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2018(平成30)年度 ティーチャーズ・カフェ

先生のための特別研修会 ティーチャーズ・カフェ(2019.3.25)

2019年3月25日(月)、先生向けプログラム「先生のための特別研修会 ティーチャーズ・カフェ」を開催しました。このプログラムに参加したのは、美術館を活用した授業が未経験の先生28名。上野公園に近い学校からいらした方もいれば、片道2時間かけて上野までいらっしゃった方も。「美術館と連携した授業がしてみたい!」「対話型鑑賞を体験してみたい!」という思いで集まっていただいたみなさんです。

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Museum Start あいうえの では、学校向けプログラム「スペシャル・マンデー・コース」を実施しています(過去の様子はこちら)。展覧会がお休みの日に、学校のために展示室を特別に開室。アート・コミュニケータ(愛称:とびラー)とともに、こどもたちがゆったりとした展示室で活動できるプログラムです。今日はその「スペシャル・マンデー・コース」を、先生が参加者として体験できる日なのです。

 

■挨拶 ~事業の概要説明とアイスブレイク~

参加者は東京都美術館アートスタディルーム(ASR)に集合。プログラム全体の進行役を務めるのは、東京都美術館学芸員の熊谷香寿美さんです。グループごとのテーブルにはとびラーが座り、参加者を迎えます。

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まずはアイスブレイクとして、グループごとに作品画像のカード(アートカード)を使っての自己紹介。好きな作品、気になる作品を選び、それを選んだ理由を説明します。「色使いやモチーフが好き。」という意見や、「今の自分の気持ちに似ているから。」という意見も出ました。

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続いてはMuseum Start あいうえの について紹介します。コンセプト・ムービー「スペシャル・マンデー・コース」の映像を交えながら、Museum Start あいうえの について概要説明がありました。上野公園の文化施設9館が連携して実施しているプロジェクトであること、一回のプログラムへの参加で完結するのではなく何度でも上野公園を活用できること、などが紹介されました。

 

■体験 ~スペシャル・マンデー・コースを知る~

この日に鑑賞する展覧会は、東京都美術館で開催されている特別展「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」。参加者のみなさんには「スペシャル・マンデー・コース」と同様に、休室日の展示室を特別に体験していただきました。

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展示室に向かう前の導入活動から体験は始まります。「奇想の系譜展」のアートカードから実際に見てみたい作品を一点選び、その理由を説明します。集合した時は少し緊張気味だった参加者のみなさんも、とびラーとのコミュニケーションを通して気持ちがほぐれた様子です。高まった気持ちでASRを出発。参加者同士で会話をしながら移動し、和やかな様子で展示室に入っていきます。

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展示室での活動は以下のように進行します。

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1、展示室を一周する
2、グループで対話しながら、1つの作品をじっくりと見る
3、グループからはなれ、自分が見たい作品を個別に鑑賞する
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グループごとに展示室に入ったら、ロビー階、1階、2階へとつづく展示空間をぐるっと一周します。散歩のように空間をめぐることで、展示室という特殊な場に少しずつ慣れていくことができます。
展示室をめぐったら、グループごとに1つの作品の前へ。参加者にとっても関心が高い「対話型鑑賞」を行う時間です。とびラーがファシリテータ(進行役)となって、対話を進めていきます。作品に何が描かれているのか、どんな感じがするのか、どこからそう思ったのか…。参加者の言葉をとびラーが引き出しながら、ひとりで鑑賞する時とは違った発見や気づきを得ることができます。「複数人で意見を共有しながら作品をじっくり鑑賞するのは新鮮な体験だった。」「1人で見るよりも鑑賞が深まった。」というフィードバックをいただくなど、参加者からも好評でした。

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展示室での最後の活動は「個別鑑賞」です。導入活動で見たアートカードの作品の実物を見に行く、展示室を一周した時に気になった作品を見に行くなど、自由に作品を鑑賞します。配布されるのは「つぶやきシート」と会場マップ。マップを使って作品の場所を確認し、作品を見て感じたこと・気になったことをつぶやきシートにメモします。文字だけでなく、スケッチをしている方もいます。つぶやきシートには何を描いても自由です。

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展示室での鑑賞時間は1時間ほどありましたが、「時間があっという間だった!」という参加者の声が多数。みなさん集中して、作品鑑賞にじっくりと取り組んでいたようです。全員揃ってASRに戻ってきたら、冒険ノートを作成する時間に移ります。チラシを切って貼って、感じたことや発見を色鉛筆やペンで書き込んだり、お気に入り作品のスケッチを描いたり…。先生たちも、こどもの頃に戻ったかのように夢中の様子でした。それぞれが見たこと感じたことを自分なりに表現した、世界に一つだけの「冒険の記録」が完成しました。

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■深める ~先生によるプログラム体験談~

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美術館との連携授業についてより理解を深めていただくため、過去参加校の実践報告も行いました。登場した先生は、文京区立文林中学校の田邊しのぶ先生。参加したのは2018年12月3日に実施されたスペシャル・マンデー・コースです。国語の授業の一環として、全校生徒で美術館に来館した事例を報告していただきました。(12月3日の様子はこちら
事前学習の様子、実施準備のためにあいうえのから受けたサポートについて、当日のこどもたちの様子、事後学習で書いた作文などを田邊先生には紹介していただきました。スペシャル・マンデー・コースを実施した先生ならではの詳細なお話を聞き、参加者のみなさんも学校来館について具体的にイメージできたのではないでしょうか。

 

■冒険のパートナー ~とびらプロジェクトと連携して学びを深める~

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さて、このプログラムにおいてここまで参加者の活動をサポートしてきたとびラーのみなさん。美術館と大学と市民が連携するソーシャル・デザイン・プロジェクト「とびらプロジェクト」の一員です。とびラーはボランタリーな活動ですが、従来の美術館ボランティアとは違い「プレイヤー」として活動しています。参加者とともに学び合う存在「アクティブ・ラーナー」として場をつくり、コミュニケーションを通して活動を深めていきます。とびラーのみなさんはMuseum Start あいうえの でのこどもたちの活動には欠かせない「冒険のパートナー」なのです。(とびらプロジェクトのHPはこちら
熊谷さんより、「とびらプロジェクト」について、アート・コミュニケータの活動の意義についてのレクチャーがありました。

 

■ふりかえり 〜気づきと発見をシェア〜

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プログラム体験に、レクチャーに、盛りだくさんのプログラムもそろそろ終盤です。最後に行ったのは、グループ内でのとびラーとの交流タイムと今日のふりかえりです。この日参加したとびラーは「スペシャル・マンデー・コース」をはじめとするあいうえのプログラムに参加経験のあるみなさんでした。とびラーひとりひとりがこれまで行ってきた活動の中で、印象的だったこどもたちの様子や発言などを参加者に紹介します。
参加者のみなさんは、今日のプログラムでの学びや感想を付箋に書きグループ内でシェア。「とびらプロジェクトで大切にしている「きく力」を自分の中でも育ててみたい。」「とびラーとのコミュニケーションは心理カウンセリングと似たような感じ。」などの意見が出ました。

 

■参加者の感想から

「対話型鑑賞、学校でやってみたいと思いました!」「申し込みはいつからできるのですか?」など前向きな言葉を交わしながら、今回のプログラムは終了です。参加者アンケートでは、以下のようなご意見をいただきました。

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〇とびラーさんとのコミュニケーションも本当に楽しくてあっという間でした。
〇新しい学びの形への取組、挑戦を知ることができました。普段の授業では育めない力を養うことができる良い機会だと思います。
〇感想を交流することで、自分もいろいろ考え、鑑賞が深まる、絵を鑑賞する視点が変わる。
〇本物をみて全力を出して創作した作品に触れると誰でも自ら言葉を操り出すと思います。熱意のあるホンモノの教育をしたいと感じました。
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プログラム体験やとびラーとのコミュニケーションを通して、「ホンモノ」の前だからこそ深まる学びを参加者のみなさんが直に感じ、それをこどもたちに伝えたいと思っていただいたこと、とても嬉しく思います。
「ティーチャーズ・カフェ」に参加したことによる先生の発見・気づき・アイデアが、こどもたちの豊かな学習につながっていくことを願っています。

 


石倉愛美|Museum Start あいうえの アシスタント

一橋大学大学院 言語社会研究科 修士課程在学中。専門は美術教育学・社会学。日本の生涯学習政策と美術館ボランティアの関わりについて研究。
参加者のみなさん、保護者・先生のみなさん、とびラーさんがミュージアムで充実した活動が行えるようサポートしていきます。

プログラム: ティーチャーズ・カフェ |
投稿日: 2019年3月26日