活動ブログ

2017(平成29)年度 スペシャル・マンデー・コース

台東区立松葉小・板橋区立板橋第五中・足立区立扇小@ゴッホ展(2017.11.13)

11月13日月曜日、本年度3回目の学校向けプログラム「スペシャル・マンデー・コース」が東京都美術館で行なわれました。

上野公園の木々も色づきはじめ、爽やかな秋晴れの一日となりました。

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「スペシャル・マンデー・コース」とは、休室日(月曜日)に学校のために特別に開室し、ゆったりとした環境の中でこどもたちが本物の作品と出会い、アート・コミュニケータ(愛称:とびラー)と共に対話をしながら鑑賞する特別なプログラムです。

 

今回みんなで鑑賞したのは東京都美術館で開催中の特別展「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」。
参加したのは、台東区と足立区の小学4・5年生のみなさんと板橋区から中学1年生のみなさんです。今回は徒歩圏内で来られるこどもたちもいれば、貸切バスがあってこそ学校で来館することができた、という風に話す先生もいました。

 

それぞれ、どのような時間を過ごしたのでしょうか。

 

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★午前:
台東区立松葉小学校4、5年生 50人
板橋区立板橋第五学校1年生 33人
★午後:
足立区立扇小学校5年生 49人

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《はじめに:展覧会の紹介》

「上野公園へようこそ!この美術館に来たことがある人?」と尋ねると、松葉小の場合、こんなにたくさんの手が上がりました。

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「だけど、今日はいつも訪れる美術館とは全然違うんだよ。いつもはたくさんのお客さんが入って混んでいる展示室だけど、今回はみんなのためだけに開けている、特別な日なんだ。だから、本物の作品をじっくり見て、楽しんでね。」

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そして、これから見に行く展覧会について、改めてご紹介。
「ゴッホさんはどんな人だったんだろう?なんでこんなに有名になったの?どんな作品が見られるのかな?」
こどもたちは紹介を聞きながら、「早く展示室に行きたい」と思う気持ちが徐々に高まってきます!

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《とびラーとご挨拶》

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次にグループごとに分かれます。ここで改めて、グループの仲間とご挨拶。
展示室へ出かける準備ができたら、いよいよ展示室へ向かいます!

今日一緒に活動をするとびラーさんについてもご紹介。
とびラーというネーミングは、東京都美術館の愛称「都美(とび)」にちなんで名づけられています。

「とびラーはミュージアムの楽しみ方をたくさん知っている大人のみなさんです!作品を見て、感じたことや気づいたこと、聞いてみたいことがあったら、何でも話しかけてみてね。」

家族でも先生でもない“大人”との出会いにドキドキわくわくするこどもたち。場の空気がぐんと温まります。

 

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《グループでの活動:展示室散歩》

まずはとびラーと一緒に “お散歩”をするように、展示室全体をゆったりとめぐります。
展示室の空間の広さや、作品の点数、どこにどんな作品があるのかを把握することで、その空間に慣れていくための時間です。

 

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展示室では、こどもたちは息を飲むようにして静かに入っていきます。
普段嗅がないような匂いを感じとったり、本物の作品が目の前に現れ、「あ!あの作品知ってる!」という反応も小声で示していました。

 

《グループ鑑賞の時間》

ここからは「グループ鑑賞の時間」です。
複数の視点で、対話をしながらひとつの作品を見ます。
とびラーは、一人一人のこどもたちの発言に耳を傾け、またそれを整理しながら、みんなで一緒に作品を見る場を作り上げていきます。

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松葉小の場合、5年生のお子さんが4年生のお子さんを前に座らせたり、お互いの意見を聞き合ったり、普段接しない仲間だからこそ思いやり、対等な立場で対話をすることができたようです。

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板橋第五中学校のこどもたちは、積極的に発言し、またその発言をひとりひとりがよく聞くことで、互いに気づき合い、発見し合いながら、グループでの鑑賞を深めていました。

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こどもたちはどんどん作品の世界に引き込まれるように、自分が発見したことを活発に話していました。

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《ひとりの時間》

グループでの活動のあとは、「ひとりの時間」です。

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ここからは、こどもたちは文字通り一人となって、自分が見たいと思う作品を見に行きます。

とびラーから手渡されるのは、「つぶやきシート」と会場マップがついた緑のボード。

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「今、みんなとお話ししたみたいに一人で作品の前に立って、作品とおしゃべりしておいで。
発見したことや感じたことを、メモでもスケッチでもいいから、このシートに書いてこよう。」

 

こどもたちはみんな、学校の事前学習で「自分が見たい」と思う作品を事前に選んで来ていました。
その時は印刷されたアートカードを使って「気になるな」「色がきれいだな」と思ったはずですが、実際の作品を前にして、どんなことに気づくのでしょうか?

 

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こどもたちは、このようにしてじっくり、作品と向き合います。

贅沢な貸切空間の中、作品と一対一で向き合うことができるのも、スペシャル・マンデー・コースならではの体験です。

 

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基本的にはひとりでの活動ですが、もちろん、とびラーもこどもたちに寄り添いながら、展示室にいます。

どうやって書いたらいいかわからない、作品について気づいたことを言葉にできない、というお子さんを見つけたら、とびラーはそっと近づき「どんなところが気に入ったの?」と尋ねてみます。
すると、自分が選んだ理由を少し考え、気に入ったところが見つかることになります。ひとりで見るのと異なり、だれかと一緒に見ることで自分の考えが整理されたり、逆に自分のことを知るきっかけともなります。

 

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この日は7月に中国から転校してきた生徒も一緒に活動をしました。

寄り添ったのは、同じ母語を話すことができるとびラーです。

最初は作品を見るのも少し疎ましいと思っていた彼も、とびラーと共に時間を過ごすうちに、少しずつ自分のことや少し気にかかった作品について話していきました。

とびラーはこどもたちを決して誘導するのではなく、こどもたちが作品を見たい、と思えるようになるまでその子の状態に合わせて寄り添います。

 

 

《最後に:「ミュージアム・スタート・パック」をプレゼント!》

 

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展示室から戻って来たこどもたち。みなさん、とても充実した表情を浮かべていました。

美術館でじっくり作品を見る楽しみ方を味わったみなさん全員にプレゼントしているのが、「ミュージアム・スタート・パック」です。上野公園の9つの施設を楽しむためのヒントが載っている「ビビハドトカダブック」や自分だけの発見を書き込むことができる「冒険ノート」が入った、特別なパックです。

 

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「9つの施設では、オリジナル缶バッジをもらうことができるんだよ。」

だけどそれをもらうには、呪文を唱えなければいけません。
これはパックをもらったみなさんにしか伝えていないもの。

ヒントは緑のバインダーの表紙に書いてある文字・・・

最後にみんなで呪文を唱える練習して終わりとなりました。

この「ミュージアム・スタート・パック」を持って、何度でも上野公園に足を運んでくれることを願っています!

 

 

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学校のねらいや、こどもたちの特性に合わせてプログラムを実施するスペシャル・マンデー・コース。

作品との出会いや、とびラーとの一期一会の時間も丁寧に彩られていきます。

そうした体験を入り口に、「また美術館に行きたい!」「とびラーに会いに上野公園に行きたい!」と思ってくれたなら嬉しいです。

 


山家いつか|東京都美術館 アート・コミュニケーション係

鈴木智香子|東京藝術大学美術学部特任助手、Museum Start あいうえのプログラムオフィサー

プログラム: スペシャル・マンデー・コース | 投稿日: 2017年11月13日

主催/東京都、東京都美術館・アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、東京藝術大学

共催/上野の森美術館、恩賜上野動物園、国立科学博物館、
国立国会図書館国際子ども図書館、国立西洋美術館、東京国立博物館、
東京文化会館(五十音順)

お問い合わせ:Museum Start あいうえの 運営チーム(東京都美術館×東京藝術大学)
Tel: 03-3823-6921(東京都美術館 代表番号)
Fax: 03-3823-6920
E-mail: aiueno@museum-start.info

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