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2019年度 オープンデイ「キュッパ・チャンネル」

オープンデイ キュッパ・チャンネル②(2019.10.5)

今回で2回目を迎えるオープンデイ「キュッパ・チャンネル」!あいうえのに初めて参加する人向けのデビュー・プログラム、これまでにあいうえのに参加した人向けのリピーター・プログラム、年間通じて参加するムービー部が実施され、計5種類ものプログラムが同時開催しました。この日だけであつまった人の数は、なんと377名!!台風が近づいていて、天気に不安をかかえていましたが、当日は最高気温が31度の真夏日になりました。それぞれが迎えた”あつい”プログラムの様子をお伝えします。

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デビュー向けプログラム
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「デビュー・プログラム」は初めて「あいうえの」のプログラムに参加するファミリー向けのプログラム。2回目となる今回は、午前と午後の2回、約70名のこどもが、展示室空間と作品をじっくり丁寧に観察する「展覧会鑑賞コース」と、東京都美術館の建築を広く深く観察する「こども建築ツアー」の2つのコースに分かれて活動を行いました。プログラム担当は、東京都美術館(以下、都美)の柿澤香穂と熊谷香寿美です。

初めに、親子そろって「Museum Start あいうえの」のこと、受付でプレゼントした「ミュージアム・スタート・パック」の使い方、今日行う冒険の内容について、スライドやビデオで紹介。その後早速各チームに分かれて活動開始です。

まずは「ミュージアムがどんなところか」を切り口に、紙芝居を使いながらこれから冒険する舞台の紹介をチームごとに行いました。

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チームごとの導入時間が終わったら、講堂を出発していよいよ冒険にでかけます。

「伊庭靖子展 まなざしのあわい」(2019年7月20日~10月9日)を訪れた「展覧会鑑賞コース」では、作品の前に座りながらゆったりと鑑賞する場面が多くみられました。

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また、本展覧会に合わせて特別に用意された「触れるツール」(陶器の破片や刺繍が施され布など)を活用することで、こどもたちの“触り経験値”を補いながら作品に描かれた光や質感、空気感についても考えました。

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一方こども建築ツアーでは、気になったところを深く掘り下げて考えるための「じろじろ虫めがね」を使って、館内の手すりや壁、床など細部に注目し、それらが何のために、そしてどんな工夫が凝らされているのかを考えました。

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こどもたちがそれぞれ冒険に出ている間、保護者の方にはガイダンスの時間も。こどもにとっては馴染みのないミュージアムでも、大人のちょっとしたサポートで、こどものミュージアム体験は記憶に残るものとなります。こどもだけでなく大人も気持ちを新たに「ミュージアム・デビュー」を考える本プログラムでは、そのちょっとした、けれども大切なコツをお伝えしました。詳しくはこちら

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冒険が終わった後は講堂に戻って、コースごとに異なる「注目作品・建築スポット」のシールやカードを使い、今日プレゼントした冒険ノートに早速オリジナルの冒険記録を作成しました。思い思いの記録が書けたら、今日の活動は終了です。

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今日の「ミュージアム・デビュー」をきっかけに、これからたくさん上野公園を冒険してくれることを楽しみにしています。

執筆|柿澤香穂(東京都美術館 アート・コミュニケーション係)

 

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リピーター・プログラム
ぼうけん部
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「ぼうけん部」は、これまで「あいうえの」に参加したことがあるこどもたちを迎え、上野公園の文化施設に出かけるリピーター・プログラムです。今回の行き先は東京国立博物館と国立科学博物館。プログラムは午前・午後の2回実施し、全体で約40組のこどもとその保護者が活動しました。

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スタート地点は都美のスタジオ。こどもたちを迎えるのは東京藝術大学の伊藤達矢さん、とびラーのみなさんです。

今回のテーマは「色のふしぎをみつけよう」。プログラムの最後に2つのチームが合同で、発見したことについて紹介し合います。

はじめに、伊藤さんから「土の色は何色ですか?」という問いかけがありました。こどもたちからは「茶色」「黄土色」などの意見が出てきます。

では実際に土の色を見てみましょう。

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こちらは栗田宏一さんの作品《SOIL LIBRARY/JAPAN》(2015)。日本各地で栗田さんが集めた365色の土が、たくさんの小さなガラス容器につまっています。「こんなにたくさんの色があるんだ!」こどもたちから驚きの声が上がりました。

土にたくさんの色があるように、ミュージアムの展示物はたくさんの色でできています。今回のプログラムでは、色に注目しながら展示物をじっくり観察し、その「不思議」や「魅力」を発見します。

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こどもたちは192色の色チップの中から「心に残っている色」を選びます。「夕焼けの色みたいできれいだから」「家族で旅行した時にみた花の色」それぞれの理由で選んだ色を、ミュージアムで探します。

色選びを終えたところで、いよいよミュージアムに出かける時間になりました。

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こどもたちは、国立科学博物館と東京国立博物館の2つのチームに分かれたら、都美を出発!それぞれの「心に残っている色」を探しに出かけます。

 

【東京国立博物館(トーハク)チーム】

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到着したこどもたちを出迎えたのは、東京国立博物館の藤田千織さんです。

「東京国立博物館は日本で最初にできた博物館。日本やアジアの文化を守ったり、伝えたりするところです。所蔵している文化財は、なんと11万9000件以上!今日は約3,500件の文化財を見ることができます。」藤田さんからトーハクについてお話を伺います。「屏風、工芸品、着物、浮世絵など、たくさんの種類の文化財が展示されていてその中に、いろんな色があることがわかります。」当時の武蔵野の風景が描かれた屏風の写真が映し出されると「ぜんぜん違う…」と、驚きの声も。藤田さんのお話に導かれるように、今日の活動場所である日本館2階の展示室へ向かいます。

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とびラーやチームみんなで話しながら作品を鑑賞したり、気になった作品の前で立ち止まりじっくり向き合いスケッチしたり。思い思いの時間を過ごしながら、冒険ノートに自分の発見を記入していきます。

【国立科学博物館(カハク)チーム】

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カハクチームがやってきたのは日本館3階の展示室<日本列島の素顔>です。日本の土・鉱石や動植物など、日本に由来する様々な自然物をじっくり観察をして、自分の心に残っている色を探します。

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「同じ石でも、見る角度を変えると色が違って見える」「この貝の赤は、夕陽のグラデーションの色みたい!」とびラーとの会話も弾みます。それぞれの発見を冒険ノートに記録していきます。

それぞれの館での活動を終えたら、都美に戻ります。

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都美での最後の活動は、発見を共有する時間です。トーハクに行ってきた子、カハクに行ってきた子が混ざり合い、それぞれ自分の発見を紹介し合いました。

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今回の活動を通して、こどもたちの冒険ノートはミュージアムでの発見でいっぱいになりました。

これからも「あいうえの」メンバーのみなさんが、自分だけのミュージアムの楽しみ方で、上野公園でのぼうけんを続けてほしいなと思います。

執筆|石倉愛美(Museum Start あいうえのアシスタント)

 

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キュッパ部
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今回の「キュッパ部」の冒険の舞台は、秋の上野恩賜公園。前日まで天候があれていたこともあって、公園には木の葉や実、枝など自然のものが豊かに落ちていました。

この日「キュッパ部」では、そんな自然豊かな上野公園をお散歩して、ものが集めるのが大好きな丸太の男の子“キュッパ”になりきり、ものをみつめて、あつめて、ならべて自分だけのミュージアム・ボックス(標本箱)をつくりました。今回のプログラムのテーマは、「キュッパのように自分の周りに広がる世界をよく観察し、誰かとまなざしを共有する楽しさを体験しよう!」です。普段見慣れた世界を新鮮な感性でみつめることがテーマです。

プログラムのはじめに、絵本「キュッパのはくぶつかん」の読み聞かせ映像を見ます。ものをみつめて、あつめて、並べるキュッパ。そんなキュッパのように好奇心や未知への興味のまなざしをもったら、どんな風に世界が見えてくるのでしょう。
絵本の読み聞かせにつづき、現代アーティスト栗田宏一さんの作品《SOIL LIBRALY/JAPAN》(2015)の土のコレクションを見ます。365色の土のコレクションは、栗田さんの観察眼のたまものです。

みつめる、あつめる、ならべることについてよく知ったら、袋をもって上野公園に出発です。「葉っぱは葉っぱでも色んな形、色をしてる」「これなんだろう!」そんな声を出し合いながら、子どもたちもその保護者も夢中になって公園の中に落ちている自然のものをみつめます。

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「袋のなかのものとものとは仲良くできそう?」そんな声をとびラーがこどもたちにかけます。「うーん、なんかちがうな」そうお子さんのひとりが答えます。みんなの笑顔がいきいきしています。

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帰ってきたら、真っ白な紙の上に、拾ってきたモノをひろげました。袋の中にはいっていては見えなかったことが見えてきます。「わたし、こんなものをあつめてきたんだ!」

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ものとものとの関係性を考えながら、次は広げたものを箱のなかに並べていきます。仲間同士を近くにおいて、ものの顔がみえるように・・・。そうして、「これだ!」と思う並べ方が決まったら「マイミュージアム・ボックス」の完成です!完成したボックスに、あつめたもののテーマを書いたラベルを張り付けて、展示台に親子で並べます。同じ場所でものをあつめたのに、並ぶボックスはとても個性豊か。それぞれの世界を共有するのもなんだかおもしろい。

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最後に、マイミュージアム・ボックスに並べたものでアルバムをつくりました。まるでキュッパのよう。キュッパになりきってすごした1日。きっと自分の周りに広がる世界がちょっとちがって見えるかもしれません。

執筆|渡邊祐子(Museum Start あいうえの プログラム・オフィサー)

 

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ムービー部
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「ムービー部」は、デビューする人もリピーターの人も参加できるプログラム。5回連続で開催するうちの2回目が、この日開催されました。

“ミュージアム・チューバー”を目指して、今回は16名の参加者が再会しました。

講師で映像作家の森内康博さんがみなさんを迎えます。

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今回は東京藝術大学の講義室が活動拠点です。久しぶりに顔を合わせるメンバー同士、朝はまだ緊張気味の様子。

森内さんより、前回制作した映像を見ての総評と、今回意識してほしいポイントが話されました。

「それぞれの映像から、自分ならではの視点がよく出ていました!

ただし、もっとクオリティを上げるには・・・」というアドバイスが。

そして、「ミュージアム・チューバー」として大事な心得って何だろう?という森内さんからの問いかけに、参加者みんなで考える時間もありました。

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これからの活動において鍵となる「ミュージアム・チューバー」としての心構えを確認したら、いよいよ今日の冒険(ロケハン)へ!

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今日の行き先は上野恩賜公園。

今回も、3つのグループに分かれました。作品グループは「人の手によって作られた、自分が作品と思うもの」を、情景グループは「消えてしまいそうな上野公園の風景」を、人間グループは「上野公園にいる人」を、それぞれ探しに出かけます。

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お昼を食べたら午後はシナリオを書く時間です。

午前中に見つけたものについて、どんな風に紹介したいかを言葉にしていきます。

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撮影:中島佑輔

 

そうしていよいよ、機材を使っての撮影タイム。

今回は、前回よりも撮影時間を倍にして行いました。

というのも、今回は「上野公園にいる人」の撮影についてはぶっつけ本番。撮影時間内に声を掛け、撮影の許可を取る、というステップを参加者自身に踏んでもらいました。

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そのために、今回は「ミュージアム・チューバー」の名刺や同意書も用意して、上野公園にいる人々に積極的にアタック!

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撮影:中島佑輔

断られてしまうという経験もしたそうですが、無事に全員が、撮影することができました。

こどもたちにとっても、この活動の理解を得るために自分の言葉で伝え、大人に声をかける経験はスリル溢れる体験となったようです。

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上3枚撮影:中島佑輔

2回目を経て、チーム力も上がったようでした。

たくさんの苦労もありましたが、本日も無事に長い1日が終了!

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最後にお迎えに来た保護者の方に、出来立ての映像を2本だけ紹介して本日の活動は終了。

“ミュージアム・チューバー”たちが制作した映像たちは、「あいうえの動画チャンネル」で公開されているので、ぜひ見てください!

執筆|鈴木智香子(Museum Start あいうえの プログラム・オフィサー)

 

 

プログラム: オープンデイ「キュッパ・チャンネル」 |
投稿日: 2019年10月5日