人間は人間の数だけの考え方があります。
地球上に60億人いたら、60億とおりの考え方があるのです。
けれども一人で居ると自分の自分らしさが自分では分からない。
でも人と関わりを持ったとき、話したときに、
「あっ! 自分とは違う考え方があるんだな」と気がつきます。
人と会うということは気持ちを共有するということと同時に、自分とは誰かを発見する為なのです。
個性を伸ばす、他者との差異を発見する、そのために人と関わる。
個の考え方を表すことにより、個人が孤立するのではなく、個の特色を周囲の人と分かち合い、刺激し合い、より自分の自分らしさを発見し、認め合う。
それは思考的な事だけでなく、持って生まれたものも含めて、互いに尊重し合う。
そのことを実践し、実感するとともに検証しながら、アートの役割を高度な次世代社会を形成する上に於いて重要な機関にするのが、このプロジェクトの目的です。
日比野克彦(アーティスト/東京藝術大学美術学部先端芸術表現科教授 )
「美術館って、こんなに面白いと思わなかった。ゲームより楽しい・・・。」
この Museum Start あいうえの のプログラムに参加したこどもたちが、わざわざ言いに来てくれることがあります。いろいろな国の作品や文化財との出会いは、こどもたちの中でだんだんと宝物のような経験に育っていきます。
ぜひ保護者の方が、こどもたちと芸術や文化財との出会いをサポートしてあげてください。私たちミュージアムも、こどもたちのミュージアム・デビューを応援しています。
稲庭彩和子(東京都美術館 学芸員/アート・コミュニケーション係長)