活動ブログ

平成29年度 スペシャル・マンデー・コース

江東区立第三大島小・足立区立足立入谷小・日本聾話学校@ボストン美術館の至宝展(2017.9.11)

9月11日月曜日、今年度初めての学校向けの鑑賞プログラム「スペシャル・マンデー・コース」が東京都美術館で行なわれました。

「スペシャル・マンデー・コース」とは、休室日(月曜日)に学校のために特別に開室し、ゆったりとした環境の中でこどもたちが本物の作品と出会い、アート・コミュニケータ(愛称:とびラー)と共に対話をしながら鑑賞するプログラムです。

今回みんなで鑑賞したのは特別展「ボストン美術館の至宝展-東西の名品、珠玉のコレクション」。普段はたくさんの人で賑わうこの展覧会も、今日は学校のためだけのほぼ貸切状態です。

午前中に江東区から92名の小学6年生、午後には足立区から31名の小学5年生、そして聾学校中等部13名のこどもたちが来館しました。
多くのこどもたちにとって、初めての美術館体験となる今日。それぞれどのような時間を過ごしたのでしょうか。

各学校の様子をご紹介していきます。

 

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★江東区立第三大島小学校5年生

(児童92名、引率6名、とびラー29名)

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爽やかな日差しが降り注ぐ、上野公園の朝。
この日最初に訪れてくれたのは、江東区立第三大島小学校5年生のこどもたちです。

 

《東京都美術館に到着!》

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とびラーが、こどもたちが待つバスの停留所へと迎えに行き、グループごとにお話をしながら東京都美術館へと向かいます。

グループは、3クラスをシャッフルした状態で分かれて活動することに先生との事前打ち合わせで決めました。その意図は、普段の生活の関係性と離れて、まだあまり話したことのない友達や初めて出会うとびラーと、対話がしやすい環境をつくるためです。

美術館の講堂で今日の活動について説明を聞いたら、さっそくグループごとに展示室へと入ります。

 

《展示室へ》

まずは展示室全体を”お散歩”するように、3つのフロアをゆったりとめぐります。
美術館に行ったことがあるこどもはクラスに5、6人ほど。とびラーに案内してもらいながらフロアをめぐっていくうちに、初めて訪れる展示室の空間に慣れていく様子がうかがえました。

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《グループ鑑賞の時間》
グループ鑑賞では、複数の人数でひとつの作品を見ながら、気づいたこと・発見したことをそれぞれ発言していきます。
とびラーは、ファシリテータとしてこどもたちの発言を促していくとともに、それぞれの言葉を紡いでいくことで、グループ鑑賞に一体感をもたせます。
元気な大島小学校のこどもたちは、自分からどんどん発言し、たくさんの発見をグループで共有していました。

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《ひとりの時間》

グループ鑑賞の時間で、それぞれたくさんの見方があることに気付いた後は、ひとりで作品と向き合う時間です。
気付いたことや感じたことを自由に書きこめる「つぶやきシート」を使いながら、鑑賞体験を深めていきます。

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《ミュージアム・スタート・パックをプレゼント!》

展示室から講堂へもどると、上野公園のミュージアムがもっと楽しくなる道具「ミュージアム・スタート・パック」がプレゼントされました。
「ミュージアム・スタート・パック」とは、上野公園にある各ミュージアムのオリジナル缶バッジがつけられるバッグと、それに入れて持ち運べる「ビビハドトカダブック」と「冒険ノート」が一緒になったアイテムです。「冒険ノート」には、真っ白なページがあり、そこにはミュージアムで感じた〝不思議〟や〝発見〟を書きこむことができます。
これからもこのミュージアム・スタート・パックを携えて、上野公園のミュージアムを訪れてくれることを願っています。

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★足立区立足立入谷小学校5年生

(児童35名、引率3名、とびラー18名)

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午後には2つの学校が来館しました。
最初に上野公園へ到着したのは、足立区立足立入谷小学校5年生のみなさんです。

 

こどもたちは今日の活動をずっと楽しみにしてくれていたようです。
「とびラーさんはどこにいるのかな?」とワクワクしながら、足取り軽く美術館へと向かいます。

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《東京都美術館に到着!》

着席したら、まずは東京藝術大学の松尾由子さんから今日の活動についての説明があります。展示室内でのルールの確認も行い、作品を見る準備は万端です。

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《展示室へ》

いよいよ展示室に入ります。
まずはグループに分かれ、とびラーと一緒に展示室全体をぐるっとまわります。
立ち止まることなく歩き、展示室の広さや作品の点数など、展覧会の全体像をつかむ時間です。

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《グループ鑑賞の時間》

次はグループで鑑賞する時間です。
1作品15分ずつ、2作品をグループごとに鑑賞します。作品の前に座ってじっくりと鑑賞しながら、気づいたことや発見したことを話し合います。
「なにか気づいたことはある?なんでもいいから聞かせてね。」
こどもたちに寄り添ったとびラーの進行によって、どのグループでも対話が活発に行われていました。

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《ひとりの時間》

グループ鑑賞が終わったら、ひとりで作品を見る個人鑑賞の時間です。
いつもの混雑した展示室とは違い、今日の展示室にはゆったりとした空間が広がっています。
じっくりゆっくり作品と向き合えるのも、「スペシャル・マンデー・コース」ならではの経験です。

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《ミュージアム・スタート・パックをプレゼント!》

終了後は、全員に「ミュージアム・スタート・パック」をプレゼント!上野公園のミュージアムでの体験がもっと楽しくなるアイテムです。

 

先生から、終了後のこどもたちの様子を報告していただきました。

 美術館の帰りがけに、もっと色々な美術館に行ってみたい!と5年生のみんなが言っていました。もともと絵や工作が大好きな5年生でしたので、初めての美術館に驚きと感動が入り交じって、興奮気味でした。ある児童は缶バッチをコンプリートしたい!と話していました。

 

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後日、こどもたちが事後学習で作成した「冒険の記録」のコピーを送っていただきました。作品をじっくり見て発見したことや気づいたことを、丁寧にまとめてくれているのがわかりますね。

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これからも「ミュージアム・スタート・パック」を携えて、何度でも上野公園のミュージアムに足を運んでほしいと思います!

 

 

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★日本聾話学校中等部1~3年生

(児童13名、引率6名、とびラー13名)

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午後の2校目は、都内にある聴覚障害のこどもたちが在学する私立日本聾話学校です。

とびラーは事前に学校からの情報を元に、こどもたちへの声かけの仕方やプログラムの進め方をイメージするなど、綿密な準備をしてきました。

 

《上野公園へ到着!》

バスから降りてきたこどもたちは、上野公園を抜け美術館へ向かいます。

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《とびラーとご挨拶》

東京都美術館に着きアートスタディルームに入ると、今日一緒に鑑賞をするとびラーとこどもたちが対面します。

はじめに、東京藝術大学の鈴木智香子さんから今日の活動について説明を聞きます。

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全体の説明の後に各グループで今日見に行く作品についてお話ししていきます。
補聴器をつけたこどもたちへ声が届くようピンマイクを使いながら、学校の事前学習で選んだ「気になる作品」をひとりひとり振り返ります。
「これから自分が選んだ作品の、〝ホンモノ〟を見に行くんだ!」という気持ちの高まりは、展示室に向かう期待感へとつながります。

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《展示室散歩》

そしていよいよ、展示室へ。
各グループ、とびラーと共にまずは展示室全体をグルッと“お散歩”し、実際にどんな作品があるのか、展示室がどんな空間になっているかを見て回ります。
「僕が選んだ作品があった!」と指差しで教えてくれる子もいて、ついつい足を止めて見入ってしまう場面も。

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《グループ鑑賞の時間》

展示室散歩が終わると、次はグループ鑑賞の時間に入ります。
作品の前まで行き、まずは何も話さず、じっくりと作品を鑑賞します。

「この作品を見て、何が起こっていると思いましたか?」

とびラーからの問いかけに、こどもたちはひとり、またひとりと手を挙げ、思ったことや気づいたことを話していきます。どのグループも集中力が高く、対話が途切れることはありません。

 

とびラーはこどもたちと対話ができるよう話す言葉や声のボリューム、ときにボディランゲージも交えつつ明快なファシリテーションを心がけていました。
そしてとびラーの声かけに応えるように、子どもたちはどんどん作品へ入り込んでいきます。

「人がいない街だと思ったけど、描かれている建物の形が人に見えてきた」

「この船は貿易船だと思う。見た目が綺麗だし、背景の色遣いが優しい」

など、こどもたちそれぞれの見方が深まったグループ鑑賞となりました。

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《ひとりの時間》

グループ鑑賞が終わると、次はいよいよひとりで作品を見ていきます。
会場マップと、鑑賞を通じて考えたことを記録する「つぶやきシート」がとびラーから手渡されます。こどもたちは、それぞれ気になった作品の元へひとりで向かいます。
作品について感じたことや発見したことを「つぶやきシート」に熱心に文字で書きこんだり、じっくり見てスケッチしたりと、時間が足りなくなるほど集中して取り組んでいました。
その間も、とびラーはこどもたちの傍にいて、鑑賞の様子を見守っていました。

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《ミュージアム・スタート・パックをプレゼント!》

アートスタディルームに戻り、とびラーと一緒にひとりの時間で鑑賞した作品について共有している様子がありました。「次は色もつけてデッサンをしたい」など、自分の記録したスケッチを大事そうにしている姿も印象的でした。

最後に、今日参加したこどもたちひとりひとりに、「ミュージアム・スタート・パック」が渡されます。このパックの使い方について、鈴木さんから説明があります。

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このパックには、上野公園のミュージアムを楽しむためのヒントやツールがたくさんつまっています。その中に入っている「冒険ノート」は、今日だけでなくこれから訪れる美術館・博物館で感じたことを書きとめる記録として使える重要なアイテムです。チラシを切り貼りしたものやスケッチ、あるいは言葉にすることで、真っ白なページがこどもたちの世界でいっぱいになることを願っています。

 

最後に、とびラーと日本聾話学校のみんなで挨拶をして活動は終了しました。

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また、上野公園で再会できる日を楽しみにしています!

 

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今年度初めての開催となった9月11日のスペシャル・マンデー・コース。
総勢136名の子ども達がミュージアム・デビューを果たしました。
ぜひこれからもミュージアムに足を運んで、たくさんの不思議と出会う冒険を続けてくださいね。

 

 

東京都美術館 アート・コミュニケーション係  山家いつか
Museum Start あいうえの アシスタント 石倉愛美
東京都美術館 アート・コミュニケーション係 インターン 藤原日菜子

プログラム: スペシャル・マンデー・コース | 投稿日: 2017年9月11日

主催/東京都、東京都美術館・アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、東京藝術大学

共催/上野の森美術館、恩賜上野動物園、国立科学博物館、
国立国会図書館国際子ども図書館、国立西洋美術館、東京国立博物館、
東京文化会館(五十音順)

お問い合わせ:Museum Start あいうえの 運営チーム(東京都美術館×東京藝術大学)
Tel: 03-3823-6921(東京都美術館 代表番号)
Fax: 03-3823-6920
E-mail: aiueno@museum-start.info

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