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2019年度 スペシャル・マンデー・コース

スペシャル・マンデー・コース@伊庭靖子展 まなざしのあわい
足立区立足立入谷小学校(2019.9.17)

9月17日(火)、秋のはじまりの晴れ間のもと「スペシャル・マンデー・コース(学校向けプログラム)」が行われました。

午後は、北区立田端小学校の6年生と足立区立足立入谷小学校の5年生が来館しました。

「スペシャル・マンデー・コース」は、お休みの美術館の展示室を学校のために特別に開室する日です。普段の展示室とは違い、ゆったりとした環境の中でこどもたちが本物の作品と出会い、アート・コミュニケータ(愛称:とびラー)と共に鑑賞できるプログラムです。

 

このブログでは、足立区立足立入谷小学校の様子を紹介していきます。

 

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足立区立足立入谷小学校

(生徒38名 引率教員3名 保護者2名 とびラー10名)

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〈バス到着から美術館へ〉

貸切バスに乗って、少し早めに上野公園に到着したこどもたちは、スタッフと一緒に美術館に移動します。
今日は、3名の引率の先生と2名の保護者の方も一緒に来館しました。

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ロビー階のホワイエで班ごとに座り、始まりの挨拶を待ちます。

入谷小の5年生は、1学年1クラスで5年間過ごしてきた、とても仲の良いクラスです。
去年、足立入谷小の図工の先生だった後藤亮子先生(同時間帯に来館している田端小学校の引率)とも再会し、こどもたちも少しざわざわ、そわそわ。

 

〈全体あいさつ〉

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まず初めに、東京都美術館学芸員の河野さんから、今日の活動の流れと展示室でのお約束の確認があります。
こどもたちは、ミュージアムのルールや伊庭靖子展について事前学習をしてきていますが、学校とは雰囲気の違う美術館という場所で、改めて真剣にお話を聞いているようでした。

 

 

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今日、こどもたちと一緒に活動するとびラーさんも、引率の先生とともにこどもたちを見守ります。
河野さんのお話のあとは、グループごとにとびラーさんと自己紹介を行います。

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ホワイエで自己紹介を行うグループ。今日は聴覚障害を持つとびラーさんも一緒に活動します。
普段は出会うことのない、親でも先生でもない大人と、こどもたちはどのようにコミュニケーションするのでしょうか。

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自己紹介を済ませ、休憩エリアのガラス窓から展示室を見下ろし、これから鑑賞する空間の全体像を確認するグループもありました。
鑑賞する空間を事前に眺めることで、こどもたちに安心感や期待感を持たせます。

 

〈グループの時間〉

最初の活動は、6〜7人のグループごとに分かれて「展示室散歩」です。グループごとに15分ほどで各フロアをめぐり、展示室の全体の様子を確認します。

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「事前学習で選んだ作品はどれだろう?」

「思っていたより、作品が大きい」

 

展示室散歩のあとは、グループ鑑賞です。2作品を、グループで15分ずつ鑑賞します。

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あるグループは、床に座ってじっくりと作品を見ています。

立ったり座ったり、見る位置を変えることによって、作品の見え方・感じ方が変わります。
とびラーさんの積極的な声かけと、仲の良いクラスの特性から、活発に意見が出ているようでした。

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〈個別鑑賞の時間〉

グループで鑑賞したあとは、個別鑑賞の時間です。
こどもたちは、来館前に学校で、作品のアートカードを見ながら「お気に入りの作品」を1点選んで来ています。

自分が選んだ作品と向き合い、作品を見て感じたことを「つぶやきシート」に記入します。

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グループ鑑賞ではたくさん発言していたこどもたちも、個別鑑賞では集中して「つぶやきシート」に記入していました。

 

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作品の図を描き、感じたことを丁寧に書いています。

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静かな空間で、集中して作品と向き合っています。

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複数人で感想を見せ合っている様子も。クラスメイトが、作品を見てどのように感じているかは気になりますよね。

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先生や保護者の方も一緒に鑑賞しています。
お休みの美術館では、普段できないような角度から作品を見ることもできます。

担当の先生によると、こどもたちの発言の中には、普段使わない言葉がたくさん出ていたそうです。
例えば、あるこどもは「学芸員さん(河野さん)が言っていたあの言葉、なんだっけ…?」と、物と物の距離や空間を表す言葉「余白」を思い出そうとしていました。

「余白」という表現を使い、言い表せなかった感情を言葉にすることも、作品をきっかけにした新しい学びです。

 

〈おわりに〉

ホワイエに戻ってきたこどもたちの表情は、美術館に入ってきた時よりもいきいきとしていました。

活動の最後に、河野さんから「ミュージアム・スタート・パック」の説明があり、終わりのご挨拶です。

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事前学習のワークシートの「美術館ってどんなところ?イメージをかいてみよう」という質問に対し、こどもたちは「美術館は、静かで作品がたくさんあるところ」というイメージを持っていました。

今回実際に美術館を訪れてみて、グループの仲間やとびラーと対話してみて、こどもたちはどのように感じたのでしょうか?

作品がたくさんある静かな場所というだけではなく、作品をじっくり味わい、作品を介して人と人とのコミュニケーションが生まれる場としてのミュージアム。

これからも、「ミュージアム・スタート・パック」を活用し、上野のミュージアムに何度も足を運んでほしいと願っています。

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原 千夏|Museum Start あいうえの アシスタント

東京藝術大学大学院 美術研究科 博士後期課程在学中。先端芸術表現専攻。潜伏キリシタン遺物・白磁製マリア観音像についての調査をもとに、インスタレーションや写真作品などを発表。
参加者のみなさんのミュージアム体験がより良いものとなるよう、丁寧な準備とすばやい対応を心がけていきます。

 

プログラム: スペシャル・マンデー・コース |
投稿日: 2019年9月17日