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2017(平成29)年度 ミュージアム・トリップ

ミュージアム・トリップ:NPO法人キッズドア[中高生](2017.7.27)

7月27日、2017年度1回目の「ミュージアム・トリップ」が行われました。「ミュージアム・トリップ」とは、さまざまな状況にあるこどもたちがアート・コミュニケータ(以下とびラー)と共にミュージアムを楽しむインクルーシブ・プログラム。児童養護施設や経済的に困難な家庭のこどもを支援する団体、海外にルーツをもつこどもを支援する団体など、各分野に専門的に取り組む方々と連携し、2016年度より実施しています。

今回は昨年度に引き続き、家庭の経済状況から塾に通うことが難しいこどもへ無料の学習支援を行なうNPO法人キッズドアと連携し、中高生11名、引率者5名と共に、とびラー16名が活動しました。とびラーは事前に日本のこどもの貧困孤独について学び、当日はこどもの小さな呟きや想いを逃さずに「聞く」ことを心がけています。

《お迎え》
当日は上野駅でこどもたちをとびラーが出迎えます。お互いに自然に打ち解けあえるよう、上野公園の景色や作品を見てお話しながら、一緒に東京都美術館のアートスタディルームに向かいます。
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《はじめに:小さな色カード》
こどもたちがアートスタディルームに到着すると、東京藝術大学の松尾より「上野公園へようこそ!」とご挨拶。今日はとびラーさんと一緒に、東京都美術館で展覧会を見て、お昼はお隣の東京藝術大学でランチを食べ、午後は大学を見学するという流れをお話しします。そして、これから見に行く展覧会「杉戸展 とんぼ と のりしろ」のポスターを見て自分の好みや今の気分で色を選び、パステルで小さなカードを制作。それぞれが選んだ色からお互いを知る、小さなきっかけができました。
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《展覧会の鑑賞:「杉戸洋 とんぼ と のりしろ」》
展示室に入りグループで全体を歩いて空間を把握すると、こどもととびラーは一人ずつペアになり、こどものペースで作品を見ます。とびラーへ積極的に話しかける子だけでなく、二人になった途端に言葉が溢れるように話しかける子、一見ただ歩き回るようだけどポロっと作品について呟いている子など、こどもたちは十人十色です。とびラーは一方的に解説や誘導をするのではなく、こどもと一緒に作品を見ながら、その小さな言葉や表情の変化に現れる「本人が感じたこと」を受け止めて、自然な会話の中で作品を楽しむことを心がけます。IMG_6418 2IMG_6436IMG_6424のコピー

《ランチ:大学の学食で》
ランチはお隣、東京藝術大学の学食でポークカツや、エビフライ、生姜焼きなど学食らしいメニューの中から好きなものを注文します。様々なお客さんで大賑わう学食の雰囲気を感じながら、「あったかいね!」「おいしいね。」と、みんなでワイワイと食事しました。IMG_6482

《大学ツアー》
午後は東京藝術大学のキャンパスを見学。デザイン科では佐藤絵里子さんに展示を見せていただき、建築科では山本玄介さんに模型や道具など見所満載の教室を紹介していただき、木工室や石膏室も特別に見学しました。通り道で文化祭の準備に出くわす場面もあり、こどもたちが自分と年齢の近いお兄さんお姉さんが生き生き学ぶ雰囲気を感じ、隣にいるとびラーへ「なんか…すごい!自分もこのままでいいんだと感じた。」と話してくれたり、午前中に作品の木枠が好きだと言った子が喜んでくれたり、「この大学に行きたい」と言ってくれた子もいたそうです。IMG_6518IMG_6528

《一日の記録をまとめ》
最後に美術学部の教室に戻り、「ミュージアム・スタート・パック」をプレゼント。一日を振りかえりながら記録を作りました。とびラーも一緒にブックを作り、最後にみんなで見合って今日のプログラムを終えました。

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4時間のプログラムの中で、とびラーもスタッフもこどもたちの小さな呟きや想いを見逃さないように過ごしました。こどもたちが、親でも先生でもない大人「とびラー」と一緒に展覧会や大学を巡る時間をまた思い出してくれたら嬉しいです。そしてぜひ、秋の「あいうえのスペシャル」でまた会えることを願っています。


 

松尾由子|東京藝術大学美術学部特任研究員、Museum Start あいうえのプログラムオフィサー

プログラム: ミュージアム・トリップ |
投稿日: 2017年7月27日