ティーンズ学芸員
concept

中学生から高校生のこどもたちが参加する「ティーンズ学芸員」プログラムは、
2014年8月から2015年3月にかけて行われた「鑑賞ワークショップ」です。

こどもたちは全10回にわたって実施された鑑賞ワークショップにおいて、
ミュージアムのなかで自分が気に入った作品をよくみて、自分の言葉で作品解説をつくり、
自分の声で録音して、世界で一つのオーディオ・ガイドを制作しました。

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feature

ミュージアムにある作品について解説するなんて、
美術や歴史についての専門的な知識がなければできないのでは?
そんな風に思う人も多いかもしれません。

ここで大切にされるのは、こどもたちが自由な発想でモノをよく見て、
豊かに感じ、自分の言葉で表現していくこと。
それは、自分の見方や感じ方を深めたり広げたりしていく体験そのものです。

「ティーンズ学芸員」プログラムの特徴
自分でよく見て、考える

ミュージアムの体験で何よりも大切なのは、自分の目で展示物をよくみて、鑑賞や観察すること。「面白い」と驚いたり、「すごい!」と感動を覚えたりしながら見出したものは、本や教科書では語られない自分自身の発見です。知識がないからることなく、自分なりの価値観で作品を見るのがプログラムでのポイントです。

大切なのは、自分が感じたことを伝えること

私たちは同じ作品を見ても、その感じ方には十人十色の個性があらわれてきます。ミュージアムの作品を見る体験で大切なことの一つは、自分が気がついたことや考えたことを言葉にして誰かに伝えてみること。言葉にして伝えてみると、「自分とはちがう見方や考え方があるんだ!」と気づくきっかけや、伝え方はこれでいいのかと考えたり、異なる見方や考え方に触れるきっかけが生まれていきます。

様々な人の考えに触れて、モノを見る力を磨こう

自分とはちがう視点や考えに触れることは、誰かと刺激し合い、認め合い、自分らしさを発見していく大切なきっかけです。「ティーンズ学芸員」プログラムでは、ミュージアムの学芸員や専門家、アート・コミュニケータ(愛称:とびラー)や東京大学と東京藝術大学の大学院生がこどもたちと一緒に活動し、様々な人の考えに接することで、こどもたちの中にある創造的にモノを見る力を磨いていきます。

story
上野公園のバラエティに富んだミュージアムの学校向けプログラムを一覧にてご紹介!

さまざまなミュージアムで、お気に入りの作品を探そう

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ひとつのミュージアムで展示物をよく見たり、
そこから発展的に興味をもった別のミュージアムの展示物を探求したりして、
気になる作品にめぐり合う体験は、まるで宝物探しのよう。

膨大な数のコレクションやミュージアムのプロフェッショナルとの出会いの中で
お気に入りの一点を探求できるのは、上野公園を舞台にしたプログラムの醍醐味です。

ティーンズたちは、東京都美術館、東京国立博物館、国立西洋美術館の3館を横断して、
オーディオ・ガイドづくりの土台となる「探求する」体験を重ねていきます。

東京都美術館
東京都美術館1926年に開館した日本で一番古い公立の美術館の東京都美術館
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東京都美術館で鑑賞するのは、特別展「メトロポリタン美術館 古代エジプト展 女王と女神」や「楽園としての芸術」展、美術館の敷地内の野外彫刻です。ここでは、ひとつの展覧会を筋道に沿って見るのではなく、美術館全体を広くめぐりながら古代から現代までの多様な作品を鑑賞していきます。

ティーンズたちの豊かな鑑賞の手がかりとなるのは、実物の作品を見ることだけではありません。鑑賞をより深く体験するために、東京都美術館学芸員の稲庭彩和子さんから美術作品や美術館、学芸員の仕事について話を聞きます。さらに、作品の保存や展示の準備のためのバックヤードを探検して、美術館の機能について自分の目で見て理解を深めていきました。

東京国立博物館
東京国立博物館土偶や仏像、絵巻物に着物など、日本・東洋の文化財を展示する総合博物館
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高い天井の広い空間に、スケールの大きな仏像が立ち並ぶ展示室。東京国立博物館では、アジア各地の文化を網羅する東洋館が冒険の舞台です。ティーンズたちは、ここで彫刻を中心とした東洋の美術作品をめぐります。

ここでティーンズの鑑賞をサポートするのは、東京国立博物館学芸企画部企画課デザイン室長(当時)で展示デザイナーの木下史青さんです。木下さんは、照明で展示空間を作るプロフェッショナル。そんな展示デザインの専門家から、作品の「見せ方」についてお話を聞きました。ティーンズは、照明で表現されるミュージアムの「空間」、鑑賞の「環境」まで視野を広げて、「見せ方」から作品を捉えていきます。静けさや厳かさ、品格や表情など、光の表現で醸し出される作品の雰囲気を掴み、お気に入りの作品を展示室で探究します。

国立西洋美術館
国立西洋美術館ヨーロッパやアメリカから来たたくさんの絵や彫刻が展示される美術館
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国立西洋美術館では、美術館が所蔵している作品が展示される常設展が冒険の舞台です。ここでティーンズは、西洋の絵画と彫刻を中心に作品を鑑賞していきます。

国立西洋美術館からは、学芸員の寺島洋子さんがティーンズの鑑賞を深める案内をします。寺島さんからは、作品を楽しむためのツール「びじゅつーる」の開発をはじめ、作品と鑑賞する人をつなげるはたらきをする教育普及の仕事についてうかがいます。ティーンズは、彫刻や絵のポーズを再現できる「ロダン人形」など、「びじゅつーる」を実際に手に取ってじっくり見たりして、多様な角度から作品をみる方法を学び取り、展示室に実物の作品を見にでかけます。

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自分でよくみて、自分の言葉にしていこう

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展示室では、こどもにとっても大人にとっても驚きや発見がいっぱい。
「えっ!」と驚いたり、「きれい・・・」と見惚れるなど、
心で作品を感じとることが作品を知ることの第一歩です。

さらにそこから、自分の驚きや感動を言葉にして表現していきます。
何十種類もの作品が印刷されたアート・カードを使って感じたことを言葉にし、
自分なりの視点で主観的なストーリーを持つ練習を重ねていきます。

どんなところが魅力だったの?誰かと聞きあってみよう!

展示物を見て、新しさに触れたときの驚きや、神秘や不思議を感じたときの感動は、自分なりの視点を育むためのエッセンスです。自分自身が感じたひとつひとつの驚きや感動を、誰かと顔を合わせて聞きあったり、ウェブサイト上でやりとりしたりしながら言葉で表現していくと、つぎはその作品についてより良く言葉にしたい、もっと良く知りたいと思うようになります。そのようにして見出した言葉は、主観的なストーリーへと発展していきます。

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東京都美術館《二つのガゼルの頭がついた冠》

「対称にこの二頭からふたつあって、ふたつあってっていうバランスがいいと思いました。」

「すごい古いものなのに、こんなに鮮やかに、石なのかな?何かの色が残っていて、それはすごいと思いました。」

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東京国立博物館《菩薩交脚像》

「菩薩交脚っていって、パキスタンの仏像で、大きな足を不思議な感じで組んでて、それがあまり日本じゃないなって、おもしろいなって思いました。」

「聞き手に伝わることば」について考えよう

オーディオ・ガイドを作るためには、作品についての「客観的な説明」と「聞き手の心に伝わる主観的なストーリーのある説明」のちがいを知って、自分なりの視点で主観的なストーリーを持つことが大切です。ティーンズたちは、 “show & tell”(ショウ・アンド・テル)というプログラムを通じて、客観的な説明と主観的なストーリーの違いを理解していきます。

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“show & tell” は、説明の仕方や話し方の練習のために珍しいものや自分の自慢の持ち物を持って来て、みんなに説明する教育的な手法です。ティーンズたちは、「持ち運べる大きさの、それを見ると記憶や思い出を思い出すような大切なモノ」−本やぬいぐるみ、洋服や陶器、中には自分の歯などを美術館に持ち寄ります。持ち主がそのモノにまつわる思い出や記憶を一分ほどで話し、対話を重ねて、思い出を共有するこの過程は、モノをコンテクストで認識し、作品にキャプションをつける「ティーンズ学芸員」プログラムの作業に通じていきます。

冒険のアイテムを活用して、体験を深めよう

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気になった展示物をよくみて、感じたことをメモやスケッチするとき。
なぜだか惹かれる作品を見つけて、その作品を写真として切り取りたいとき。
そんな鑑賞の場面で、ティーンズが活用するのが様々な冒険のアイテムです。

ティーンズは、色々な種類の冒険のアイテムを使いながら、
作品をさらによく鑑賞し、深く見て、自分の中に定着させていきます。

様々なアイテムを活用して、鑑賞の体験を深めよう
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ノート
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デジタルツール
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パンフレット

冒険のアイテムは、ミュージアムの体験を記録するための「冒険ノート」や、作品を気に入った角度から撮影できるデジタルツール、展示室を俯瞰してみられるミュージアムのパンフレットと多様です。プログラムで活用されるアイテムは、ミュージアムで展示物を「見る目」を育む重要なコンテンツ。ティーンズは、こうした「よりよく見る」ためのアイテムを場面に合わせて活用し、多角的に作品を鑑賞します。

一分間作品解説づくりに挑戦!

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広く作品に出会い、その中から自分で選んだ一点をよく見て、
感じたことを自分の言葉で伝えることを繰り返します。
人に伝えることをマスターしていったところで、
いよいよ自分の声でテキストを録音する、オーディオ・ガイドづくりの本番です。

自分の声を、自分で録る練習をしてみよう!
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オーディオ・ガイド作りの本番に備えて、まずは作品選びと解説録音の練習をみんなでします。鑑賞したのは、東京都美術館の野外彫刻です。彫刻を見に行く前には、東京都美術館学芸員の稲庭さんが絵本「石と彫刻」を朗読し、「見る」ためのウォーミングアップをします。外に出たら、彫刻作品の裏側にまわってみたり、遠くから離れて見てみたり。最後には、ティーンズ一人ひとりの感想コメントをテープレコーダーに録音していきます。

オーディオ・ガイドの解説を文章にまとめてみよう
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オーディオ・ガイドの作成で重要なのは、読み上げる解説を文章にまとめていくことです。まずは、文章をまとめるために、ティーンズはグループに分かれ、作品のどんなところが気になったのかを二人組になってお互いに話してプレゼンテーションします。そうしたところで、原稿用紙に1分間に話せる300~350字の分量のガイドを文章として書きあげていきます。

書き上げたテキストを自分の声で録音しよう!
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いよいよここからが録音に向けた重要な作業です。ティーンズは、自分が書き上げたテキストを朗読して、録音に向けての実践を重ねていきます。伝わりやすい言葉の使いまわし、人が聞きやすい文章のテンポ、雑音が入らないように録音環境にも注意を払って言葉を吹き込む練習をします。録音した音声を自分で何度も聞いて確認し、改善をしながら、録音の作業を繰り返すのです。
そうして完成したオーディオ・ガイド。書いた本人が朗読したオーディオ・ガイドは、よりその人らしさが感じられ、味わい深いものになっています。

let's play
こどもたちがつくったオーディオガイドを聞いてみよう!

オーディオガイドをつくるプロセスは、発見したアイデアの原石を多面的に磨き上げ、
宝石のように輝かせるプロセスそのもの!

こどもたちがつくったオーディオガイドを聞いてみよう!

coming soon!

主催/東京都、東京都美術館・アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、東京藝術大学

共催/上野の森美術館、恩賜上野動物園、国立科学博物館、
国立国会図書館国際子ども図書館、国立西洋美術館、東京国立博物館、
東京文化会館(五十音順)

お問い合わせ:Museum Start あいうえの 運営チーム(東京都美術館×東京藝術大学)
Tel: 03-3823-6921(東京都美術館 代表番号)
Fax: 03-3823-6920
E-mail: aiueno@museum-start.info

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