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2019年度 スペシャル・マンデー・コース

スペシャル・マンデー・コース@コートールド美術館展 魅惑の印象派
足立区立西新井第二小学校5年(2019.12.9)

12月9日(月)、冬のあたたかな日差しのもと、今年度最後の「スペシャル・マンデー・コース(学校向けプログラム)が行われました。

「スペシャル・マンデー・コース」は、展覧会の休室日に学校を迎え、アート・コミュニケータ(愛称:とびラー)とこどもたちが、対話をしながらじっくりと作品鑑賞を行う特別なプログラムです。

この日の午後は、足立区立西新井第二小学校の5年生67名と、引率の教員、そして保護者のみなさんが東京都美術館を訪れました。

 

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足立区立西新井第二小学校 5年生

(児童67名 引率教員4名 保護者2名 とびラー29名)

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〈バス到着・美術館へ〉

イチョウの葉が降る冬の上野公園に、足立区立西新井第二小学校の5年生が貸切バスでやってきました。

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5年生は、低学年の時に上野動物園を訪れたことがあるそうで、久しぶりの上野公園に少しそわそわしている様子です。

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東門までの道でも、走り回って元気いっぱい。

引率の先生は「美術館で落ち着いて活動できるかな…」と不安そうにしています。

 

〈最初のあいさつ〉

こどもたちが到着したホワイエには、東京藝術大学特任助手の鈴木智香子さんととびラーがずらりと並んで待っていました。

にこやかに迎えるとびラーたち。とびラーは、こどもたちの鑑賞をサポートする今日の冒険の仲間です。

親でも先生でもない大人たちと活動を共にすることにより、こどもたちは多様な価値観に出会うこととなります。

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活動の最初に、鈴木さんから、これから鑑賞する「コートールド美術館展 魅惑の印象派」(会期:2019年9月10日〜12月15日)の紹介や、今日の活動についてお話がありました。

「みなさん、展示室のルールは覚えていますか?」と尋ねる鈴木さん。

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「はい!走らない」

「大きい声で話さない」

「鉛筆を使う」

 

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学校で事前学習をしてきているので、たくさん手が挙がりました。

西新井第二小学校の5年生は、事前学習として、美術館のマナーやこれから見る作品について調べてきていました。

「スペシャル・マンデー・コース」では、当日の活動だけではなく、学校における事前学習・事後学習も重要なプロセスとして含まれています。

 

〈グループで自己紹介〉

展示室に向かう前に、今日一緒に活動するとびラーと各グループのこどもたちが自己紹介をします。

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とびラーは各グループに2〜3人つき、進行とサポートに分かれます。

それぞれが名札をかけているので、名前を呼びあいながら、場をあたためます。

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〈展示室での活動〉

展示室では、3つの活動が行われます。

 

①展示室さんぽ:空間に慣れ、どこにどんな作品があるかを把握する (15分)

②グループで作品鑑賞:グループで2作品を鑑賞 (25分)

③個別鑑賞の時間:つぶやきシートを使って、一人で気づいたことをメモしたりスケッチしたりする (30分)

 

〈展示室さんぽ〉

展示室さんぽは、各グループでロビー階から1階、2階まですべてのフロアを歩き回り、空間全体に慣れる大切な時間です。

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初めての美術館の空間に、こどもたちはわいわいと元気に話しながら、興味を持って作品を見て回っていました。

 

〈グループで鑑賞〉

展示室全体の空間を観察したあとは、グループで活動する時間です。

展示室さんぽでは落ち着きがないように見えたこどもたちが、一転して、グループでまとまり、集中してはきはきと発言をしていました。

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「この絵の中で何が起こっているか話してみて」

とびラーの投げかけにも、手を挙げてしっかりと発言する西二小の5年生たち。

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「あそこの黒い影が長く伸びているのが…」

「どこどこ?」

最初は絵から離れて見ていたこどもも、友だちの発言をきっかけに、絵に近づいていく姿も。

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「今、いい発見だね」

とびラーは、こどもたちが気づきを言葉にしやすい場づくりをします。

距離が遠いこどもには「今の〇〇さんの発言は聞こえた?」と言った投げかけをし、グループ全員でひとつの作品をじっくりと鑑賞する声かけをします。

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座ったり立ち上がったりと、作品との距離を変えながら、集中してじっくりと対話を深めていきます。

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絵の細かい部分も、アートカードなどを使って全員ですみずみまで見ることができるよう、工夫しているとびラーも。

一人の発見を全員に共有し、一体感をつくるのも、とびラーの役割です。

 

〈個別鑑賞の時間〉

グループの活動のあとは、一人で鑑賞する時間です。

お気に入りの作品を2点選び、気づいたことや感じたことを「つぶやきシート」に書き込みます。

グループ活動の際に、たくさんの発見を言葉にしているので、すぐにもくもくと書き始めるこどもたち。

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エドガー・ドガの絵画作品《舞台上の二人の踊り子》の前で、同じポーズをとっていたこどもたちは、つぶやきシートに立体的なデッサンをしていました。

この作品の隣には、同じくドガが作った《踊り始めようとする踊り子》というブロンズの彫刻作品があるので、絵と立体を比べることでどのように作品が描かれたかをイメージすることができます。

 

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広々とした静かな空間の中で、一人一人がゆったりと作品と向き合うことができるのもこのプログラムの大きな特徴です。

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もっと見たい、書きたいと、集合時間ギリギリまで絵の前にいるこどももいたほど。

対話の時間と、一人で集中して書く時間のバランスが、心地よい鑑賞の空間を生み出していました。

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〈おわりのあいさつ〉

充実した表情で展示室から戻ってきた子どもたちの椅子に置かれていたのは、「ミュージアム・スタート・パック」。

ミュージアム・スタート・パックの中には、上野公園にある9つの文化施設の楽しみ方が書かれた「ビビハドトカダブック」と、ミュージアムでの体験を記録するための「冒険ノート」が入っています。

鈴木さんから最後に、「ミュージアム・スタート・パック」の使い方を伝授してもらう時間がありました。

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開いてみたり、パックを肩にかけたり、もう待ちきれずに、本の表紙に書かれた「ビビハドトカダブ!」と叫んでいる子どももいました。

 

当日の活動はこれで終わりですが、こどもたちはどのような感想を持ったのでしょうか。

「つぶやきシート」にびっしりと書かれた文字が、今日の体験の豊かさを示しているようでした。

 

当日書いた「つぶやきシート」やこの日に配った冒険ノートは、後日学校で事後学習に使われます。こどもたちからどんなノートが送られてくるか、とびラーもスタッフも、わくわくしながら待っています。

 

今日のスペシャル・マンデー・コースをきっかけに、美術館がより身近な場所になり、こどもたちが何度も上野公園足を運んでくれるようになったらいいな、という思いで活動しています。

 


 

原 千夏|Museum Start あいうえの アシスタント

武蔵野美術大学 芸術文化学科卒業。現在は、東京藝術大学大学院 美術研究科 博士後期課程(先端芸術表現専攻)に在籍。潜伏キリシタン遺物・白磁製マリア観音像についての調査をもとに、インスタレーションや写真作品などを発表。

参加者のみなさんのミュージアム体験がより良いものとなるよう、丁寧な準備とすばやい対応を心がけていきます。

 

プログラム: スペシャル・マンデー・コース |
投稿日: 2019年12月9日