活動ブログ

平成27年度 スペシャル・マンデー・コース

スペシャル・マンデー・コース(2016.2.22)

今年度最後のスペシャル・マンデー・コースが2016年2月22日(月)に行われました。この日に訪れてくれたのは東京韓国学校初等部1年生・足立区立入谷小学校5年生・台東区立金曽木小学校4年生のみなさんです。見に行く展覧会は東京都美術館で開催中の特別展「ボッティチェリ展」。

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普段はたくさんの一般の来館者がいる特別展も、今日はお休み。広々とした展示室で、みんなでじっくりと作品を見ることができるのがこのプログラムの特徴です。

それでは、それぞれの学校の様子についてご紹介します!

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★東京韓国学校 初等部 1年生107名
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少し寒空のもと、送迎バスで来館したこどもたち。みんなでそろって手をつないで上野公園を抜けて東京都美術館に向かいます。

1年生になって初めての校外学習、初めての美術館。

事前学習では美術館に行ったことがある生徒から行ったことのない生徒に対して、どんな場所か話し合ったり思い出を伝え合ったりしたそうです。美術館に行ったことのある子も、そうでない子も、ボッティチェリ展を見ることをとても楽しみにしてくれていたようです。

美術館に到着したらアート・コミュニケータ(愛称:とびラー)が出迎えてくれていました。こどもたちの事前学習と同様に、とびラーのみなさんも事前準備を重ねてこどもたちを迎える準備を重ねてこどもたちに会うのを楽しみにしてきました。

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まずは東京藝術大学の鈴木智香子さんから「ようこそ上野公園へ!」というご挨拶。展覧会について、そして今日の活動についてのポイントをお話ししてから活動がはじまります。

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グループごとに分かれて、自己紹介。とびラーやアシスタント・スタッフとともに、展示室に入る気持ちの準備をはじめます。
「このアートカードの作品をみんなで見るよ。展示室のどこにあるか、探しに行こう。」

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最初はお散歩するように、広い展示室をぐるっとひとめぐり。

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途中で、「あ、あの作品知ってる!」「この絵、さっき見たのと似ているかも?」という声が上がり、ちょっと立ち止まって寄り道。

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事前学習の教材として貸し出したアートカードを使って、学校ではパズルを作ってくれていたそうです。その効果もあって、こどもたちは学校で見たカードの作品を目の前にして、色や大きさに目を見張っていました。

とびラーはこどもたちのふとした発見や疑問に耳を傾け、みんなで共有するようにします。お散歩の間も、コミュニケーションをとる大切な時間です。

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展示室の空間に慣れて来たところで、グループ鑑賞の時間です。

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みんなで1つの作品を見ます。
気づいたこと、発見したこと、疑問に思ったことを次々に言葉にしてくれました。

「赤ちゃんがお母さんに抱っこされて、周りが祝福しているところ」

「だけど、女の人は嬉しくなさそう」

「女の人は、赤ちゃんのお母さんなのかな?なんで嬉しくなさそうと思ったの?」

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とびラーは、こどもたちの発話に対して問い返し、より思考を深めるように促します。 また、一人一人の発言を言い換えたりつなげたりしながら、全員がその場に参加している気持ちになるように気を配ります。作品を介して、対話が生まれていきます。

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グループでの活動が終わったら、今度は1人の時間。1年生だとひとりになるのは少し不安かな?と先生方と心配していたのですが、とびラーと一緒にたっぷり時間を過ごし、こどもたちはすっかり展示室に慣れた様子。

一人一人「はっけんシート」付きのボードを持って、気に入った作品の前でじっくり鑑賞します。

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さっきまでこどもたちの声で賑やかだったけど、ここからは一人の時間。しんとした展示室で、集中力が高まります。

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最後は東京都美術館の学芸員・熊谷さんより秘密の冒険の道具「ミュージアム・スタート・パック」のプレゼント。

みんな真新しいブックや缶バッジをもらって、とっても嬉しそう。

担任の先生からも、「思いのほか集中力が高く、こどもたちにとって美術館での鑑賞体験がとても印象に残ったことと思う」というご感想をいただきました。

ミュージアムでの冒険は始まったばかり。これからたっぷり時間をかけて、ぜひ上野公園に通い続けてほしいと思います!

 

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★台東区立金曽木小学校 4年生72名
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午後は2校の来館です。まずは近隣の金曽木小のみなさんが一足先に到着。

とびラーとスタッフみんなでお出迎えします。
バスに乗ってやってきたこどもたち。美術館に来るのが嬉しくて、少し興奮気味の様子。

ここでも、展示室に入る前に全体のご挨拶。展示室に入る前に、これから見る展覧会のことや、美術館ってどんな場所?という話をします。

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ボッティチェリの作品は、500年以上も前の、しかも遠いイタリアから運ばれて来た作品たち。

みんなのお家にも500年以上のものはあるかな?

美術館では、そういう古いものや未来に伝えたいと思うものを大切に守ってきている場所です。

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これから展示室に入る時に、大切にされてきたものたちを同じ様に大切にするには、どうしたらいいかな?

「作品や壁には触らない」

「歩くときはゆっくりと」

「お話しをするときは静かな声で」

事前学習でしっかり学んできたことを、みなさん覚えてくれていました!
みんなでマナーを守りながら展示室で過ごすと、鑑賞の時間がきっと楽しくなります。

さて、ポイントをおさらいしたところで、いよいよ展示室へ移動します。

まずは展示室散歩。

壁の色の違い、天井の高さ、照明の暗さなど、美術館の雰囲気にまずは慣れていきます。

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ポスターや看板など、メインで使われている作品《書物の聖母》。

ここで話し合われていたのは、「意外と小さいんだね・・・なんでこれがメイン作品なんだろう?」「自分でポスターにするなら、どんな作品を選ぶかな?」

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一周して落ち着いたところで、いよいよグループ鑑賞。ひとつの作品の前で座り、みんなで鑑賞します。

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さて、ここからは一人の時間。学校から持参したボードに「つぶやきシート」と会場マップを付けて、展示室を散策します。

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お題は「気になる作品」を見つけてくること。
事前学習で選んでくれた作品をもう一度見直す子もいれば、改めて展示室で気になった作品を選び直してくれる子も。

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ひとりの時間の中で、たっぷりと作品と向き合ってくれていました。
普段の学校生活の中で「1人の時間」はあまりない中で、先程までのグループでの対話の時間が豊かであればあるほど、1人の時間もぐっと刺激的なものになります。

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最後に、ミュージアム・デビューをしたみなさんに『ビビハドトカダブック』のプレゼント!

上野公園ととってもご近所の金曽木小のみなさん。

ぜひ今日の活動を通して、これからも上野公園に通い続けて、たくさんの不思議や、昔から大切にされてきた文化財に出会ったときに、このブックを活用してほしいと思います!

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★足立区立入谷小学校 5年生33名
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最後の学校は、本日一番の高学年、そして単学級での来館となる足立区立入谷小学校5年生のみなさんです。

こちらの担任の後藤先生もとても熱心で、事前業から綿密にやり取りを積み重ねてきました。

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ご近所の学校さんは、東京都交通局の路線バスが通るルートであれば、路線バスを貸し切ります。

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最初にアート・スタディー・ルームにて、東京都美術館学芸員の熊谷さんよりご挨拶。これから見に行く展覧会について、少しご紹介。

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ここからは、グループごとにとびラーとご挨拶。みんなで見に行く作品を確認して、「これから展示室に行くんだ!」という気持ちを膨らませます。

グループごとに展示室全体を一周したあと、入谷小の特別プログラムを実践しました。

クラスを夏班と冬班の2つのグループに分けて、15人で一つの作品を鑑賞します。実践してくれたのはとびラー2期生の小林雅人さんと亀山麻理さん。

大きな画面に対してこどもたちが気づいてくれたことや積極的に上がる声を拾い上げ、言葉を紡ぎながらみんなで一つの作品に迫りました。

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後日届いた、こどもの感想文より:

ぼくがボッティチェリ展の絵をみた中で一番いんしょうにのこったのは、いっしょに夏班で見た作品です。理由はあの絵にはとてもいろいろなぎもんがかくされてあったからです。それをみんなで質問しあったのが、たのしかったです。(原文ママ)

「質問し合う」中で次々と湧き出る疑問に対してみんなで考え合い、意見を出し合い、作品のいろいろなところに注目していくこの対話型鑑賞法。複数の視点でものを見つめることや、お互いの意見を聴き合うことなど、充実した対話を通してたくさんの学びが得られます。

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大人数での対話でウォーミングアップが済んだところで、今度はさらに小グループになって作品を鑑賞していきます。とびラーと一緒になって、絵の中で起こっていること・発見したことなどを共有しながら見つめていきます。

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そうして迎えた「ひとりの時間」。さっきまで仲間と意見を出し合ったけど、今度はひとりで謎解きに行く気分。

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ボッティチェリ展は、絵画作品だけかと思ったら同時代の装飾品や彫刻作品も展示されていました。ボッティチェリさんが生きていた時代を感じ取ることができる昔のモノが目の前にあること、そしてその美しい装飾に目を奪われている様子。

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こんな風に作品の前でゆったり座れるのも、スペシャル・マンデー・コースならでは。

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学校に戻ってから、事後授業の中でプレゼントした「ビビハドトカダブック」を使ってふりかえりをしてくれたそうです!

ある生徒から届いたページはこちら。

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“この女の人は、どこを見ているかが気になっています。だれか人を見ているのか、景色を見ているのか、とても気になっています。みなさんもぜひ考えてみてください”

作品の前で立ち止まり、「この人は何をしているんだろう?どんなことを考えているんだろう?」と考え思いをめぐらせる楽しみを、こどもたちは存分に味わってくれたみたいです。その楽しみをまただれかに伝えたい、と思ってくれたようです。

ぜひこれからも、自分が感じた「不思議」を前にしたときに、いろいろ思いをめぐらせ楽しんでほしいと思います。そのための冒険のお供として、秘密の道具「ビビハドトカダブック」を活用していって下さい!

他のこどもたちの冒険の記録はこちらから、ご覧いただけます。

プログラム: スペシャル・マンデー・コース | 投稿日: 2016年2月22日

主催/東京都、東京都美術館・アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、東京藝術大学

共催/上野の森美術館、恩賜上野動物園、国立科学博物館、
国立国会図書館国際子ども図書館、国立西洋美術館、東京国立博物館、
東京文化会館(五十音順)

お問い合わせ:Museum Start あいうえの 運営チーム(東京都美術館×東京藝術大学)
Tel: 03-3823-6921(東京都美術館 代表番号)
Fax: 03-3823-6920
E-mail: aiueno@museum-start.info

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