特集

ダイバーシティ
への取り組み

『わたしの言葉が大切なように、あなたの言葉も大切』
そんな自分と自分じゃない誰かの個性をみとめ、尊重する目と心を育む
プログラムを実施しています。

CONCEPT

ダイバーシティ・プログラムは、さまざまな社会的状況にあるこどもや
多様な文化をもつこどもたちがミュージアムを楽しむプログラムです。

(撮影・編集:株式会社らくだスタジオ 2019年)

「すべてのこどもたちに豊かなミュージアム体験を!」を合言葉に、美術館・博物館や大学が こどもたちを支援する団体と連携し、文化や言語のちがいを超えて、こどもや大人が出会い、 対話するプログラムをデザインします。

プログラムの背景

ミュージアムの活動は、モノの収集、保存、研究、展示、教育です。近年ではそれらのミュージアムの活動が人々の幸福な状態=ウェルビーイング(Wellbeing)を支え推進する活動である、という視点が大切にされるようになりました。人々の幸福な状態=ウェルビーイング(Wellbeing)は体だけでなく心も健やかであること、一人ひとりの尊厳が保たれていること、その人が社会との健やかなつながりを持っている状態などの意味が含まれています。

2020年の「国際博物館の日」の世界共通のテーマは“Museums for Equality: Diversity and Inclusion 2020”「平等をつくる場としてのミュージアム:多様性と包摂」でした。ミュージアムは多様な人々をつなぐ場であり私たちの世界にある多様な価値を対等に分かち合う場としての役割を担っています。

ダイバーシティ・プログラムの特徴

ダイバーシティ・プログラム イメージ画像1
A.S.

すべてのこどもたちのデビューを!
外部の団体と連携してこどもたちへリーチ

2016年から実施しているダイバーシティ・プログラムは、様々な社会的状況にあるこどもや多様な文化を持つこどもたちを対象としたプログラムです。このプログラムでは、児童養護施設、経済的困難を抱えたこどもをサポートするNPO、外国にルーツを持つこどもをサポートするNPOなど、関連する団体等と連携して、文化や言語の違いを超えてこどもや大人が出会い、対話するプログラムを展開しています。

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「やさしい日本語」のプログラム

近年、「やさしい日本語」が世の中に浸透してきていることも受け、「やさしい日本語」を打ち出した方がよりワークショップの意図が伝わるのではと考え、2019年からダイバーシティ・プログラムのタイトルに「やさしい日本語」を入れ込むようにしています。

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ダイバーシティの活動

活動はこどもたちに合わせたオーダーメイド。
こどもたちが安心して活動できる環境をデザインします。

連 携 NPO法人 キッズドア

(2019年度実施)

こどもたちの世界を広げるホンモノの作品と人との出会い

キッズドアは、貧困など困難な環境にあるこどもたちへの無料の学習支援を行なっているNPO法人です。

NPO法人 キッズドア 画像1

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(左下)東京都美術館「伊庭靖子展 まなざしのあわい」
(上、右下)東京藝術大学

キッズドアの学習会に通うこどもたちを迎えたプログラム。東京都美術館の作品をとびラーと1対1でみる体験は、こどもたちが多様な大人たちに出会い、新しい世界を知るきっかけになります。美術館のあとに訪れた東京藝術大学では、アトリエを大学院生と探索。大学で学ぶ学生との出会いは、将来の自分像をこどもたちが広げていく経験となります。

連携 聖フランシスコ子供寮

(2019年度実施)

こどもたちの生きる力をみんなで育む

聖フランシスコ子供寮は、こどもたちの「家となり実家となる」という理念のもと、養護を必要とするこどもとともに生活し、自立のための援助を行う児童養護施設です。

聖フランシスコ子供寮 画像1

聖フランシスコ子供寮 画像2

聖フランシスコ子供寮 画像3

(上、左下)東京都美術館「第68回 東京藝術大学 卒業・修了作品展」

東京都美術館にやってきたこどもたちはとびラーと一緒にミュージアムの世界をゆったり旅します。非日常的な世界が広がる展示室のなかで作品をゆったり見たり、作品をつくった東京藝術大学の学生に出会って作品について対話をしたりします。外に広がる世界との出会いは、新しいひとや社会にかかわるきっかけへとつながる体験です。

連携 ダンスカンパニー
んまつーポス

日本語講師 山藤弘子さん
美術館でやさしい日本語
「美術館でポーズ!」
(2019年度実施)

多様な文化のこどもたちがつどう

多様な文化や言葉をもつこどもたちが東京都美術館につどい、作品をみて、写真と一緒に撮るプログラムです。プログラムでは、「やさしい日本語」を使います。

ダンスカンパニー んまつーポス 画像1
A.S.
ダンスカンパニー んまつーポス 画像2
A.S.
ダンスカンパニー んまつーポス 画像3
A.S.

(左下)東京都美術館

コンテンポラリーダンスカンパニー ”んまつーポス” が、身体を使って作品を見る方法、身体の動かし方をこどもたちに伝授。写真を撮る、撮られる活動を通して、身体と言葉でコミュニケーションをとる中で、作品を見る楽しさ、表現することの面白さを体験していきます。文化や言葉をこえて多様なこどもたちが時間と場所を共有し、お互いを尊重しあうことをめざした身体と鑑賞のワークショップです。

協力 NPO法人 Sharing Caring Culture

美術館でやさしい日本語「うつくしい文字ってどんなかたち?」
(2020年度実施)

多様なうつくしさを発見する

Sharing Caring Cultureは、育児支援などさまざまな活動を通して、国籍や文化などの異なるバックグラウンドを持った人々がお互いを理解し、ともに支え合うことができる多文化社会を目指して活動をしているNPO法人です。

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(上)東京都美術館「上野アーティストプロジェクト2020『読み、味わう現代の書』」

プログラムでは、海外にルーツをもつこどもたちと日本のこどもたちが、東京都美術館の上野アーティストプロジェクト2020「読み、味わう現代の書」展で、墨で書かれた字をみんなでじっくり見ます。「字」って、どんなかたちかな。うつくしいって、どんな感じかな。様々な道具を使って線や形を書くワークショップや、多様なバックグラウンドを持つ参加者同士がひとつの作品について対話して、自分の思う「うつくしいかたち」を見つけます。