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2018(平成30)年度 うえのウェルカムコース

うえのウェルカムコース@東京藝術大学 卒業・修了作品展(2019.1.31)
台東区立金曽木小学校

2019年1月31日(木)、台東区立金曽木小学校の3年生73名が、学校向けプログラム「うえのウェルカムコース」に参加し、「東京藝術大学 卒業・修了作品展」(以下「卒展」)を鑑賞しました。卒展の会場は、東京藝術大学構内と東京都美術館公募棟・ギャラリーの2ヶ所で開催されていますが、今回のプログラムでは東京都美術館内の作品を鑑賞しました。

こどもたちにどんな出会いがあったのか、どんな体験をしたのか、東京都美術館インターンである大塚が当日の様子を伝えていきます。

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卒展という展覧会では、美術学部の油画・日本画・建築・彫刻・工芸・デザイン・先端芸術表現といった学科の作品が、平面だけでなく立体や映像、インスタレーションなど、藝大ならではの様々な作品形態で展示されています。こどもたちは事前学習で、各学科の特徴を図工の先生から聞いたり、当日見に行きたい学科を考えたりしてきていました。

<事前学習で作成したワークシート>

1組1班 1組3班

 

そして迎えた当日。今日のプログラムのテーマは「とびラーとめぐる!芸大生の作品を見に行こう!」です。アート・コミュニケータ(愛称:とびラー)1~2人と子どもたち7~8人でひとつのグループを作り、一緒に展示室を巡ります。

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美術館に到着すると、とびラーがお出迎え。グループごとに、顔を合わせたら、東京都美術館のアートスタディルームへ向かいます。ここでは、展示室に入る前のオリエンテーションが行われました。

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「Museum Start あいうえの」プログラム・オフィサーの鈴木智香子さんから「東京藝術大学には芸術のプロ、つまりアーティストになることを目指している人が通っています。今日展示されている作品はその大学生たちが卒業制作として作ったもの。出来立てほやほやです。」という説明がありました。また、展示室で守ってほしい4つの約束事についても、こどもたちと確認しました。

「出来立てほやほやの作品が、もしかすると10年後や50年後に美術館でもう一度見ることができるかもしれません。触ったり、走ったりして作品を傷つけてしまうと、その未来はなくなってしまいます。美術館で作品を見るときは、作品を守る気持ちで、大切に見てくださいね。」
その話を聞いたこどもたちも、真剣な表情に変わります。

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今日のプログラムはグループでお話しをしながら鑑賞をするグループの時間と、たくさんの作品の中から自分のお気に入りを見つける、ひとりで鑑賞する時間で構成されています。
展示室内のコースは、とびラーとスタッフが一緒に考え練ったオリジナルのもの。

今日の活動の流れを理解したところで、とびラーと一緒に展示室へ向かいます。

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展示室に到着すると、たくさんの作品を目の前にこどもたちの目が輝きだしました。

ある日本画科の作品を前にして、

「この大きな絵は何人で描いたの?」

という質問が上がりました。学生が1人で描いたことを知ると、とても驚いていました。芸大生の熱量溢れる作品に気分も高まります。

このようにして、作品を見て感じた小さな発見や疑問をとびラーとお話ししながら、展示室の中を進みます。

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今回、美術館でこどもたちが出会った人はとびラーだけではありません。
作品を制作した芸大生との出会いもありました。
とびラーの働きかけによって、こどもたちと芸大生の間にコミュニケーションが生まれます。

「どうしてこれをつくったの?」

という問いかけに対して、自分自身がこども時代に興味あったものから、作品を作ったという経緯を説明してくれた日本画科の芸大生。

「みんなが今やっていることが将来に繋がっていくと思うよ」

とこどもたちに話してくれました。

その場で作品を持ち上げて様々な角度から見せてくれたデザイン科の芸大生もいました。

実際に作品を作った作家の話に、こどもたちはますます興味を引き立てられ、積極的に質問をする姿、作品を真剣に見つめる様子が見られました。

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デザイン科や彫刻科の作品など、触れることができる作品は実際にさわりながら鑑賞を楽しみました。これも「卒展」ならではの楽しみ方です!
様々な形態で展示されている芸大生の作品に興味津々の様子でした。

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グループの時間の後はひとりで鑑賞する時間です。グループの時間に見た作品をもう一度見に行ったり、事前学習で気になった学科の展示室を選んだり、自分のお気に入りの作品を探します。

グループの時間とは対照的に、こどもたちは静かに自分と作品との対話を試みているようでした。こどもたちが持っているのは会場マップとつぶやきシートが一緒になったボード。新たな発見や疑問はつぶやきシートに言葉や絵で書き留めておきます。

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展示室での活動後、アートスタディルームに戻ると「ミュージアム・スタート・パック」がとびラーより手渡されました。「ミュージアム・スタート・パック」とは、上野公園がもっと楽しくなる冒険の道具です。
その中に入っている「冒険ノート」には「つぶやきシート」に書いたように言葉や絵を書いたり、写真やチラシを使ってスクラップしたりして、体験したことを自由に記録することができます。

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「冒険ノート」とセットになっている「ビビハドトカダブック」には上野公園を楽しむためのヒントがたくさん詰まっています。

また、これらの冒険の道具が収まる持ち運びに便利な布製のバックには、上野公園の9つの施設に設置された「ビビットポイント」という場所でオリジナルの缶バッジを集めて付けることもできます。そのバッジをもらうためには秘密の呪文が必要です。

みんなで秘密の呪文を声に出し、本日の活動は終了しました。

上野公園の9つの文化施設のことを尋ねると「知ってるところある〜!」と声に出したこどもたち。金曽木小学校は台東区内の学校なので、こどもたちにとって上野公園はとても身近な場所のようです。だからこそ、一度きりではなく、何度でも何歳になっても、上野公園のミュージアムを利用してほしいと思っています。

とびラーとの出会い、作品との出会い、制作者である芸大生との出会い、様々な出会いとそれらとのコミュニケーションを通じた鑑賞は、こどもたちにとって忘れられない体験になったのではないでしょうか。

「ミュージアム・スタート・パック」と一緒に上野公園内の施設へ、また新たな出会いを求めて訪れてくれることを願っています。

 


大塚菜々美|東京都美術館 アート・コミュニケーション係インターン

東京学芸大学大学院 教育学研究科 美術教育専攻在籍。長野県出身。19世紀後半から20世紀前半のイギリスのブックイラストレーションを研究。美術館教育や地方美術館の教育普及活動に関心がある。
あいうえのに一言!”参加者の皆さんのミュージアムスタートが素敵な体験になるよう、サポートします!”

プログラム: うえのウェルカムコース |
投稿日: 2019年1月31日