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2015(平成27)年度 スペシャル・マンデー・コース

スペシャル・マンデー・コース(2015.9.14)

2015年度初めてのスペシャル・マンデーコースが9月14日(月)に行われました。
小平市立第十二小学校5年生、荒川区立第九峡田小学校の5・6年生、そして東京ネットウェイブの高校生のみなさんが東京都美術館で開催中の展覧会を訪れました。

「スペシャル・マンデー・コース」とは、普段は閉室している月曜日の展示室を、学校の授業で来館するこども達だけのために特別に開室するプログラムです。今回訪れるのは「キュッパのびじゅつかん -みつめて、あつめて、しらべて、ならべて」展。

どんなプログラムが行われたのか、各学校の様子についてご紹介します!

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★小平市立第十二小学校 5年生73名
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まず朝早くに学校を出発し、午前中に到着したのが小平市立第十二小学校5年生のみなさん。
貸切バスで到着しました。スペシャル・マンデー・コースでは、学校と美術館を直接送迎する貸切バスを利用することができます。
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スタッフが上野公園の入り口でお出迎えします。
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美術館に到着するとクラスごとに集まってごあいさつ。
今日の活動について、それぞれ東京都美術館学芸員の熊谷さんと、東京藝術大学美術学部特任助手の鈴木智香子さんより説明がありました。
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東京都美術館に来たことがある人〜?
と聞くと、ほぼ全員が元気よく手を挙げてくれました。
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これから見に行く展覧会は「キュッパのびじゅつかん」展。この展覧会は、ノルウェーの絵本「キュッパのはくぶつかん」に登場する丸太の男の子・キュッパが森の中で拾って集めたもので博物館を開くお話にもとづいています。
みんなもコレクションをしたことあるかな?
石、蝉の抜け殻、貝殻、カードやボールなど。。。
集めているとき、どんな気持ちになったかな?
その時の気持ちを思い出してもらいたくて、まずは絵本のストーリーを映像にしたものを見ます。
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みんなもキュッパの気分になったところで、いよいよキュッパ展を鑑賞します。

そのときに一緒にみてまわるのはとびラー(アート・コミュニケータ)さん。とびラーさんは東京都美術館でさまざまな活動をしているおとなたちです。今回はこどもたち4〜5人に対して、とびラーが1〜2人という小さな単位でグループになってもらいました。
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それぞれのグループとびラーと自己紹介をしたら、展示室へ。
最初に、<キュッパの部屋へようこそ>。キュッパみたいに実際に「もの」を集めた大人たちが実際にいて、それによってできあがったミュージアムのコレクションを紹介しています。
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きのこだけのコレクションや、色とりどりのタイル、立派なお重のような箱に入った貝がらたちに、昔の玩具まで。これらはみんな、ミュージアムのコレクションです。そう、ものをたくさん集めて、よく調べて、分類して並べるやり方が、ミュージアムのはじまりになるのです。

もう一組は別の展示室から見ました。ひっそりと暗いお部屋。机の上にはたくさんの石が並んでいます。小山田徹さんというアーティストが集めた石たちです。ここでは、その石を思い思いに触ったり観察したりします。
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他にも、日比野克彦さんの《ソコソコ想像所-上野の杜出張所》という作品もあります。とびラーさんと、「ここにあるものはどんなものだろう?」と一緒に観察しながら見つめています。
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ものをよく「見る」体験をした後は、いよいよ自分たちでつくる番。目の前に広がるのは《bigdatana –たなはもののすみか》です。
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棚の前には1,000個以上の「もの」が置いてあります。ひとりひとり箱を持ち、「もの」を見つめ、仲間を選びながら、箱の中に並べて自分だけの「標本箱」を作ります。

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とびラーさんたちや会場にいるググランさんたちにも相談しながら、集めたものたちをよく見つめ直します。
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標本箱ができあがったら、グループ内で共有します。
「どんな仲間を集めたの?」
「え、そんなものがあったんだ。」
それぞれ見つめるものも、選ぶものもちがい、視点が異なることを発見します。
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最後にbigdatanaに収めます。
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展示室をひと通りめぐったら、今度はひとりになる時間です。
みんなで話しながら見る時間も良いけれど、ひとりで過ごす時間もとても大切。一人一人ボードを持って、「もう一度見たいもの」を見つけに展示室をめぐります。気になったこと・発見したことをメモやスケッチで「つぶやきシート」に書いてくれています。
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最後にホワイエに全員集合をしたら、「ビビハドトカダブック」をプレゼント!
上野公園のマップの中には、ひみつの呪文も書かれています。具体的な使い方も伝授します。
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そして最後にとびラーのみなさんにお別れを言って、今日の活動はおしまいです。
これからは、この冒険の道具を持って、上野公園のミュージアムに出かけて、今日体験したような〈自分だけの不思議〉に出会いに行ってほしいと思います。

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★荒川区立第九峡田小学校 5・6年生63名
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午後には近隣の荒川区立第九峡田小学校のみなさんが来てくれました。東京都の路線バスを貸切にして、ゆったり移動できたそうです。
学年ごとにホワイエやアートスタディールームに集まって、それぞれごあいさつです。
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今日の活動の説明とともに、これから見に行く展覧会をご紹介。
実はすでに事前授業で絵本やウェブサイトを学校の先生より紹介してもらっていました。第九峡田小のみなさんは、キュッパ展の会場写真や、特設サイトも見てきたそう。どうやら、絵画作品が壁に飾ってある美術館の様子とは違うようだということをうすうす感じているみたいです。
スペシャル・マンデーコースでは学校の先生に展覧会ごとの「鑑賞BOX」を貸し出し、事前授業の内容を一緒に考えます。
まずはもう一度、絵本のストーリーを映像にしたものを見て思い出してもらいます。
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どんなお話だった?と聞くと、「丸太の男の子のキュッパが拾って集めたもので博物館を開いて、うまくいかなくなったので止めて、図録を作り、最後は美術館を作ることになりそうなお話しです」と素晴らしい回答をしてくれました!そう、この展覧会は「キュッパのはくぶつかん」で登場するキュッパみたいな人たちの作品やコレクションが展示されています。
きのこの標本やお面、土のコレクションに大きな棚、いったいどんな展覧会なんだろう?

想像をふくらませたところで、いよいよ鑑賞しに行きます。でもその前に。
展示室でのルールとお願いごとを確認します。
さわらない・静かに話す・静かに歩く・ものを書くときは鉛筆で。
展示室のものは何十年前のものもあります。それをまた何十年後も見られるようにするために、みんなで大切に守ってほしい、これは美術館からの大切なお願いです。これも事前学習の効果のおかげで、みなさんしっかり答えてくれました。

今日はグループ活動なので、それぞれのグループとびラーと自己紹介をしたら、展示室へ。
最初に、<キュッパの部屋へようこそ>。キュッパみたいにものを集めた大人たちが実際にいて、そのコレクションを紹介しています。

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キノコだけのコレクションや、色とりどりのタイル、なんだか不思議な大工道具まで。
これはいったい何に使うのだろう・・・?みんなで一緒にいろいろなモノを眺めては、考えます。

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こんな仕掛けも!

別の展示室から見はじめたクラスもいます。ひっそりと暗いお部屋の中、机の上にはたくさんの石が並んでいます。
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小山田徹さんというアーティストが集めた石たちです。スコープをのぞいてみると・・・「あれ、ちょっとずつ違う!」
同じ種類のものをいくつもならべてみると、初めてその違いに気づくことができます。小山田さんから、「みんなはどう思う?」ということを、お部屋の作品を通して問いかけられているようです。

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じっくり「もの」を見つめる体験をしたあと、今度は自分たちの「標本箱」をつくる活動です。目の前に広がるのは《bigdatana –たなはもののすみか》。
棚の前に広がる1,000個以上のものの中から「なかま」を選び、分類をしながら箱に並べます。
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標本箱ができあがったら、グループ内で共有します。
「きれいな物」「ザ糸」「工場っぽいもの大集合」「カップに入れたキラキラ」「まるい物ブラザーズ」など、テーマの名前にもひと工夫。お互いに見つけてきたもの、工夫したことを紹介し合います。

出来上がった標本箱はこのような感じです。
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今度は展示室で、ひとりになってみます。
一人ずつ「つぶやきシート」が付いたボードを持って、「もう一度見たいもの」を見つけに展示室をめぐります。気になったこと・発見したことをメモやスケッチで書いてもらいました。
その時に書いてくれた「つぶやき」がこちら。
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そうして最後に「ビビハドトカダブック」が全員にプレゼントされました。
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担任の先生も夏休みの間にバッジを集めこどもたちに紹介してくれたという「ミュージアム・スタート・パック」を、みんなとても楽しみにしてくれていたそうです。
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東京藝術大学美術学部特任助手の鈴木智香子さんから、上野公園にある9つのミュージアムを紹介され、そのミュージアムの「ビビットポイント」で唱えるバッジをもらうための秘密の呪文を教えてもらいます。みんなで一斉に声に出して練習してみました。

これからも上野公園をはじめミュージアムで、たくさんの発見や不思議に出会ったときに、この「キュッパのびじゅつかん」展で体験したことを思い出してほしいなと思います。

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★東京ネットウェイブ 高校1年生16名
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午後に訪れてくれたもう1つの生徒たちは、高校生のみなさんです。

普段、イラストやアニメーションの勉強をしながら学校に通っているクラスのみなさん。いろんな美術館にも行ったことがあるなかで、今回見る「キュッパのびじゅつかん」展をとても楽しみにしていたそうです。

みんなをお迎えする準備。

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到着したところで、最初のご挨拶です。

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キュッパ展を担当した東京都美術館・学芸員の稲庭彩和子さんより、この展覧会がどのようにして作られたのか自分のお仕事についてお話ししてもらいました。

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これからグループごとになって、いよいよ展示室へ移動します。
一緒に活動してくれるとびラーとご挨拶です。
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最初の展示室は、「キュッパの部屋へようこそ」。
まさに『キュッパのはくぶつかん』の原作者オーシル・カンスタ・ヨンセンさんのお部屋を模したような空間に興味津々。

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こちらの色とりどりのコレクションは栗田宏一さんの作品。
なんと日本の各地域から取って来た土の色のコレクションです。

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とびラーと一緒に、会場をぐるっと見て回るうちに、少しずつ打ち解けてきた様子。

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様々なコレクションの展示を抜けると、天井高い空間に広がるのは「bigdatana – たなはもののすみか」。
今度は一人ずつの活動で、「標本箱づくり」を体験してもらいました。

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1,000個以上のものたちを前に、少し戸惑う高校生たち。
普段の生活の中で、「自分が気になるもの」についてはあまり考えないからいざ「選ぶ」作業となると、難しいようです。

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それでも、じっくり1つ1つのものを見つめ、時間をかけていくうちに「なかま」を選び始めました。できあがった標本箱の様子はこちら。

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そして再びグループごとに集合し、それぞれが作った標本箱について共有しました。
お互いが選んだもの、分類の仕方や好みなどを話し合っているうちに、普段は知らない部分を知っていくようでさらに打ち解け合っているみたいでした。

さらに高校生のみなさんは特別に、bigdatanaに昇れることに。
檜でできた木の特設階段をのぼってゆきます。

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中には、作者の日比野克彦さんがつくった標本箱や、ワークショップでできあがったものも。自分たちが作ったもの以外の標本箱を見ながら、会話も弾みます。

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階段の上へ上がると、その他の展示室へ。
さっきまで、みんなも色々なものを見ていたので目が「見る」モードになってきた様子。さらに興味をもって「見る」きっかけがあったり、またとびラーとの関係性によって少しずつ安心しはじめたりしてきたところで、集中力も高まってきます。

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全部の展示を見終えたところで、稲庭さんから再び展覧会の仕事についてのお話が。展覧会を作るにあたり今見て来た作品群の展示だけではなく、キュレーターによる「編集」やデザイナーによるポスター・図録の印刷物づくりなど、様々な人の手による仕事が関わっていることを話してくださいました。

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高校生のみなさんにとって、今回の機会は「展覧会を楽しむ」だけではなく、それが作られている背景についてやとびラーとの出会いを通して、また特別な体験となったなら、ということを先生から伝えていただきました。ミュージアムがさらに身近な場所となってくれて、また『ビビハドトカダブック』を持って上野公園に戻って来てくれたなら嬉しいです。

プログラム: スペシャル・マンデー・コース |
投稿日: 2015年9月14日