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2019年度 うえのウェルカムコース

うえのウェルカムコース@伊庭靖子展(2019.8.24)
台東区立忍岡小学校放課後子供教室

8月24日(土)、台東区立忍岡小学校放課後子供教室の皆さんが、夏休みの特別企画として「うえのウェルカムコース」に参加しました。うえのウェルカムコースとは、上野公園のミュージアムの楽しみ方を知る・学ぶことができる学校向けプログラムで、授業や目的に合わせた幅広い活動を行っています。小学校1年生から5年生のこども13名、保護者12名を迎えて行われたプログラム当日の様子をお伝えします。

プログラムが始まる10時前、こどもたちが続々と集まってきました。東京都美術館のアートスタディルームに入ってきたこどもたちを、アートコミュニケータ(愛称:とびラー)が出迎えます。とびラーの皆さんは、「美術館ははじめて?」「美術館には何があると思う?」などと話しかけながら、これから一緒に活動するこどもたちとの距離を縮めていました。

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最初にMuseum Startあいうえの プログラム・オフィサーの山﨑さんから、これから鑑賞する「伊庭靖子展 まなざしのあわい」についてのお話がありました。タイトルにある”あわい”とは空気や気持ちなどの見えないもののことです。スクリーンに映る伊庭さんの作品を観て、どんな感じがするかな?などと問いかけながら、あわいについてみんなで考えました。

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そのあとは作品のアートカードを見て、自分のお気に入りの作品を探します。それぞれ作品を決めたところで、グループごとに作品のどこが気に入ったのかを紹介しあうワークを行い、自己紹介をしました。こどもたちだけでなく、一緒に参加された保護者の皆さんも、各々が気になったアートカードを手にとってとびラーとお話されていました。

 

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自己紹介が終わったグループから、展示室へ出発!

《鑑賞の流れ》
①   グループごとに展覧会全体をぐるっと一周する
②   1つの作品をじっくり見て、それぞれ気づいたことをグループ内で共有する
③   鑑賞ボックスに入っている素材を使って、感触を手掛かりに鑑賞を深める
④   指令書に書かれた指令をもとに作品を鑑賞する

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今回は、こどもチーム4つ、大人(保護者)チーム3つの計7グループに分かれて活動します。まずは、とびラ―と一緒に展示室全体を一周して、展覧会の雰囲気をつかみます。そのあとに、グループごとに異なる作品をじっくりと鑑賞します。作品の前に到着すると、とびラーがこどもたちに作品をよく見るように促します。作品を見こどもたちの顔は真剣そのもの!年齢関係なく、みんな作品としっかり向き合っていました。するととびラーが「作品を見て気になったことや気づいたことを教えてください。」と言ってこどもたちの発言を引き出します。「つるつるしている」「すけているのかな」「黒いところが気になる」次から次へと発言が飛び出します。沢山発言する子、その発言に反応する子、静かに作品を見る子、鑑賞の仕方はそれぞれです。

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グループごとに鑑賞したところで、今度はその作品に描かれているものの素材や質感を感じる手がかりとなる布や食器などを集めた鑑賞ボックスを使って鑑賞します。鑑賞ボックスの中から取り出したそれらの手触りを”指針”として作品を見ることで、伊庭さんが描いたモティーフの光や質感、空気を意識しながら鑑賞できるようになっています。さらさら、つるつる、ふわふわ、色んな感触を感じながら、作品を鑑賞しました。

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そしてそのあとは、グループの中で二手に分かれ、作品を見るときにヒントとなるいくつかの指示が書かれた「指令書」を使った鑑賞を行います。「どんな光が見える?」「深く深呼吸してみよう」など、出された指令をクリアしていきます。低学年のこどもには少し難しいワークですが、とびラーがそばにいて一緒に鑑賞してくれるので安心です。

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展示室から戻ってきたこどもたち。色鉛筆や作品シールを使って、展示室での体験を冒険ノートに残します。冒険ノートとは、ミュージアムで気づいたことや発見したことを記録するノートのことです。こどもたちは迷うことなく作業を進めていきます。誰かに伝えたいこと、書きたいことが沢山あるのかな?きっと自分のお気に入りの作品を見つけたのでしょう。みんな無我夢中でノートを書いていました。

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 「どうしてその作品が気になったのかな?」「細かいところまでよく気づいたね!」「おすすめポイントはどこ?」など、とびラーはこどもたちに話しかけながら、ノート作りをサポートします。

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この時間は、自分の感じたことや思ったことを、ノートに書いたりとびラーと話したりすることで整理する時間でもあります。一つの作品についてじっくり書く子もいれば、様々な作品について書く子、伊庭靖子展全体の雰囲気を感じ取って、その雰囲気に合わせた作品をピックアップしてまとめる子もいました。作業を始めて15分、子どもたちのオリジナルのノートができていきます。

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展示室ではこどもとわかれて活動していた保護者もノートを作ります。最初はこどものことを気にしている方もいましたが、気付けばご自身の作業に集中されていました。

こどもたちの完成した冒険ノートがこちら。

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ノート作りが終わったら、最後は机の上に完成したものを広げてみんなでノート鑑賞会です。こどもたちは大人たちが作ったノートが気になりつつも、自分が作ったノートや作品について一生懸命伝えていました。

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プログラムの最後に、山﨑さんから上野公園のミュージアムの紹介や、冒険の道具であるミュージアム・スタート・パックの使い方の説明がありました。ミュージアム・スタート・パックとは、小さなバックの中に、冒険ノートと上野公園のミュージアムの情報が載った「ビビハドトカダブック」がセットになって入っているもので、これを使うことでことでミュージアムをより楽しく活用することができます。こどもたちは、興味津々な様子で話を聞いていました。

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プログラム終了後、ほとんどの参加者が完成した冒険ノートを手にもって再び展示室に向かっていました。目を輝かせているこどもたちと、それを嬉しそうに見守る保護者の方々の姿が印象的でした。今度は親子一緒に鑑賞することで、また違った発見や気づきを得られるのではないでしょうか。このプログラムにがきっかけで、こどもたちがこれから多くの美術館に足を運んでくれると嬉しいです。


小野口優来|東京都美術館アートコミュニケーション係インターン
一橋大学大学院言語社会研究科在籍。東京都出身。美術館での鑑賞教育について研究。
皆さんと美術館で一緒に活動するのが楽しみです!

 

プログラム: うえのウェルカムコース |
投稿日: 2019年8月24日