オープンデイ キュッパ・チャンネル④(2019.12.15)
〈リピーター・プログラム:ぼうけん部〉
2019年12月15日(日)、冬の気配が感じられる上野公園で、ファミリー向けプログラム「オープンデイ キュッパ・チャンネル」が開催されました。
撮影:中島佑輔(左上以外写真3点)
「キュッパ・チャンネル」は、ものを集めるのが大好きな丸太の男の子”キュッパ”のように、いろいろなものにアンテナを張って、好きなものを見つけて集めることができる、スペシャルな1日です。
この日は全部で4つのプログラムが同時開催!総勢約300名の参加者と、40名のアート・コミュニケータが、こどもも大人もそれぞれのチャンネルに合わせて、上野公園のミュージアムを楽しみました。
それぞれのプログラムの様子はこちらから!
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リピーター・プログラム
ぼうけん部
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「ぼうけん部」は、これまで「Museum Start あいうえの」に参加したことがあるこどもたちを迎え、上野公園の文化施設に出かけるリピーター・プログラムです。
今回の行き先は国立国会図書館国際子ども図書館(以下、国際子ども図書館)と東京文化会館(以下、文化会館)。
午前・午後の2回開催で、合計40組のこどもとその保護者、8名のアート・コミュニケータ(とびラー)が活動しました。プログラムを担当したのは、Museum Start あいうえのプログラム・オフィサーの山﨑日希です。
「ミュージアム・スタート・パックは持ってきた?」
「久しぶり!去年のプログラムで一緒だったね」
青色のバンダナを着けたとびラーが、続々と集合したこどもたちを迎えます。
この日のテーマは「形を探すけんちく探検」。2つのチームに分かれ、国際子ども図書館と文化会館にそれぞれ出かけて行き、いろいろな形を発見しながら、その「不思議」や「魅力」を見つけます。最後は見つけた形を使って自分だけの「けんちく」を作ります。
「けんちくの形ってなんだろう?」プログラムは、そんな問いかけから始まります。活動の拠点となっている東京都美術館の外壁に使われている本物の“タイル”を手にとって、そのものの「形」や「素材感」について考えます。
「触るとザラザラしてる」
「四角く見えるけど、角のところは少し丸いね」
「たくさん集まると重そう!」
素材に触れることで、見ることへのワクワク感が高まります。
「これから行くミュージアムには、こんな形があるんだよ。気になるもの、見てみたいものを教えてください!」
とびラーからの声かけで、チームみんなで気になる形を紹介し合います。
準備ができたらいよいよ出発です!
【文化会館チーム】
「東京文化会館へようこそ。この建物は、前川國男さんという建築家がデザインした建築です。」
こどもたちを出迎えたのは、東京文化会館の氷室さん。
建物の写真を使って、文化会館の魅力をお話ししてくれました。
「色や形に建築家のこだわりがたくさん詰まっているので、じっくり観察して色々探してみてくださいね!」
どうしてこの形なのかな?よく見て、触れて、建築の中にある様々な形や素材を観察しながら、形の不思議について考えます。
【国際子ども図書館チーム】
国際子ども図書館チームを出迎えたのは、山上慶さんです。
「みんながいるこの建物は、実は100年以上前に建てられた建物です。そこに、新しい建物を足したり、中をきれいに修理したりして、今もこうして図書館として使っています。」
100年という建物の歴史にこどもたちは興味津々。
「同じ白でも、触った感じが違うよ。傷が多い方が古いんじゃないかな?」
ひとつひとつのレンガやタイルに触れながら違いを観察します。
近づいたり、離れたり、見上げてみたり、山上さんに教わった形探しのヒントを思い出しながら、建物を探検します。
発見を冒険ノートに記録したら、再び東京都美術館に集合!
「ミュージアムでいろいろな形と出会えたかな?次はオリジナルのけんちくを作ります!」
“けんちく作り”という言葉にこどもたちの表情が変わります。それぞれが発見した形や素材をコラージュして、新しいけんちくを作ります。
建物の写真や色紙などの素材から、けんちく作りの材料を選びます。
「2つの素材を組み合わせたら遺跡みたいだ」
「この形は作品みたいだから壁に飾ってみよう」
「この窓からは何が見えるかな?」
大人もこどもも真剣です。
最後は、完成した作品をみんなで見て回りました。ミュージアムで見たもの、感じたことをきっかけに、世界に一つの“けんちく”の出来上がり。
「形を探そう」をキーワードに、文化会館と国際子ども図書館という、2つの文化施設を「知って、見て、作る」活動3つのステップで進んだこの日のプログラム。出来上がった作品は、それぞれの発見に基づいた個性にあふれたものでした。
普段とは違うミュージアムとの出会いをきっかけに、これかも発見にあふれた冒険を続けて欲しいと思っています。
執筆|山﨑日希(Museum Start あいうえのプログラム・オフィサー)
撮影|中島佑輔(*が付いている写真は運営チームにより撮影)
投稿日: 2019年12月15日