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2019年度 ミュージアム・トリップ

ミュージアム・トリップ:市民ボランティア団体 きらきら星ネット(2019.11.10)

2019年11月10日(日)、Museum Start あいうえのダイバーシティ・プログラム「ミュージアム・トリップ」が東京都美術館で行われました。

「ミュージアム・トリップ」プログラムは、さまざまな状況にあるこどもたちにミュージアム・デビューの機会をつくるプログラムです。こどもたちの学習を支援している団体や児童養護施設、海外にツールを持つこどもたちを支援する団体など、各分野の専門機関と連携して実施しています。本年度2回目の実施となる「ミュージアム・トリップ」では、都内にある市民ボランティア団体「きらきら星ネット」と連携をして、活動を行いました。

参加してくれたのは、9名のこどもたち。そのうち3組は、ファミリーで参加をしてくれました。参加者の活動に寄りそうアート・コミュニケータ(以下、とびラー)9名は、とびらプロジェクトの「アクセス実践講座」を受講し、事前に連携する市民団体のスタッフの方たちから話を聞き、こどもたちのことをよりよく知り当日を迎えました。

【あいさつ】
活動のはじまりは、上野公園にある東京都美術館の正門前です。ここで、プログラムにやってきたこどもたちとその保護者をとびラーが迎えます。
「おはようございます!」とあいさつをしたら、みんなで館内のアートスタディルームに移動します。

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アートスタディルームに並ぶのは、色とりどりの ”色チップ”。「これはなに?」とこどもたちも興味津々です。

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4つのグループに分かれて座席に座り、名前シールを胸にはって、身支度を整えます。落ち着いたところで、それぞれのテーブルの上に並ぶ色とりどりのチップの中から、自分が好きな色や今日の気分の色を1つ選んで、選んだ理由と一緒にその日に呼ばれたい名前をグループのお友達に紹介しました。”色” を使ったユニークな自己紹介です。

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「今日はコートールド美術館展(正式名称:「コートールド美術館展 魅惑の印象派」)にでかけて、作品の ”色” をよく見てみます!」

「今日みんながみる作品はイギリスという国からはるばる東京にやってきました」「美術館の展示室のなかを、とびラーと一緒に旅する気分で冒険して見ましょう」とプログラム・オフィサーの渡邊から今日の説明をしました。この日は、展示室を冒険してお気に入りの色がある作品を1点見つけることが、こどもたちの活動の目標です。

展示室へ行く気分が高まったところで、作品を印刷した ”アートカード” をグループごとに見て、本物の作品に出会う期待感をさらに高めていきます。じっくりと作品を見ると、一瞬見ただけでは気がつかない色があることに気がつきます。じっくり絵を鑑賞することの面白さを、こどもたちが少しずつ感じていき、作品を見るための心の準備ができたところで、展示室に出発です。

【コートールド美術館展へ!】
展示室についたら、まずはじめにグループのみんなで展示会場全体を散歩します。

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展示室を自分の足で歩いて、美術館の非日常的な空間やコレクション全体の雰囲気を感じていく時間です。そうして、ぐるっと展示室内を探索し、身体が慣れてきたところで、グループごとの作品鑑賞の時間に入っていきます。

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とびラーのファシリテーションのもと、こどもたちや保護者たちが作品を鑑賞していきます。作品や作品の色を見て感じたこと、気がついたことを言葉にして、さらに作品を深くじっくり見るための対話をつむいでいきます。グループでの鑑賞は、自分だけではなく、自分以外のだれかの発見に耳を傾ける大切な時間です。

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グループで作品をみること、作品について対話することになれたら、つぎにそれぞれひとりずつ見る時間に移っていきます。この時間は、作品とこどもが一対一の対話をする時間です。クリップボードにはさんだ「冒険ノート」に、気がついたことや感じたことを書き込んでいきます。とびラーは適度な距離でこどもの活動を見守ったり、必要に応じて一緒に対話をしたりしながら、こどもたちの活動に伴走をします。

どうしてこの作品がお気に入りなの?

いろんな色の緑があって、明るい気分になるから!

こどもととびラーが作品を介してコミュニケーションをとっていきます。

「あれがいい!」とすぐに選んだ作品だけをじっくりみるこどももいれば、気にいる作品を探し回りながら展示室をめぐるこどももいます。それぞれが、自分なりのミュージアムの時間を過ごせるのもひとりで鑑賞する時間の特徴です。こどもたちは40分ほど展示室に滞在し、作品に親しんでいました。

【作品の色を探してみよう!】

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作品の鑑賞を終えたこどもたちは、アートスタディルームに戻り、お気に入りの作品の中にある色を探す活動に入ります。お気に入りの作品が印刷されたカードを手に持って、作品と照らし合わせながら色チップを6色選んでいきます。ここでは、色の微妙なちがいを見分けるのがポイント。50色以上の色チップから、作品の中の色を一生懸命に抽出していきます。おとなたちも楽しそうに色を選び出しています。

【選んだ色で特製缶バッジをつくろう】

選んだ色チップから、ひとつの缶バッジを作っていきます。

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自分が選んだひし形の色チップを台紙に並べてみます。「並べ方によって印象が変わるので、どの色の横にどの色を置くかを考えてみようね」というアナウンスにそって、こどもたちが色の並べ方を考えていきます。年齢の小さなこどもたちは、とびラーと一緒に実際に色を並べかえながら一番ぴったりとくる順番を考えていきます。とびラーも真剣な表情です。

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最後は、チップをノリで台紙に貼って、丸く切り抜き、缶バッジマシーンでプレスしたら、世界でひとつだけのオリジナル缶バッジの完成です!記念の缶バッジを胸につけるこどもも。

ひとつひとつのバッジは、作品の色のエッセンスを抜き出したもの。こどもたちの手のひらにおさまるこの丸いバッジの中には、作品の大切な部分とこどもたちの思い出がぎゅっと詰まっています。缶バッジはみんなが今日、東京都美術館で活動をした ”冒険の証” となりました。

【今日1日をふりかえる:冒険の記録づくり】

活動の終わりに、「ミュージアム・スタート・パック」の中に入っていた「冒険ノート」を完成させていきます。

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コートールド美術館展で見つけたお気に入りの作品をページにはったり、作品をスケッチしたりして、真っ白だったページがこどもたちの見た世界で彩られていきます。今日の活動の記念にみんなで集合写真を撮ったら、今日の活動は終了です。帰り際は少し寂しくなってしまったようで、今日見た展示について、まだ話足りていないことをとびラーとぽつぽつ話している姿が印象的でした。

後日談では、美術館で活動が終わったあとに、参加者の保護者の方からいただいたメッセージをとびラーと読み、わたしたちのこころも温まりました。こどもたちとその保護者のみなさまにとって、東京都美術館で過ごしたひとときがいいものであればと願っています。また、みんなに上野公園で再会できる日を楽しみにしています!

執筆|Museum Start あいうえのプログラム・オフィサー 渡邊祐子

プログラム: ミュージアム・トリップ |
投稿日: 2019年11月10日