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2018(平成30)年度 あいうえのスペシャル

夏のあいうえのスペシャル(2018.8.20)

すごく暑かった今年の夏休み。みなさんはどんなふうに過ごしましたか? 8月20日(月)、今年度最初の「あいうえのスペシャル」が開催されました。

 

「あいうえのスペシャル」とは、これまでの「あいうえの」プログラムに参加し、ミュージアム・デビューを果たしたこどもたちとその家族が、ふたたび上野の冒険を楽しむ一日です。

いつもならたくさんの人で賑わう上野公園ですが、月曜日はほとんどのミュージアムが休館のため、いつもよりちょっと静かに感じられます。当日開館していたのは上野の森美術館・東京都美術館・国立科学博物館・東京文化会館の4つの施設でした。

夏休み真っ最中のこの日、参加したこどもたちとそのファミリーが、ミュージアムをたっぷり楽しんだ様子をレポートします。

 

東京都美術館のキッズデーにあわせて開催

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8月20日の月曜日、休館日を利用して東京都美術館(以下、都美)ではキッズデーが開催されました。今回は開催中の「BENTO おべんとう展―食べる・集う・つながるデザイン」が対象です。普段はたくさんの人で混雑してしまう美術館だけど、この日はこどもとその保護者のためだけにゆったりと開かれる特別な日。開門前から並んでいるみなさんの姿も目に入りました。

あいうえのスペシャル、今年度の1回目はこのキッズデーと同じ日に行われました。アートスタディルームで受付が開始され、あいうえのメンバーのために開かれたアトリエで冒険ノートを描いたり、「冒険の証バッジ」を手に入れたりできるプログラムが用意されています。冒険の仲間「アート・コミュニケータ(愛称:とびラー)」がいて、みなさんのスペシャルな1日を全力でサポート。普段出かけるのと違って、自分一人だけではなく、だれかと一緒にミュージアムを楽しんだりその日の思い出を残したりすることができる…それがあいうえのスペシャルの醍醐味なのです。

 

■「BENTO おべんとう展」ってなにがあるの?

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まずは今日の冒険の行き先の一つ、「BENTO おべんとう展」をご紹介します。おべんとう展は「日本独自の食文化であり、人と人をつなぐ『おべんとう』をコミュニケーション・デザインの視点から捉え、その魅力を来場者自身が体験しながら発見できる」展覧会とのこと。最初に目に入る小倉ヒラクさんの新作のアニメーション作品《おべんとうDAYS》の口ずさみやすいメロディーが展示の入り口。また展示室には、赤いギンガムチェックのバッグを下げた展覧会ファシリテータの「フロシキー」さんの姿も。「BENTO おべんとう展」の鑑賞をサポートしてくれる強い味方です。

マライエ・フォーゲルサングさんの作品《intangible bento》は、お弁当の「触ることや見ることができない」側面を表現しており、その物語を体験します。カラフルな布で仕切られた空間に入り、「精霊フォン」から流れてくる声に耳を澄ますと、お米やお肉などの食材についてのストーリーを話す精霊の声が。作品を体感しながら、お弁当について思いを馳せたりして、その世界観にぐいぐい引き込まれる魅力的な作品です。

またさらに、いろいろな時代、世界各地のお弁当箱も並んでいました。中でも「さわって楽しむお弁当」のコーナーが大人気。お弁当箱の重ね方に苦戦しながら一生懸命組み立てたり、実際に触りながら「どんな構造になっているかな」とフロシキーと会話をしながら盛り上がっている様子が見受けられました。また、昔のお弁当の中身がレプリカになっているものも人気で、食い入るように見ています。なにがおいしそうだったかな?

その他にも、アーティストがつくるお弁当をテーマとした様々な世界観が見どころいっぱいの展示。今日はキッズデーのおかげでたっぷりと堪能できます。

 

■冒険ノートを書こう!

展示室で見た中で、どんなことが心に残ったでしょうか?冒険ノートに書いてみましょう。表現したいこと、伝えたいことにマッチするよう、たくさんの素材や画材をそろえた「あいうえのアトリエ」(アートスタディールーム)でテーブルに着いたら、みんな真剣そのもの。最初はちょっととまどうお子さんが多いのですが、いったん書き始めるとみんな自分の世界に没頭してしまいます。それを見守るのがアート・コミュニケーター”とびラー”の面々。

とびラーのすばらしさは、その距離感にあります。こどもに「できた?」「まだ?」と急かすことはありませんし、「こうしたらいいんじゃない?」と無理矢理に誘導することもありません。ゆっくりとこどもが自分で考えている作業を見守り、もし困ったことを聞かれたら答える、危ないことをしそうだったらやんわり遠ざける……。こどもたちの主体性に寄り添っているからこその触れ合い方で、お互いにほどよい距離感で接していました。

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「BENTO おべんとう展」で特に人気だったのがお城の形をしたお弁当箱。いつも使っているお弁当箱とは違うフォルムに「えっ、これもお弁当箱なの?」という驚きとともに、心に深く刻まれたようです。

午前中に「BENTO おべんとう展」を楽しんだ後、午後は国立科学博物館で「昆虫展」に出かけた参加者もいました。保護者の方が、「冒険ノートを書くのがよほど楽しかったようで、また戻ってきてしまいました」と話してくださいました。9つの文化施設で「秘密の呪文」を唱えるともらえる9つのオリジナルバッジも、着実に集まっているようです。

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なかには冒険ノートを「おかわり!」した参加者もいました。あいうえののプログラムに参加したこどもたちは、ミュージアムの記録で冒険ノートをいっぱいにすると、ノートの「おかわり」をすることができます。からっぽだったノートにいっぱい描いてもらえるのもすごくうれしいので、まわりのとびラーやスタッフもみな笑顔になっていました。もちろんいちばん近くで見守っている保護者の方もうれしそう。

切って、貼って、書いて、塗って。同じ展覧会を見ていても、まったく異なるページがつくられていくのは見守る側にも驚きや気づきを与えてくれます。1冊ずつじっくり眺めたい!と思わされる冒険ノートがたくさんできあがってゆきました。

ミュージアムではいつもいろんな展示が行われていますが、見ただけでは忘れてしまうこともあると思います。けれども、その日のうちに冒険ノートに自分の思ったこと、考えたことと一緒に記録することで、記憶はしっかりと焼き付きます。ものへの興味や関心がより深まります。展示室で気づいたことを冒険ノートに記録することで、次の冒険の準備もバッチリ!? 冒険ノートはこどもたちが何度でもミュージアムへ出かけられるために、なくてはならない1冊なんです。

 

この日にさっそく書かれた冒険ノートをいくつかご紹介!
その他の「冒険ノート」は「みんなの冒険ノート」のページで見ることができます。

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■スペシャル・ビビット・ポイントで「冒険の証バッジ」をゲット

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書き終えた冒険ノートを「スペシャル・ビビットポイント」でとびラーに見せると、なんとこの日だけのオリジナルバッジ「冒険の証バッジ」をつくることができます。展覧会を見たり、上野公園を探検したり…「冒険をしてきたよ!」という「あかし」になるのです。これはすごくいいなあ、ほしいなあと大人でも思います。だって、この日だけのほんとうにスペシャルなものなのですから。

冒険の証バッジにするのは、その日上野のどこかで発見したことや残したいと思ったものを描くタイプか、もしくはおべんとう展で展示されていた作品《intangible bento》で登場する10体の精霊のイラストの中から選ぶことができるタイプの2種類。特に精霊イラストタイプを選ぶ参加者が多かったので、こどもたちにとって「BENTO おべんとう展」がいかに心に残ったかがうかがえました。他にも「おべんとう展」で発見したことや、国立科学博物館で過ごした思い出などを自分なりにデザインしていたお子さんもいました。

納得できるまで色付けとデザインを楽しんだら、とびラーが缶バッジ制作マシンをガッチャン!一押しで自分だけの冒険の証バッジが完成!
この夏の思い出、世界にたった一つの証です。満足げな顔でバッグにつけて胸を張って見せてくれるこどもたちの顔がとっても愛らしく、アートを介して育まれる素敵な場面に胸がジーンとしました。

 

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あいうえのマップも充実

午前中はゆったりしていたアトリエも、午後になると少し混雑してくるように。こどもたちがノートやバッジを作っている間に保護者のみなさんが注目していたのが、壁に貼られた「あいうえのマップ」。

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上野公園の情報をゲットすることもできれば、今度は自分がめぐったときに気になったポイント、ここはおすすめしたいというポイントを書いて自由に貼ることができます。「●●がおいしかったから行ってみて!」「○○にこんなものがあったよー」という自分だけの「冒険のヒント」が増えていき、1日の終わりにはあいうえのマップがどんどん充実していきました。これを参考に、次回のミュージアム探検がより楽しくなりそう。

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■あいうえのスペシャルで、家族のコミュニケーションも深まる

冒険ノートを一生懸命つくっているこどもを、やさしく見ていた保護者の方にお話を伺いました。

ミュージアム・スタート・パックに入っている「ビビハドトカダブック」を見て以来、こどもがミュージアムに出かけたがるようになったとのこと。「ミュージアムは、親がこどものことを知る場にもなっています」と話していました。こどもの新発見は保護者の方の新発見にもつながり、お互いのコミュニケーションが深まりそうです。

こどもの学ぶ力だけではなくて、それによって家族の絆も深まるミュージアム体験をしていることを実感しました。

 

■こんなにたくさんのファミリーが来てくれました!

あいうえのスペシャルは月曜日開催ということもあり、親子での参加は難しいかな、とも思われました。けれども夏休みだったことも功を奏してか、一家総出での参加も目につきました。お父さんが一生懸命奮闘する姿は、特に印象に残りました。これを機会に家族の会話にもっともっとアートやミュージアムの話題が増えるといいですね。

参加してくれたみなさんの写真をご紹介します。みんな自慢の作品を手に持って、「はい、チーズ」!!

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ダンスでおべんとうをもっともっと身近に!

あいうえのスペシャルのおしまいに、アトリエにいたみんなで小倉ヒラクさんのかわいいアニメ《おべんとうDAYS》にあわせて踊りました。

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最初は恥ずかしがっていた子も、最初からノリノリで体を動かしていた子も、ワークショップが終わるころにはみんながすてきなダンサーに。体を動かすって楽しい!踊るうちにアイドル顔負けになってくるキメポーズもナイス。こどもと大人がつながってゆくような楽しいダンスタイムでした。覚えたダンスは、家に帰ってもまた踊ってくださいね。

ついに楽しかった「あいうえのスペシャル」もおしまいの時間。みんなで集まって記念撮影!《おべんとうDAYS》に登場した「ね子ちゃん」のポーズを真似してはじける笑顔でパチリ!

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さまざまな体験を、たくさんのこどもが冒険ノートに記録した今回のあいうえのスペシャル。ちょうど開催されていた「BENTO おべんとう展」も冒険ノートにたくさん記録されました。参加した76組178名のファミリーの笑顔を見ていると、ミュージアムでの冒険を楽しんでいることがよく伝わってきました。

 

こうして第1回のあいうえのスペシャルは無事終了。暑い夏でしたが、それをふきとばすくらいの笑顔に満ちた1日になりました。次回は冬の12月15日(土)の予定です。またみなさんにお会いできるのを楽しみにしています。

 


 

執筆|近藤智子
編集|Museum Start あいうえの運営チーム

プログラム: あいうえのスペシャル | 投稿日: 2018年8月20日

主催/東京都、東京都美術館・アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、東京藝術大学

共催/上野の森美術館、恩賜上野動物園、国立科学博物館、
国立国会図書館国際子ども図書館、国立西洋美術館、東京国立博物館、
東京文化会館(五十音順)

お問い合わせ:Museum Start あいうえの 運営チーム(東京都美術館×東京藝術大学)
Tel: 03-3823-6921(東京都美術館 代表番号)
Fax: 03-3823-6920
E-mail: aiueno@museum-start.info

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