活動ブログ

2018(平成30)年度 うえのウェルカムコース

うえのウェルカムコース@奇想の系譜展(2019.2.25)
台東区立金竜小学校 特別支援学級1〜6年

2019年2月25日(月)、台東区立金竜小学校の特別支援学級1年〜6年生 18名と教員・支援員の方9名が、学校向けプログラム「うえのウェルカムコース」に参加しました。東京都美術館で開催中の特別展「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」を鑑賞しました。

みなさんがどのような体験をしたのか、当日の様子をお伝えします。

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当日は朝早くに学校を出発し、歩いてやってきました。美術館の入口でスタッフと待ち合わせてそれぞれお手洗を済ませたあと、アートスタディールームという今日の活動場所に集合しました。

そこで出会ったのは”とびラー”という愛称のアート・コミュニケータのみなさん。
アート・コミュニケータとは、アートを介したコミュニティを育むことを目的に、ミュージアムで様々な活動をしている大人の人たちです。美術館の楽しみ方をたくさん知っています。今日は13名のとびラーが、金竜小学校のみなさんの仲間となって一緒に活動します。
活動するメンバーとなるこどもも大人も、おそろいのバンダナを付けたところで、活動開始です!

 

活動の流れは以下の通りに進みます:
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1. 展示室へ行く前に:展覧会や美術館のことを知る時間

2. 展示室へ行こう:本物の作品をみんなで見る時間

3. 最後にプレゼント:これからもミュージアムを楽しんでもらうために
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事前に学校に貸し出した「鑑賞ボックス」を使って、事前学習をしてきたこどもたち。担当の先生よりその様子を聞いたところ、「こどもたちなりに一生懸命見て、自分のお気に入りを選んでいました。けれど、江戸絵画などの昔の絵はあまり見慣れていないんじゃないかなと思いました。」という感想をうかがいました。

そこで、展示室へ行く前に、もう一度作品に親しみをもってもらう時間を用意しました。

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カードサイズになった作品のアートカードを用意し、その中から自分が気になる1枚を選びます。
そこから聞こえてきそうな「音」や「せりふ」を吹き出しふせんに書き出します。
最後に、とびラーが持っている展示室マップに印をつけて、その本物の作品を探しに行く、という流れのワークです。

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事前学習で選んだ作品を思い出しながら選ぶ子もいれば、当日改めてアートカードを見て選び直す子も。一人で選ぶのに悩んでいるお子さんには、とびラーがサポートしながら寄り添います。
「今日のお気に入り」を選んだこどもたちは、絵の中の世界を想像しながら言葉を書き出していました。

作品を見る準備ができたところで、その「本物」の作品を見に、いよいよ展示室へ向かいます。

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今回は、児童のみなさんが安心できるように、こども1名に対し大人(教員か支援員、またはとびラー)が1名つくような態勢で臨みました。

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実はこの日の東京都美術館では、「障害のある方のための特別鑑賞会」が開催されていました。
東京都美術館の特別展を、障害者手帳を持つ人とその介助者のために特別にオープンする日です。

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通常だととても混雑している展示室も、今日はゆったりとしています。

今回先生との打合せを経て、活動のポイントとして次の2点を挙げました:<こどもたちに寄り添ったペース配分>と<グループごとにまとまること>です。
支援学級に通うこどもたちの特性は様々。初めての場所に慣れるのに時間がかかる子、先ほどアートスタディールームで見たカードの作品を探す気満々な子など、ペースや集中力は個人によってまったく異なります。
そのペースや個性に合わせて、今回は大人が一人一人寄り添うことを活動のポイントとしました。

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こども1名に対して大人1名、という態勢の甲斐あって、こどもたちはそれぞれ落ち着いて参加することができている様子でした。
最初からお話をするのが好きな子もいれば、それぞれの会話の中から「好きなもの」を探しながら展示室をめぐる子もいたり、最初静かでおとなしかった子が自然と、とびラーの手をつなぐようになったりするなどの姿が見られました。

また、もう1点のポイントであった<グループでまとまること>を守るために、フロアを移動する際には必ずグループごとに集合することにしました。その約束を守りながらグループのメンバーを待つ姿もあり、自分のことだけでなく、お互いのことを配慮しながら活動できていました。

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グループによっては、「話す」だけでなく「書く」活動にも挑戦しました。
とびラーが用意していた「つぶやきシート」がついたボードを手にして、作品の前で気づいたことや感じたことを自由にメモする姿もありました。
お話しするだけだと、どうしても記憶の中で流れてしまいますが、紙に書いておくことできちんと「記録」することができるのも、このワークのポイントとなります。
みなさん、しっかり集中して作品と向き合っていました。

 

展示室にいた時間は50分ほど。
普段の授業よりずっと長い時間、活動に参加していました。ほどよく疲れが出てきたところで、最初に集合したアートスタディールームに戻ります。

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最後の活動は、終わりの挨拶です。
そこでみなさんに手渡しのが「ミュージアム・スタート・パック」。「あいうえの」のプログラムに参加した人全員に渡している、ミュージアムを楽しむための冒険の道具です。

先ほど展示室の中で「記録」しているお子さんがいましたが、この道具を使って、これからも同じことを続けることができます。
「ミュージアム・スタート・パック」の中に入っている「冒険ノート」は真っ白なノートなので、自由に書くことができます。これまで他のこどもたちが書いた冒険ノートの例を紹介しました。もう一つ入っているピンク色の「ビビハドトカダブック」は、上野公園の9つの文化施設を紹介しているガイドブックです。行き先を決めるのに有効です。この日は映像でも、上野公園のことを紹介しました。

そして最後に、この冒険の道具を持っているメンバーだからこそ知っていて良いことをご紹介:
布バッグに9つの文化施設のオリジナルバッジを集められる特典が付いています!
そのバッジをもらうための秘密の呪文をみんなで唱えてプログラムは終了となりました。

 

初めて訪れた美術館が、こどもたちにとって少しでも居心地よく感じられることを目指して、学校の先生と協働しながらプログラムの準備を進めてきました。当日はアート・コミュニケータのみなさん、そして館内関係者のみなさんにも見守られながら、無事に終えることができました。
今回の体験をきっかけに、こどもたちが美術館へ「また行きたいな」と思える場所になっていることを願っています。今度は冒険の道具「ミュージアム・スタート・パック」を携えて上野公園に来てくれるのを、待っています!

 


 

 

鈴木智香子|Museum Start あいうえの プログラム・オフィサー

プログラム: うえのウェルカムコース | 投稿日: 2019年2月25日

主催/東京都、東京都美術館・アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、東京藝術大学

共催/上野の森美術館、恩賜上野動物園、国立科学博物館、
国立国会図書館国際子ども図書館、国立西洋美術館、東京国立博物館、
東京文化会館(五十音順)

お問い合わせ:Museum Start あいうえの 運営チーム(東京都美術館×東京藝術大学)
Tel: 03-3823-6921(東京都美術館 代表番号)
Fax: 03-3823-6920
E-mail: aiueno@museum-start.info

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