活動ブログ

2018(平成30)年度 うえのウェルカムコース

うえのウェルカムコース:八王子市立松が谷中学校 美術部(2018.8.1)

2018年8月1日(水)、学校向けプログラム「うえのウェルカムコース」に八王子市立松が谷中学校の美術部の生徒のみなさんが参加してくれました。
1~3年生の計27名は夏休みの部活動の一環として来館。東京都美術館で開催されている「BENTO おべんとう展―食べる・集う・つながるデザイン」を鑑賞しました。

東京都美術館のアートスタディルームに到着すると、さっそくプログラムが始まりました。
「今日見に行く『BENTO おべんとう展』は、日本の食文化であるお弁当を、現代アートの作品を通じてとらえ直した展覧会。実際に生きているアーティストが作った作品があるんだけど、写真や映像など、それから参加体験型の作品がたくさんあるよ。」
東京藝術大学 特任助手の鈴木さんが展覧会についてのお話しをすると、生徒のみなさんも、初めて見る「参加体験型」の展覧会について興味深々です。

IMG_9128

そしてなんと会場には、展覧会ファシリテータの「フロシキ―」さんがいるとのこと。
東京都美術館の山家さんからはフロシキ―さんについてこんなお話しがありました。
「展覧会ファシリテータとは、お客さんの鑑賞の伴走役です。作品を通して感じたことを誰かに話してみると、自分自身を見つめるきっかけになることもあります。ぜひ会場にいるフロシキ―さんともお話しをしてみましょう!」

IMG_9137

想像していた展示室の様子とずいぶん違っているようで、わくわくしてきた生徒のみなさん。
最後に美術館で守らなければならないマナー「走らない・触らない(今回の展示では触れる作品もあります)・お話しするときは小さな声で・メモをするときは鉛筆で」という4つのポイントを改めて確認してから、展示室へいざ出発!
6〜7人程度の複数グループに分かれて、展示室を巡っていきます。

IMG_9133IMG_9157IMG_9149

まず【ギャラリーB】では、阿部了さんの《ひるけ》を見ながら、作る人と作ってもらう人の関係についてや、お昼を食べるときの気持ちについてや、また学校ではたまにお弁当の日があって嬉しいということなど、たくさんの話題が飛び出しました。
お弁当箱に触れることができるハンズオンコーナーでは、様々な国のお弁当箱を実際に触って、組み立てて、戻して、また組み立てて。フロシキ―さんと一緒に、「何を入れていたお弁当箱なのだろう」と考えながら触っていました。

 

次に【ギャラリーA】では、マライエ・フォーゲルサングさんの参加体験型作品《intagible bento》を鑑賞します。
お弁当の見ることができない側面や、触ることができない側面について体感できる作品です。
この作品の案内人となるのが「おべんとうの精霊」。精霊の声を聞くことができる「精霊フォン」を手に、生徒たちは作品の世界へ飛び込みます。

IMG_9155IMG_9184

「精霊の声ってこんなんなんだ」「お肉がなくなってしまったらどうしよう」「この器って何でできているんだろう、、海藻!?」と、不思議に思ったり、驚いたりした生徒のみなさん。楽しそうにリボンをかき分けて進んでいきます。
お弁当への思い出を共有する部屋”Memory(メモリー)”では、「いつも作ってくれてありがとう」という言葉をリボンに書いて吊るす生徒も。

続いて、【ギャラリーC】へ。北澤 潤さんが手がけた《FRAGMENTS PASSAGE -おすそわけ横丁》は、お弁当を誰かと食べるときに自分の中身を誰かとわかち合う「おすそわけ」という行為に着目したインスタレーション作品。
横丁内の”市場”に並んでいるものは全て誰かからの「おすそわけ」です。 生徒たちは市場を通りながら、異国のお菓子から、不思議な色や形のタイルにまで、楽しそうに手に取り眺めていました。

市場を抜け芝生の広場にみんなで集まると、おすそわけ横丁の仕組みや成り立ち、おすそわけとはどういうことなのかを山家さんからお話してもらいました。ふむふむと頷く生徒のみなさん。

IMG_9212 2

おすそわけ横丁を名残惜しく出た後に、最後の展示室へ。小山田徹さんの作品《お父ちゃん弁当》では、お姉ちゃんが弟のために考えたお弁当にクスッと笑ったり、その発想はなかったと小さく驚いたり、一つ一つの作品を丁寧に鑑賞していました。

IMG_9206IMG_9204IMG_9228

また、森内康博さんの《Making of BENTO》では、自分たちと同年代の中学生たちが、自分で作るお弁当のドキュメンタリー映像に興味津々に集まって覗き込んでいました。
「なんでサンドイッチにアボカドがないの」という感想まで飛び出していました。等身大の生徒が関わっている作品にも惹かれていたようです。

全ての展示を回った後はアートスタディルームに戻り、学芸員補佐の仕事をしている山家さんと藝大生の下澤さんに、お話しを聞きました。
それぞれ、美術館での仕事を始めるまでとアーティストを目指すまでの等身大のお話しを聞くことができました。
中学生・高校生の頃は何をしていたのか、美術が好きになったきっかけなど、特にこれからの進路について考えている中学3年生の生徒さんは真剣に聞いていました。

IMG_9265

持参したお弁当でお昼をとった後、展覧会での記録を書いていきます。
生徒たちは、事前にプレゼントされていた、ミュージアム・スタート あいうえの のオリジナル教材「ミュージアム・スタート・パック」に、今回展示されているお弁当箱のアートカード8点から気になるもの・好きなものを選び、その理由を書いてくる事前学習をおこなっていました。
今回は、そこから実際に展覧会を体験して、また美術館で出会った二人のお話しを聞いた感想や気づきを冒険ノートに記していきます。

IMG_9300

さすが美術部の生徒たち!ああでもない、こうでもないと言いながら、すばやく、そして楽しそうにノートに思い出を記していきます。小倉ヒラクさん制作アニメーション《おべんとうDAYS》に登場するキャラクター、”ね子ちゃん”と”おべんとウサギ”の姿も。
時間内ではノートに書ききれなかったため、次の部活動の時間に完成させ、みんなでノートの鑑賞会をすることになりました。

IMG_9341IMG_9350IMG_9351IMG_9356

このオリジナル教材「ミュージアム・スタート・パック」は、発見や気づきをまとめたり、行き先のミュージアムでオリジナル缶バッジを集めたりと、何度でもミュージアムに行きたくなる仕組みになっています。また、他の生徒とノートを見せ合い、それぞれの作品への感じ方を知ることで、同じものを体験していても多様な感じ方があることを知ることができます。

翌日に、部活で行った様子について、先生からご連絡をいただきました:

日の部活でも結局1時間以上制作時間を取り描き上げた力作ぞろいです。
また感想シートでは、アンケートの回答結果から、子どもたちにとって「新しいものに触れた」一日となったのではないかと感じました。冒険ノートや感想シートは私自身も子どもたちのリアルな反応として色々と勉強になりました。

振り返りの後半で行った観賞会も非常に盛り上がりました。
生徒たちに数枚の付箋を渡し、自由に歩き回りながら気になった作品に直接、一言感想を書いた付箋を貼っていくという鑑賞活動をしました。学年を越えて互いの冒険ノートを鑑賞しあうことができ、…生徒によっては冒険ノートの半分以上が付箋で埋まってしまう子もいたりして、目に見える形で経験の共有が出来て良かったです。

昨日の活動で様々な事を感じ、そして部員同士でコミュニケーションをとりながら楽しむことができた成果だと感じました。事後学習も生徒たちがそれぞれの活動を振り返り共有しあえる深い内容となりました。

 

届いた力作の冒険ノートの記録を一部ご紹介!

EPSON MFP imageEPSON MFP image

この展覧会をまだ見ていないだれかに伝えるつもりで書いてみると、様々な感想や視点が出てきます!
生徒一人一人にとって、「おべんとう展」での体験が豊かなものになったなら嬉しいなと思います。

IMG_9400

その日の最後には、東京都美術館の「ビビットポイント」にて、秘密の呪文を唱えてオリジナルバッジをゲットして帰りました!うえのウェルカムコースはこれにて終了。

「参加体験型」の展示を五感で味わった生徒のみなさんが、また、「ミュージアム・スタート・パック」と共に美術館に来てくれることを願ってお見送りしました。

 


 

 

津田愛子|東京都美術館 アート・コミュニケーション係 インターン

 

 

 

プログラム: うえのウェルカムコース | 投稿日: 2018年8月1日

主催/東京都、東京都美術館・アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、東京藝術大学

共催/上野の森美術館、恩賜上野動物園、国立科学博物館、
国立国会図書館国際子ども図書館、国立西洋美術館、東京国立博物館、
東京文化会館(五十音順)

お問い合わせ:Museum Start あいうえの 運営チーム(東京都美術館×東京藝術大学)
Tel: 03-3823-6921(東京都美術館 代表番号)
Fax: 03-3823-6920
E-mail: aiueno@museum-start.info

※お送りいただいた個人情報は公益財団法人東京都歴史文化財団プライバシーポリシー
に基づき取扱い、本事業に関する業務を行う目的以外で使用することはありません。

アーツカウンシル東京

東京都美術館

東京藝術大学

利用についてプライバシーポリシー

Copyright © 2013-2018 Museum Start i-Ueno, All Rights Reserved.