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2019年度 うえのウェルカムコース

うえのウェルカムコース@こどもへのまなざし展(2019.12.24)
私立八千代松陰中学・高等学校

2019年12月24日(土)、学校向けプログラム「うえのウェルカムコース」に私立八千代松陰中学・高等学校 美術部の生徒たちが参加しました。中学生、高校生あわせて16名が冬休みの部活動の一環で来館し、東京都美術館(以下、都美)で開催中(〜2020年1月5日)の上野アーティストプロジェクト2019「子どもへのまなざし」展を鑑賞しました。
都美のアートスタディルームに集まってきた生徒たちを、アート・コミュニケータ(愛称:とびラー)とスタッフで迎えました。

 

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とびラーは親でも先生でもないフラットな立場の大人として、生徒たちと活動を共にします。活動全体を通して生徒たちの発見や気づきに耳を傾け、対話を通した作品鑑賞の伴走をします。

 

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活動の初めに、上野公園や展覧会のことなどについて、Museum Start あいうえのプログラム・オフィサーの山﨑日希さんからお話がありました。上野公園には東京都美術館をはじめ、沢山の文化施設があります。美術館を訪れたことがある生徒も多いようで、「上野公園に来たことがある人!」の問いかけに、ほとんどの生徒が手を挙げていました。
今回鑑賞する「子どもへのまなざし展には、現代作家が描いた、こどもをテーマとした作品が展示されています。今回参加した中高生と同年代の人物が描かれた作品も多いため、生徒たちはそれらを鑑賞して何かしら感じることがあるかもしれません。

 

 

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その後グループごとに分かれて自己紹介をしました。生徒たちととびラーは、展覧会の図録から作成した6枚の「アートカード」の中から、事前に選んだ気になる作品を紹介し合いました。それぞれ選んだ作品について「黒い背景に描かれているお花がきれい。」「形が変わっていて気になった。」「実際はどんな感じなのかな。」と本物への期待が膨らみます。

 

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準備ができたグループから展覧会へ出発します。
展示室での活動は3つのステップで進みました。

 

1.展示室散歩
2.グループで作品を見る
3.ひとりで作品を見る

 

学校プログラムでは、作品をじっくり鑑賞する前に、展示室をゆっくり一周して、全体の空間や雰囲気を味わいます。この展示室散歩では、これから活動する場所がどんなところなのか、自分が選んだ作品はどこにあるのか等を確認しながら、作品との距離を縮めていきます。

 

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ある程度一周したら、今度はグループ鑑賞の時間に入ります。この時間は、展覧会の作品から2作品を取り上げてグループで鑑賞します。一つの作品について皆で考え、意見を共有して鑑賞を深めていきました。とびラーが「この作品の中では何が起こっている?」「どうしてそう思ったのかな?」と声掛けをして、こどもたちの発言を引き出します。

 

「作品全体から、幸せな空気を感じる。」
「お母さんの表情から、優しさが伝わってくる。」
「輪郭線が黒ではなくえんじ色で描かれていて、やわらかい感じがする。」

 

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「右側は手が沢山描かれていて、不安を表しているような感じがした。/ それは欲望を抑えているのだろうか。」
「背景に描かれているビル郡が崩れかけている。ビルが現実を表しているのだろうか。現実と非現実の対比を表していると思った。」
「中央に描かれている数字は?コンピュータの二進法なのか?でもアルファベットのAも描かれているから、十六進法?いづれにしても、デジタル社会を表している。」

 

最初はなかなか言葉が出てこなかった生徒も、次第に自分の考えを話すようになっていました。美術部の生徒たちということもあり、作品の主題や描かれているものだけでなく、技法や色彩など美術部ならではの視点からの気づきもあったようです。他にも高校生ならではの“二進法”など、学校での学びとリンクしている発言もあり、話が盛り上がっていました。

 

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グループで作品を鑑賞したあとは、個別鑑賞の時間です。生徒たちが事前に選んだ作品や、展示室散歩のときにそれぞれ気になった作品と一対一で向き合い、作品をじっくり鑑賞します。

 

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作品を見て気づいたこと等を書き込む「つぶやきシート」に、生徒たちはびっしりと記録を残していました。さすが美術部、文字と一緒に絵や図も描いていました。事前にチラシで見て気になっていた作品も、実際に見てみると大きさや色、描かれているものが想像していたものとは違っていたようで、個別鑑賞の時間に様々な発見があったようです。

 

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鑑賞を終えた生徒たちはアートスタディルームに戻ると、とびラーから「ミュージアム・スタート・パック(以下、MSパック)」がプレゼントされました。
(MSパックは、Museum Start あいうえのプログラム参加者にプレゼントされる、上野公園9つのミュージアムをより楽しむためのアシストツールです。詳しくはこちら→)
MSパックの中にある「冒険ノート」を使い、作品から感じたこと、発見したことなどを記録にまとめました。

 

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30分という限られた時間の中で、展覧会チラシや色鉛筆などを使って、とても素敵なノートを作っていました。生徒たちによる書いた冒険ノートはこちら。

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冒険ノート作りのあとは、テーブルの上にノートを並べてノート鑑賞会を行いました。同じ作品について書いていても、それぞれ注目した視点やまとめ方が異なっていて、生徒さんたちもとても楽しそうにノートを見ていました。

 

プログラムの最後に山﨑さんから、上野のミュージアムを楽しむためのヒントが詰まったMSパックの使い方の説明がありました。MSパックは、上述した冒険ノートと、上野公園のミュージアムの情報が載っている「ビビハドトカダブ」がセットになったものです。中学生も高校生も、興味津々な様子で説明を聞いていました。
プログラムの前と後では、生徒たちの表情が明らかに違っていました。はじめは引っ込み思案だった生徒も、キラキラした目で作品のことを話していて、中にはプログラム終了後にもう一度展示室に向かう生徒もいました。
この日の活動はこれで終了ですが、この日があいうえのでの「ミュージアム・スタート」です。これから何度でも上野公園に足を運んで、新しい発見をしてほしいと思います。

 

 

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この日の活動に、グループのサポートとして参加させていただき、「子どもへのまなざし」展がもっと好きになりました。一人で鑑賞するのも良いですが、このプログラムのように、他の人と一緒に作品を鑑賞し、考えることで、また違った気づきや学びが得られるのだと感じました。この経験をきっかけとして、今後生徒さんたちが美術館での新たな鑑賞の楽しみを見つけてくれると嬉しいです。

 


小野口優来|東京都美術館アートコミュニケーション係インターン

一橋大学大学院言語社会研究科在籍。東京都出身。美術館での鑑賞教育について研究。
皆さんと美術館で一緒に活動するのが楽しみです!

プログラム: うえのウェルカムコース |
投稿日: 2019年12月24日