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2016(平成28)年度 うえの!ふしぎ発見

うえの!ふしぎ発見:アニマル部 (2016.9.4)

9月4日(日)、あいうえのファミリー向けプログラム「うえの!ふしぎ発見:アニマル部」が行われました。これは上野公園の3つの文化施設(恩賜上野動物園、東京都美術館、東京藝術大学)が連携して実施するプログラムです。動物園の飼育員、美術館の学芸員、大学の教員が共にプランニングし、小学生とその保護者計26名の参加者と、参加者に伴走するとびらプロジェクトのアート・コミュニケータ(とびラー)13名が共に活動しました。

プログラムは午前・午後にわたって行われ、
はじめに、東京都美術館で動物をモチーフにした彫刻作品を‘観察’(鑑賞)し、
次に、恩賜上野動物園でホンモノの動物を観察。
その後、先の彫刻作品と同じ素材のくすの木の固まりに、想像上の「自分をまもってくれる動物」を描いてみる、という活動でした。

《1. はじめに》
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東京都美術館のアートスタディルームに到着した参加者をとびラーが迎えます。こどもと保護者は別々に活動するので、受付を済ませると、こどもはこども、大人は大人。とびラーに促され、動物カードから「自分の好きな動物」を1つ選びます。

そしてワークショップがスタート。
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今日は参加者5名+とびラー2-3名の小グループにわかれて活動します。活動前に各グループで先程選んだ動物カードを使った自己紹介。自分の名前を言うだけでなく、選んだカードを見せながら、「好きな動物は◯◯です、なぜなら〜・・・」と、思い思いの一言を加えました。

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自己紹介が終わると、あいうえのプログラムオフィサーが全体の流れについて話します。活動場所が美術館→動物園→美術館と展開することや、今日は、美術館の作品の「観察」と、動物園の動物の「観察」と、二つの観察を行うこと、また、最終的には守護神のような「自分を守ってくれる動物」を想像して木のかたまりに描くことなど、午前・午後にわたる長いプログラムなので、最初に大きな流れをお伝えしました。

 

《2. 観察① 動物をモチーフにした彫刻作品をみる》
いざ展示室へ。参加者はとびラーとチームになって東京都美術館の企画展「木々との対話──再生をめぐる5つの風景」の展示室へ向かいます。_MG_3254_s
こどもチームの鑑賞の様子です。動物園の飼育員さんも一緒に鑑賞の輪に加わり、獅子や鳳凰、麒麟など、様々な動物をモチーフにした土屋仁応さんの彫刻作品をみんなで“観察”しました。実際の動物との違いや、草食動物と肉食動物の違い、想像して作品を作るということや、動物の形に願いを込めるということなどを、作品を丁寧に見ながら感じ取り、発見していきました。

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保護者チームは、東京都美術館の学芸員の話を聞きながら鑑賞しています。

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グループ鑑賞の後は、とびラーとマンツーマンでの個別鑑賞の時間も。こどもが、ふと、作品を見て気がついたことや気になったことをつぶやく。すると横にいるとびラーがそのつぶやきをキャッチし、「なるほど!どのあたりからそう想ったの?」と尋ねる。「だってね、あそこが・・・」とこども。ふとした小さな気付きから、作品を介した対話が生まれ、紡がれていきます。

 

《3. 観察② そして動物園へ。本物の動物を観察》

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心配していた雨も上がり、みんなで上野動物園の西園「子ども動物園」に移動しました。

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「子ども動物園」では、実際に動物に触れることができ、近距離でリアルな動物の動きや特徴を感じられるほか、草食動物・肉食動物・鳥類が一挙に揃っているので、それぞれを見比べながら、種別による違いや特徴を発見することもできました。気がついたことや、気になった動物の形などは、かんさつ・はっけんシートに文字やスケッチでかきとめます。

午前中の活動はこれにて終了。美術館にもどり、お昼ごはんです。

 

《4. 「自分をまもってくれる動物」を想像する》

ランチ休憩の後、午後は造形活動。午前中にみた彫刻作品と同じ素材、くすの木のかたまりに、守護神のような「自分を守ってくれる動物」を想像しながら描き出します。

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まずは下書き。展示室や動物園で記録した「かんさつ・はっけんシート」を見返しながら、イメージをふくらませます。どんな動物にしようかな?

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木のかたまりに描く際の今日のポイントは、平面ではなく立体で考えてみる、ということです。前・後ろ・左・右・上・下の6方向から見た動物の姿を考え、木のかたまりの各面にパステルで描いていきます。平面作品ではなく、せっかく彫刻作品を鑑賞したので、立体というものを感じ、考える活動です。
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こどもも大人も1人1作品。
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大人チームのテーブルでも、保護者の方々がそれぞれの「自分を守ってくれる動物」を描き出しています。

 

描き終わったら、その動物に込めた想いや、その動物ができること、出会いのエピソードなどを紙に書きとめ、キャプションをつけました。_MG_3552_s

「海でおよいでいたらドラゴンがとんでいました。ドラゴンをおいかけてまちに行きました。木の上にとまっていたので はなしけたら ともだちになってくれました。このドラゴンはおこると口から火をはくのです。」

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左の作品:「リレーとかでゆうしょうするハクビシン」

右の作品:「羽馬(はねま)家の守り神★花をもった馬の顔はハクビシン。家族が危ないときにその羽やしっぽで追い払ってくれる。」

実際の動物の一部を掛け合わせたものや、卓越した機能を持つ動物など、参加者それぞれの願いが込められた26の動物たちが誕生しました。出来上がった作品を、親子で並ぶように展示します。_MG_3522_s_MG_3540_s
ワークショップでは、別々に活動したこどもと保護者。最後に、こうして隣り合わせに作品を並べることで、自然と、ワークショップにまつわる会話が親子の間で交わされていました。
それぞれが個別に体験したことを、こうして家族間で自然に話をすることで、今日のミュージアム体験が一層深まっていくだろうと感じられる光景でした。
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最後に今後も上野公園の9つのミュージアムをめぐる冒険が続けられるよう、「ミュージアム・スタート・パック」をプレゼント。パックの使い方もお伝えしました。
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プログラム後に聞かれた保護者の声です。
「動物園にはよく行きますが、初めて美術館に入りました。木の匂い、動物の表情など、すごく心に響くものがありました」

「一つの作品・動物をこんなにじっくり時間をかけて見ることはないので、とてもよかったです。子供と一緒でもこんな風に見られたらよいな」

 

動物園は行ったことがあるけれど、美術館は子連れではちょっと…と感じるファミリーは結構いらっしゃるので、このプログラムはそんなファミリーにとって、美術館デビューのいいきっかけだったかと感じます。
作品も動物も、”観察する(丁寧によく見る)” ことで、大人もこどももそれぞれに自分なりの気付きがあり、正解/不正解ではなく、気が付いて、どうしてかなぁ?と考えたり、へぇ!と驚いたり、きっとこうかな?と推理したり、ねぇあれがね、と親子で話してみたり。
ミュージアムって、そういうコミュニケーションが生まれる場なんだな!と、ぜひ今後も家族でミュージアム冒険を続けて、様々なコミュニケーションを楽しんでいってくれたらと願いながら、参加者を見送りました。

 

(Museum Start あいうえのプログラムオフィサー、東京藝術大学美術学部特任助手:長尾朋子)

プログラム: うえの!ふしぎ発見 |
投稿日: 2016年9月4日