二つのお題のワークをしました。
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まず、自分が一番いいなと思うモノを一つ選んで、ブックに貼ります。
そして、なぜそれに心が惹かれたのかの理由を書いてみます。
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素材を手で触りながらよーく考えました。
つぎは、いいなと思う、気になる3つの組み合わせを選び、ブックに貼ります。直感でビビっときたものを見つける児童も、ゆっくり慎重に探す児童もいて、それぞれが、自分のペースで素材と向き合いました。ブックへの貼りかたもみんなそれぞれでした。 
素材を選ぶというとてもシンプルな作業ですが、それぞれ自分の「こだわり」とか「表現」みたいなものが見えてくるワークです。
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活動(2)企画展「楽園としての芸術」展の鑑賞
東京都美術館の企画展「楽園としての芸術」展に、アート・コミュニケータのとびラーと一緒に鑑賞に行きました。
展示室は「触らないで見る部屋」です。
とびラーと少人数のグループで鑑賞をしながら、自分がビビっとくるポイント、友達のビビッとくることを対話しながら探しました。
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作品の細かいディテールからも、作家がどういう気持ちで制作したんだろう、とか、自分にはこう見える、とかいろいろな感想が飛びかいました。
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つづいては個人鑑賞。自分の気になるポイントは忘れないように、「つぶやきシート」に書きとめておきました。午前中を美術館で過ごしたこどもたちは、「いっぱいビビビ見つけた〜!!」と明るく学校へ戻っていきました。よく観察すること、手を使って考えたり、自分がどう感じているかの心に耳を傾けること、今日の美術館のふたつの体験を通して、自分のビビビっとくる感覚、心の体操をいっぱいつづけてほしいです。
みんなにご近所の上野公園にはまだまだたくさんの素敵なものがあるので、是非是非また冒険に戻ってきてほしいとおもいます。

東京藝術大学特任助手 伊藤史子

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展示室でこどもたちとの対話による鑑賞に寄り添うアート・コミュニケーターは、そこに集まるこどもたちが、どういう気持ちで作品に出会っているのか、何を作品から見つけたのかを一緒に体験します。
こどもたちが新しいことを発見していると同時に、わたしたち大人もこどもたちの新鮮な感じ方からたくさんのことを気づかせてもらっています。アートの前では、こどもも大人も対等に話がはずみます。
そんな場面に出くわした新西さんが、こどもたちと過ごしたふとした瞬間を記録してくださいました。

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新西 美樹(アート・コミュニケーター/3期生)

グループ鑑賞の作品は、作者の野間口桂介さんが年単位で一針一針ステッチを施したシャツ。刺子のように、密に刺し込まれた糸でシャツの原型は大きく形を変え、一つの立体作品として私たちを圧倒します。
自分の手を動かして素材の組合せを試行錯誤したワーク後の鑑賞だったからか、まずは自然と作品の色の構成が気になります。「なんだか虹みたい。上に行くほど、明るくなってる!」「裾の長さが違うよ~」「こどもの服かな?」「いや、あの赤い部分が目で、左の(袖)部分が鼻で、ゾウだよ!」
自分の心に浮かぶことを言葉にして、グループみんなで次々と紡いでいきます。
一番後ろでお友達の肩越しに作品を見ていた男の子も、最後ふと手を挙げてくれました。
「この部屋にある作品は、全て≪無題≫となってるけど、それは作品自体が自由、ということかな、と思いました。」
うぅーっ、ふかい一言。。。思わず、ハッと息をのみこんでしまった瞬間でした。
思いのままにつくられた作品を目の前にした、こどもたちのひらめきが光る発言――作品を自由にとらえ楽しむことの連鎖を、展示室の中で一緒に体感させてもらいました。

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投稿日: 2014年10月7日

平日開館コース:都立足立西高校(2014.7.30)

本日は今年度初の学校向けプログラム「平日開館コース」が行なわれました。来館したのは高校生。先生によると、いくつかある夏休みの夏期講座から、「エジプト展の鑑賞に美術館に行く」というプログラムを選択した生徒たちとのことです。担当の先生は世界史の先生でした。
(本日の参加者:高校生26名・引率教員1名、とびラー:11名)

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今日は東京都美術館の特別展「メトロポリタン美術館 古代エジプト展ー女王と女神」を鑑賞しますが、展示室に行く前にアートスタディルームにて稲庭彩和子学芸員より短いお話がありました。話の内容は、作品がどこの国から来ているのか、いかに大切に、そして特別に運ばれているか、展覧会を開催するためには、作品を運搬する人や研究する人、照明の人、展示デザインの人など、実に多くの人が関わっていることなどです。

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展示室に移動し・・・

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アート・コミュニケータ(とびラー)とこどもたちとのグループ鑑賞が行なわれました。作品を前に、じっと見て、気がついたことを言葉で交わします。対話を通した鑑賞です。

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つづいて約30分の個別鑑賞。ひとりで作品と向き合います。手にしているボードは「つぶやきシート」。グループ鑑賞では発見や驚きを共有する相手がいましたが、個別鑑賞のときにはひとりなので、忘れないように書きとめておきます。

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最後に、高校生全員に贈られた上野のミュージアムを楽しむためのアイテム「ミュージアム・スタート・パック」に入っているブックを使った活動を行ないました。展示室での体験を、別室アートスタディルームに戻ってからまとめます。「つぶやきシート」を先生が回収すると聞いた高校生のみなさんは、自分の発見・思い出・展示室で描いたスケッチなどをブックにつめこみ、今日の体験として持ち帰りました。

その様子を見たインターンの東南さゆりさん(プログラムには撮影担当として同行)、次のようにコメントしていました。

展示室で見たものをアートスタディールームに戻って来てからきちんと思い出すことができていました。さらっと見たはずのカミソリをブックに書いている男子生徒がいて、「ちゃんと覚えてるじゃないか!」と思いました。
今後ブックをまた開いたときに、彼はきっとカミソリの形や鑑賞した時の空気感を思い出すことができるのだと思うと、ブックはタイムスリップのできる道具ではないでしょうか。

 

また、こどもたちの伴走をしたアート・コミュニケータ(とびラー)の小野寺さんからも感想をいただきました。
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アート・コミュニケータ(1期生/小野寺伸二さん)

「わぁ、欲しい!」「なんか、持ったらいい感じなんじゃない?」「でも、重くて使いづらいかも」「金でできてるんだよ」展示ケースの前でそんな声が弾みました。3500年ほどの時を一気に越えて現代の女子高生の心をつかんだのは古代エジプトの鏡です。「でも、なんで鏡にまで神様の顔なんか付けるわけ?」「守り神とか?」話は広がっていきます。

一方、王様や神の彫られた石像を観て、像そのものよりも、その周囲や裏側に彫られている古代文字に興味を示す生徒もいました。「あの鳥みたいな文字、かわいい」と反応する者もいれば、「私、ヒエログリフ好きなんですよ。表を持ってくればよかった。表音文字と表意文字が両方あるんですよ」と通なところを見せ、解説してくれる生徒もいます。「ヒエログリフを解明するきっかけになったのは、あの有名なロゼッタストーンだよ」などと、こっちも必死で応戦(?)。

最初は、小学生や中学生と違って、高校生は落ち着いていると思っていましたが、好奇心に目を輝かせるときの表情は変わりありません。もちろん、口に出さずに感じている部分には、高校生ならではの深さがあることでしょう。鑑賞後のスクラップを作る課題の内容を見てもそれはわかるし、終了時間になってももっとやっていたそうな雰囲気がありました。
決して長い鑑賞時間ではなかったですが、高校生なりに多くのものを得て帰ってくれたのではないかと思えるひとときでした。

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投稿日: 2014年7月30日

主催/東京都、東京都美術館・アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、東京藝術大学

共催/上野の森美術館、恩賜上野動物園、国立科学博物館、
国立国会図書館国際子ども図書館、国立西洋美術館、東京国立博物館、
東京文化会館(五十音順)

お問い合わせ:Museum Start あいうえの 運営チーム(東京都美術館×東京藝術大学)
Tel: 03-3823-6921(東京都美術館 代表番号)
Fax: 03-3823-6920
E-mail: aiueno@museum-start.info

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